読売の偏向報道による悪質な印象操作
悪の組織・原発推進派である読売新聞がまたまた懲りずにひどい社説を書いています。マスコミはマスコミを批判しないことをいいことに、大新聞であることの権力を行使してやりたい放題の読売新聞は批判されるべきと考えるので、このブログではしつこく批判していこうと思います。
核燃料再処理 試運転の確実な成功を目指せ(1月30日付・読売社説)
既に存在する「核のごみ」を安全に保管し、処分する技術の確立は急務である。試験を確実に成功させてもらいたい。
日本原燃は青森県六ヶ所村に建設中の再処理工場で、2008年12月から中断していた試験運転を再開させる。
東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、原子力関連施設の再稼働は初めてとなる。
目的は、原発の使用済み核燃料を処理した際に出る放射線レベルの高い廃液を、ガラスで固める工程の完成にある。
放射性廃棄物は、安全かつ確実に処分せねばならない。廃液の場合は、そのままタンクにためておくより、ガラス固化体に加工した方が安全性に勝る。
そのための試験を着実に進めることは、必要なことだろう。
反原発派の団体などは試験再開の中止を求めている。しかし、この試験と原発利用に対する賛否とは、別の問題ではないか。
廃液処理の技術は福島第一原発事故の処理にも役立つ。事故が起きた原子炉には大量の放射性廃液がある。いずれ安全に処分せねばならない。固化技術の重要性は増しているとも言えよう。
しかも、全国の原発には使用済み核燃料が約1万4000トン、再処理工場にも約3000トンある。再処理が進まなければ、これも将来、行き場がなくなる。
重要なことは、日本の原子力政策をどうするか、将来をにらんで論議を深めることだ。
日本は、原発を電力供給の重要な柱と位置づけてきた。さらにウラン燃料を有効活用するため、使用済み核燃料からウランやプルトニウムを取り出し、燃料として再利用する「核燃料サイクル」の実現も目指してきた。
六ヶ所村の再処理工場は、その拠点となる施設だ。
福島第一原発事故を受け、原発利用には慎重論も増えている。定期検査で停止した原発の再稼働はままならず、使用済み核燃料の再処理計画にも影響が出そうだ。
内閣府の原子力委員会が、核燃料サイクル政策の再検討を始めている。そこでは、核燃料サイクル中止も選択肢に挙がっている。
政府は今夏にも、新たなエネルギー政策をまとめる方針だが、原発事故処理が続く中での議論は、ともすれば極端に走りがちだ。
長年かけて築いてきた核燃料サイクル技術を今、放棄すると決めていいものか。急激な政策転換で将来に禍根を残さぬよう、冷静かつ緻密な議論を求めたい。
使用済み核燃料を処理することは必要であるため、一見、まともな意見に見えるものの、六ケ所村の再処理工場はとても問題の多い施設であり、文章から読み取れる部分でも「なんで試験運転が2008年12月から中断していたのか」など、都合の悪いことは一切スルーしています。再処理工場に反対している人の意見を見ると、核兵器に転用可能なプルトニウムの製造に反対していたり、再処理工場が大気や海に放射性物質を放出することに反対していたり、ガラス固化体にしても、実績のある海外の技術を使用せず、実績のない国産の技術を使用しようとして、失敗に失敗を重ねていて、挙句の果てには事故を起こして、使用済み核燃料から放射性物質を大量に放出してしまうことを心配して反対したりしています。それらの事情を一切書かないで、「反原発派の団体などは試験再開の中止を求めている。しかし、この試験と原発利用に対する賛否とは、別の問題ではないか。」などと書くと、事情を知らない人に、「反原発派はなんでも反対するわからず屋の人」という印象を与えてしまいます。これは、悪質な印象操作です。読売新聞はこのような公正に欠ける記事を平気で書くので、人に偏った考えを植えつけるおそれがあり、青少年の健全な育成に有害な新聞だと、僕は思うわけです。
また、この社説は核のゴミの処理についてどうするのか書いているのかと思えば、後半は話がガラっと変わって、核燃料サイクルを継続すべきという、いつもの主張になっています。核燃料サイクルがいかにいい加減で、お金を大量に無駄遣いしていたことが、最近どんどん明らかになっていて、破綻寸前なのに、ここまでしつこく核燃料サイクルを擁護するのには、何かの利権に読売が絡んでいるのかと疑ってしまいます。
この機会に六ケ所村の再処理工場について少し調べてみたので以下に紹介します。
