日経新聞が東電に怒った
東京電力の福島原子力事故調査報告書に対して、日経新聞が今日の社説で怒っています。悪の組織「原発推進派」のナベツネ新聞(読売新聞)でなく、原発反対派の朝日新聞、東京新聞でもなく、日経新聞が怒っていることから、「本気で怒ってるんだぞ」感が伝わってくるので、以下に引用します。
東京電力が福島第1原子力発電所の事故について、社内の調査委員会による中間報告を公表した。原発を襲った大津波や相次いだ水素爆発などを「想定外」とし、これまでの主張を繰り返した。 事故の当事者の見解であるにせよ、自己弁護と責任回避の色合いがあまりに濃い報告だ。
なぜ大津波や重大事故を想定外とし、対策に踏み出せなかったのか。幹部の証言や社内資料が示されておらず納得できる説明と検証を欠く。 政府の事故調査・検証委員会は第三者の立場から原因究明を進め、国会も調査委員会を設けた。これらが真相に迫れるよう事実を包み隠さず明かすのが東電の責務であるはずだ。東電は誠実な態度で原因究明に向き合うべきだ。
中間報告では肝心な点がなお釈然としない。ひとつが、複数の研究者が東日本大震災の前から、福島原発を襲う大津波の恐れを警告していたのに、東電が対策の必要はないと判断した理由だ。 報告によると、2008年に社内チームが高さ10メートル超の大津波の可能性があると試算しながら、「根拠がない仮定」として対策を見送った。政府や学界がこの大津波について統一見解を示していないことを理由に挙げたが、試算した東電の技術者らがどう考えたのか、報告ではわからない。
放射性物質が大量に漏れる重大事故への備えでも、「国と一体となって整備した安全対策を含め、ほぼすべての機能を失った」と総括した。国の安全基準の不備が原因と言わんばかりで、電力会社の責任に踏み込みが足りない。 東電の幹部や技術陣が事故の危険性をどう認識し、拡大を防ぐためどう行動したのか。その記録や証言が明らかになっていないことが、疑問が解けない根底にある。
政府や国会の調査委が来年夏までにまとめる報告は、首相官邸の初動や東電との意思疎通、情報開示が適切だったかを含め、事故の全体像を解き明かす責務がある。東電に強く働きかけ、証言などの事実を明らかにさせるべきだ。
すごく真っ当で、正論の社説だと思います。こうした大ひんしゅくを買っている、東電の事故調査報告書は以下のリンク先よりpdfファイルで読めます。
東京電力「福島原子力事故調査報告書(中間報告書)」(PDFファイル)
こうして、皆が怒った甲斐あってか、東電はいよいよ、火力発電所を売却して、民間から電力を買うようにするなど経営を合理化したり、リストラの具体策や今後の経営方針などをまとめた「アクションプラン(行動計画)」を今週中にも、発表するそうです。この計画が、電力改革につながる第一歩となることを期待して、正式発表を待ちたいと思います。
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「ダッ!ダッ!脱・原発の歌/制服向上委員会」(初披露時の映像)
※僕のブログでは、本来趣味の内容を取り上げることにしているのですが、福島第1原発事故についての政府やマスコミの対応があまりにひどいこと、また、自分があまりに原発の問題に無関心だったことを恥じているので、僕のブログでも、微力ながら、自分の知りえた情報を伝える記事をできるだけ書くようにすることにしました。原発関連の記事のみを見る場合は、右にある「カテゴリー」の「原発事故」をクリックすると、記事をまとめて見れるので便利だと思います。
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