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2011年6月27日 (月)

IAEA閣僚級会合

「国際原子力機関(IAEA)の閣僚級会合」の模様が先日よりときどきテレビで放送されていましたが、そもそもIAEAは原発推進派の組織であるため、新興国の人のコメントを聞いていると、なんだか先進国の原発推進派にすっかり洗脳されてしまっている感じがして、なんだか、「世界ショッカー幹部会議」とか、「原発マフィア世界大会」みたいな、悪の組織の集会みたいな印象を受けました。特に、「フクシマの原発は古い設計だったから・・・」というような論調を聞いていると、「チェルノブイリは格納容器がなかったから・・・」として、早くも、福島第一原発事故を特殊なものとして、チェルノブイリから多くを学ぼうとしなかった歴史をまた繰り返そうとしている感じで、とても恐ろしくなりました。

そんな「国際原子力機関(IAEA)の閣僚級会合」について、産経新聞が社説を掲載していました。産経新聞は、もう開きなおったように原発推進記事を書いています。言論の自由があるので、それはそれでいいのですが、ただ、プロが、その新聞の代表意見としての社説として書くには、あまりにも稚拙な内容だと思ったので、その記事を紹介しつつ、一部引用しながら、まったく逆の論旨を記述してみようと思います。

IAEA提案 日本は潮流を読み誤るな

東京電力福島第1原子力発電所の事故を踏まえて、原子力発電の安全強化策を討議していた国際原子力機関(IAEA)の閣僚級会合が議長総括を発表して閉幕した。

 チェルノブイリに続く今回の過酷事故から導き出された多くの教訓を、世界の原子力発電所の安全運転や事故時の緊急対応などに反映していくための合意が得られた。

 日本は事故の収束に全力を傾注するとともに、透明度の高い情報発信を続けることで、世界の不安解消に努めねばならない。それが事故を起こした国の責任だ。

ここまでは、ほぼ同意できる内容なのですが、

(一部中略)

 現在、世界の約30カ国が発電に約430基の原発を利用している。今回の事故をきっかけに、ドイツやスイス、イタリアは脱原発の道を選んだ。だが、それは全体の1割にすぎない。

 大多数の原発保有国は原子力発電支持を変えていない。エネルギーの安定供給力の大きさを認識しているからである。急増する世界の人口を支えるためには膨大なエネルギーが必要だ。

それに対して日本はどうだ。定期検査による停止原発が増える一方だ。菅直人首相からは再稼働への熱意が伝わってこない。菅首相にはエネルギーの安全保障をめぐる国際情勢が理解できていないようだ。少数国の原発離れに目を奪われて、世界全体のエネルギー潮流に逆行しようとしている。

「原発を推進する国が多い」=「世界全体のエネルギー潮流」=「正しいこと」として書いている論調があまりに稚拙で、こんな文章ではまったく読み手の共感を得られないだろう。

 世界では新興国を中心に75基の原発が建設中だ。これに加えて約90基の新設計画がある。

さりげないこの一文がすごく恐ろしいと思ったのだが、IAEAの会合では、安全性を高めたいとする先進国に対し、コスト増を懸念する新興国というように報道されてたが、失礼ながら、将来新興国が原発事故を起こす可能性は極めて高いと思われる。なぜならば、今回の原発事故で、核燃料(使用済を含む)を冷やすことができなくなっただけで、広範囲に放射性物質を撒き散らす事象が起こることが明白になり、そのため、人的ミス、自然災害、テロ攻撃など、甚大な事故を発生させる可能性のある要因は幅広く、数十年というスパンで考えると、どこかの国が甚大な原発事故を発生させる可能性は極めて高いと考えられるからだ。そして、21世紀の終わりごろには、放射性物質に汚染されて、人が住めなくなる地域が世界中のあちこちで出来ることが想像される。さらには、放射性物質が世界中に拡散して、今の人類が滅亡してしまう可能性まで考えるのは決して、大げさではない。20世紀後半には、なんとなく多くの人が、やがて、核戦争により、人類が滅ぶことを想像していて、「北斗の拳」など、核戦争後の世界を描いた、漫画、映画など多かったわけだが、冷戦の終結とともに、世界的な核戦争が勃発するリスクは減ったと思っていた。ところが、今度は原発事故が人類の存続を脅かす、大きなリスクとなってしまった。

 原発は増えていく。その安全技術を高めていくのは、事故で世界に迷惑をかけた日本の重要な義務であろう。IAEAによって示された原発の安全性強化策の実行の先頭に立つのも日本の役割だ。そのための第一歩は、国内原発の早期再稼働にほかならない。

原発が増えなければ、原発事故のリスクは増えない。そのため、「原発事故の危険性」、「事故の悲惨さ」を全世界に伝えるのが、事故で世界に迷惑をかけた日本の重要な義務であり、原発の代替として、発電効率がよく低コストで低リスクな「自然エネルギー発電の実用化」を先頭に立って実現していくことも日本の役割だ。そのための第一歩は、日本が国内すべての原発を完全停止できる時期を明確にして、世界に向けて「脱原発」宣言を行うことにほかならない。

ということで、産経新聞の「世界が原発推進に向かっているから、日本も積極的に推進せよ」という論調が稚拙に見えてしまうのは、やっぱり原発推進に無理があるからだと思います。

それから、NHKの「かぶんブログ」でIAEA会合のレポート記事が掲載されています。

【原発問題・国際会議の現場から2】(科文・横川浩士記者)

【原発問題・国際会議の現場から】(科文・横川浩士記者)

このレポートを読むと、やっぱり、話し合いの場というよりも、商談の場だったのかなという感じがします。やっぱり将来原発事故が多発しそうな、ヤバイ感じがしました。

「ダッ!ダッ!脱・原発の歌/制服向上委員会」

原子力村 - Wikipedia

原発関連御用学者リスト

原発関連御用学者リスト(医学関係)

※僕のブログでは、本来趣味の内容を取り上げることにしているのですが、福島第1原発事故についての政府やマスコミの対応があまりにひどいこと、また、自分があまりに原発の問題に無関心だったことを恥じているので、僕のブログでも、微力ながら、自分の知りえた情報を伝える記事をできるだけ書くようにすることにしました。原発関連の記事のみを見る場合は、右にある「カテゴリー」の「原発事故」をクリックすると、記事をまとめて見れるので便利だと思います。

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