高レベル放射性廃棄物のガラス固化体づくりがなぜ難航しているのか、以下の記事がわかりやすく記載してくれています。
六ヶ所再処理工場営業運転の危険 未熟なガラス固化技術への不安を示す地元メディア
ちょっと抜粋すると
六ヶ所再処理は、白金族が原因で高レベル放射性廃棄物のガラス固化体づくり試験が難航している。確実性よりも経済性と効率性を優先しようとして「実績に乏しい国産技術を採用した」結果、反対に経済性と効率性を損なっている。海外の方式と比べて、実績もなく手順を省き溶融炉を大型化した設計が手探りの運転を繰り返させ、技術確立に手間取っていることが現在の行き詰まりの原因のようだ。
2007年11月から始まったガラス固化試験は、同年12月末に早くも白金族問題で中断し、運転方法を練り直したとして08年7月に再開したが、同年11月の中断は炉内の耐火レンガの剥離事故へと発展した。
ということなのですが、失敗つづきの経緯や海外の実績のあるガラス固化体技術との違いが図解でとてもわかりやすく記載されています。失敗したあげく炉内の耐火レンガの剥離事故を起こしたということなので、さらに炉内が壊れるような事故が起きたら、高レベル放射性廃棄物から大気中への放射性物質の大量放出が心配になるわけで、反対する意見があるのももっともだと思います。
この記事にあるように、「デーリー東北新聞社」の記事が再処理工場について詳しいので、年明けからの記事をいくつか抜粋します。
東京電力副社長、電気事業連合会副会長を務めた桝本晃章さん(73)=現東電顧問=は、青森県に立地受け入れを要請した1984年から、核燃料サイクルに関わってきた。
「言葉がない。地元の方には本当に申し訳ないと思っている」
日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(六ケ所村)がいまだ完成をみない現状に、電力関係者の一人として忸怩(じくじ)たる思いを抱く。
工場の工程変更は、89年の事業指定申請時から数えて計18度。当初計画では97年12月に完成する予定だった。遅れの大きな要因は、アクティブ試験(試運転)最終段階のガラス固化体(高レベル放射性廃棄物)製造試験で続発するトラブルだ。
「これほど時間がかかるとは」。85年当時、県むつ小川原開発室長だった明石昭さん(84)は、想像もできなかった事業の長期停滞にため息を漏らす。
◇ ◇
2008年12月から中断が続く固化体製造試験は、1月下旬から2月上旬に再開される見通しだ。東日本大震災に伴う電力不足や、緊急安全対策に関する県の検証結果を見極めるため、昨年4月の予定がずれ込んだ。
約10カ月の〝空白期間〟が生じたことで、ことし10月の工場完成は「相当厳しい」(川井吉彦社長)状況で、19度目の延期は現実味を帯びる。
さらに、国が進める原子力政策の見直しにより、サイクルの意義自体が問われる可能性すらある。
それでも、県企画部長、出納長などを歴任した藤川直迪さん(82)は「安全を確保し、目指した技術を完結させてもらいたい」と完成を待ちわびる。
◇ ◇
しかし、現状に目を向ければ、サイクルの停滞は県民に大きな不安をもたらしている。
国内唯一の商業用サイクル施設がある六ケ所村には、再処理を待つ3千トン近い使用済み核燃料がたまる。海外から返還されたガラス固化体1414本も一時貯蔵されている。
使用済み核燃料は、東電福島第1原発事故で水素爆発のリスクが露呈した。長年の課題である固化体の最終処分地選定は、原発事故の影響で、さらなる難航が予想される。
安全を脅かす「将来の資源」と、行き場のない「核のゴミ」。国策に協力してきたにもかかわらず、県民は原子力利用の負の側面ばかりを背負う状況を余儀なくされている。
「受け入れが悪かったとは言い切れない。正しかったかどうかは、いつか、誰かが判断してくれると思う」
藤川さんは、県幹部として立地受け入れに関わった強い思い入れをにじませながら、淡々と語った。そして、明石さんも「正直言って分からない」と率直に胸の内を明かした。
施設受け入れの是非について答えを出せない2人の心境が、青森の置かれた状況を象徴している。
白金族クリアできるか/原燃「対策は万全」(2012/01/11)
2007年11月の開始以来、難航を続けるガラス固化体(高レベル放射性廃棄物)の製造試験。ここをクリアできずに、使用済み核燃料再処理工場は完成の目前で足踏みを続けている。難航の最大の要因は、固化体を製造する溶融炉の底に重い「白金族」がたまるのを防げないことだ。
高レベル放射性廃液にはさまざまな金属が含まれる。その中のルテニウムやパラジウムなどの白金族が沈んでたまると、炉の底にあるじょうご状の注入口から溶液が流れにくくなる。
さらに、炉底にこびり付いた金属を削り取って炉内の状況を正常に戻すため、固化体製造は何カ月もの中断を強いられる。日本原燃の川井吉彦社長は昨年末の会見で「もし今度も試験の途中でそうなったら、失敗になる」と述べ、試験のハードルを下げる考えはないことを強調した。
原燃は過去2度の失敗を繰り返さないように、試験が中断して3年余りの間に、茨城県東海村にある実規模の溶融炉で模擬廃液を使った事前試験などを重ねてきた。
試験再開に向けて講じた対策は、▽炉内の温度調整(運転方法)の改善▽炉内温度計の追加設置▽白金族を押し出す「洗浄運転」の定期実施―などだ。
原燃は「対策は万全」と胸を張るが、これまでも「万全」と言いながら中断を繰り返してきた経緯がある。反核燃団体は「今度もうまくいかないだろう。もうやめた方がいい」と冷ややかに見る。
今月下旬にも再開されるのは「事前確認試験」で、まずは放射性物質を含まない模擬廃液で固化体を約20本製造する。続いて、実廃液を用いて最大40本の固化体を製造する予定だ。終了まで5~6カ月を見込んでいる。さらに、最終段階の「安定運転確認試験」として、最大能力での運転ができるかどうかなどを確認。その後、国の審査に合格すれば再処理工場は完成となる。県や六ケ所村などと安全協定を結んだ上で操業を開始する。
再処理工場の着工は1993年。当初は97年に完成の計画だった。着工から19年目の完成を迎えるのかどうか―。核燃料サイクル政策の先行きにかつてない不透明感が漂う中で、目標の10月完成に向けて再処理工場は3年ぶりに動きだす。
日本原燃は25日、六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場でガラス固化体(高レベル放射性廃棄物)を製造する溶融炉の熱上げが24日夜に完了したと発表した。現在は設備の健全性や性能を確認中で、この作業を終え次第、数日中にも、2008年12月から中断している試験を再開する見通しだ。
固化体を製造する溶融炉は2系統ある。原燃は、まだ高レベル廃液を使っていないB系炉、これまでの試験で使っていたA系炉の順で試験を進める計画。今回の熱上げしたのはB系炉で、今月10日に着手していた。
炉の作動確認で、高レベル廃液と似た成分を含む非放射性の「模擬ビーズ」を固化体1本分抜き出したが、計画より流下速度が遅かった。このため26日に炉内をかき混ぜた後で、2本目を抜き出す。
ほかには、炉内に追加設置した温度計が適切な値を示すかどうかや、炉底部の加熱性能もチェック。数日掛けて、これらの作業を実施した後、B系炉に実際の高レベル廃液を模した廃液を流し込んで試験に着手する。
固化体製造試験は当初、昨年4月に再開する予定だった。しかし、東日本大震災の影響などで時期がずれ込んだ。
計画によると、再処理工場は、今年10月に完成予定。ただ、既に10カ月程度、工程に遅れが出ており、延期が濃厚となっている。
日本原燃は27日、六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場で、ガラス固化体(高レベル放射性廃棄物)の製造試験の再開が想定よりも数日ずれ込む見通しを明らかにした。試験再開前の作動確認で、固化体を製造する溶融炉からガラス溶液を抜き出す速度が遅かったのが原因で、原燃は改善のために炉内をかき混ぜ続けている。
原燃は3年ぶりの試験再開に向けて、今月10日に溶融炉の熱上げを開始。24日夜に十分な温度に達したため、25日から非放射性の「模擬廃液」を使って固化体を製造する作動確認に入っていた。
原燃によると、固化体1本分を炉底の注入口から抜き出したが、速度が想定よりも遅かった。遅いのは、炉底に金属がたまるなどの原因でガラス溶液を抜き出せなくなる兆候のため、原燃は26日夜から金属棒で炉内のかき混ぜを始めた。
速度が遅い原因は分かっていない。かき混ぜる作業に時間がかかるため、週末か週明け早々に見込まれていた試験再開は、ずれ込む可能性が高い。
原燃は2007年11月に工場完成に向けた最終段階となる試験を開始したが、炉の底に金属がたまる課題をクリアできずに、中断を繰り返してきた。
「対策は万全」とありながら、試験を再開しようとして、さっそくつまづいているようです。最初から海外の技術を採用していれば、こんなに苦労することなかったと思うものの、ガラス固化体は必要なことであり、いまさら一からやり直すことも難しそうだし、とっても厄介な問題だと思いました。
そして、再処理工場は核燃料を再利用するために再処理を行う予定なのですが、元旦の毎日新聞には、2004年の時点で再処理するよりも直接処分した方がコストが安いことがわかっていながら、官僚が隠蔽していた事実を暴露されました。
使用済み核燃料:直接処分コスト隠蔽 エネ庁課長04年指示 現経産審議官、再処理策を維持
経済産業省の安井正也官房審議官が経産省資源エネルギー庁の原子力政策課長を務めていた04年4月、使用済み核燃料を再処理せずそのまま捨てる「直接処分」のコスト試算の隠蔽(いんぺい)を部下に指示していたことが、関係者の証言やメモで分かった。全量再処理が国策だが、明らかになれば、直接処分が再処理より安価であることが判明し、政策変更を求める動きが加速したとみられる。
2カ月後、青森県六ケ所村の再処理工場稼働で生じる費用約19兆円を国民が負担する制度がとりまとめられており、データ隠しが重要な決定につながった疑いが浮上した。
再処理を巡っては02年以降、東京電力と経産省の首脳らが再処理事業からの撤退を模索していたことが判明している。安井氏は京大工学部原子核工学科卒の技官で長年原子力推進政策に関わってきた。いわゆる「原子力ムラ」が撤退への動きを封じた形だ。
試算は通産省(当時)の委託事業で、財団法人「原子力環境整備センター」(現原子力環境整備促進・資金管理センター)が98年、直接処分のコストを4兆2000億~6兆1000億円と算定した。直接処分なら再処理(約19兆円)の4分の1~3分の1以下ですむことを意味する。
毎日新聞が入手したメモは、経産省関係者が04年4月20日付で作成した。「部下(メモは実名)が昨日、安井課長に(試算の存在を)伝えたところ『世の中の目に触れさせないように』との厳命が下った」と記載されている。
部下は取材に対し、安井氏から「試算を見えないところに置いておいてくれ」と指示されたことを認め「目立たないよう他の資料も山積みにしていた、いすの後ろの床の上に置いた」と証言した。
経産相の諮問機関「総合資源エネルギー調査会・電気事業分科会」では同5月、複数の委員から直接処分のコスト計算を求める意見が出ていた。原子力政策課は分科会の担当課だったが委員らに試算の存在を伝えず、分科会は同6月、約19兆円を産業用、家庭用の電気料金に上乗せする新制度の導入案をまとめた。これが「国内全量再処理」を堅持する現行の原子力政策大綱につながっている。
安井氏は取材に対し「(部下が試算を持ってきたことは)あったかもしれないが(隠蔽指示は)記憶にない」と話した。【核燃サイクル取材班】
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■ことば
◇直接処分と再処理
原発で使った使用済み核燃料から再利用可能なウランやプルトニウムを取り出すのが再処理。直接処分は再処理せず地中に埋めるなどして処分する。エネルギーの安定供給などを名目に1960年代から再処理路線を推進してきたが、ウラン節約効果は1~2割にとどまりコストも高い。再処理して作った燃料(MOX燃料)を使うプルサーマルは計画の4分の1程度しか進んでおらず、青森県六ケ所村の再処理工場は着工後18年を経ても稼働していない。
2004年の時点で、核燃料サイクルの見直しを行なって、原発縮小する方向に舵を切っていれば、大事な日本の国土が放射能で汚染されることはなかったかもしれない、と思うととっても残念です。
以上、調べた内容を踏まえて、六ケ所村の再処理工場の概要を示した図に、自分なりに理解した問題点を記入した図を作ってみました。
クリックすると拡大するサイズでアップしました。こうして、色々調べると、原子力発電については、本当に、問題だらけだということがよくわかりました。
原発の代替エネルギーの本命はガスタービンコンバインドサイクル発電
「ダッ!ダッ!脱・原発の歌/制服向上委員会」(初披露時の映像)
※僕のブログでは、本来趣味の内容を取り上げることにしているのですが、福島第1原発事故についての政府やマスコミの対応があまりにひどいこと、また、自分があまりに原発の問題に無関心だったことを恥じているので、僕のブログでも、微力ながら、自分の知りえた情報を伝える記事をできるだけ書くようにすることにしました。原発関連の記事のみを見る場合は、右にある「カテゴリー」の「原発事故」をクリックすると、記事をまとめて見れるので便利だと思います。
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