読売のお約束社説
7月になり、夏本番になって、早速読売新聞がしょうもない社説を書いているので、晒してみます。節電の夏ということで、また、原発動かせと書いてるんだろうなあと思ったら、本当にその通りなので、笑ってしまいました。もはや読売新聞の社説は、お約束のギャグを載せるページとなっているようです。発行部数の多い大新聞がこんなことでいいのでしょうか?
節電スタート 省エネ頼みでは停電が心配だ(7月1日付・読売社説)
夏の節電期間がきょう1日、スタートした。
今夏は、停止している原子力発電所の再稼働が間に合わなかった。電力需給は綱渡りである。
企業も家庭も、無理のない節電に努め、夏を乗り切りたい。
夏は急な猛暑で冷房などの電力消費が跳ね上がり、突発的に大停電を起こすリスクが高い。ムダな電力消費を控え、一定の供給余力を確保することは大切だ。
昨夏は関西、九州など7電力で最大15%の節電を強いられた。今夏、目標設定を回避できたのは、電力各社が古い火力発電所も動員して供給力を増強したからだ。企業や家庭で、節電が定着した効果も加わった。
ただし、節電をすれば原発がなくても電気は足りる、などと考えるのは楽観的すぎる。
関西電力は供給力の予備率(余力)が、大飯原発3、4号機を含めても、不測の停電を防ぐ最低ラインとされる3%ギリギリだ。
大飯原発が止まると予備率は約1%しか確保できない。節電目標の設定などを迫られよう。
政府の原子力規制委員会は大飯原発2基について、定期検査に入る9月まで稼働を認める方針という。妥当な判断といえる。
関電以外も油断できない。酷使してきた火力発電所のトラブルが増えているためだ。
北海道電力では6月下旬、火力発電所の緊急停止が続発し、東北電力から電力の融通を受けた。電力需要の多い夏にトラブルが同時多発して大停電が起きないよう、十分な対策を取る必要がある。
原発停止による経済的な損失の甚大さも忘れてはならない。原発を補う火力発電所の追加燃料費は今年度、4兆円近くに達する。資源国に国富が流出し、巨額の貿易赤字が続いている。
電力各社が液化天然ガス(LNG)などの安価な調達に努めるのは当然だが、火力に頼らざるを得ない弱みを抱えているため、価格交渉で不利な立場にある。
このままでは電気料金が一段と上がり、家計も企業も負担が増えるだろう。産業空洞化が加速し、雇用や所得も減少しかねない。
負担増と収入減のダブルパンチを避けるには、安全を確認した原発を再稼働し、必要な電力を確保することが不可欠だ。電力不足の夏は今年限りとしたい。
原発の新規制基準が近く施行される。規制委は遅滞なく審査を進めるべきである。政府も原発立地自治体の理解を得るよう、説明に全力を尽くさねばならない。
しかし、よくもまあ、懲りずに同じ主張を繰り返せるなあと呆れます。
実は、最近掲載された、日経新聞の社説が、結構よいと思ったので、比較のため、掲載します。比較することによって、読売新聞の社説がいかに稚拙かということがよくわかると思います。
新基準を第一歩に原発の安全を競え(6月25日付・日経新聞社説)
原子力規制委員会が原子力発電所の新規制基準を決定した。7月8日に施行される。
東京電力福島第1原発の事故を受けて、核燃料が溶けるといった過酷な事故への対策などを電力会社に義務づけた。原発の寿命を原則40年と定めた。
新基準は原発の再稼働に道を開く。同時に基準適合が難しい原発をふるいにかける役割を担う。新基準を満たすための多額の安全投資が引き合わない原発は廃炉の判断を迫られることになるだろう。
この新基準を電力会社には安全確保への必要最低限の要求と心得てもらいたい。
日本原子力産業協会の服部拓也理事長はスロバキアの原発を訪れて驚いたという。過酷事故対策を完了、事故時に50人が5日間たてこもって対処する第2制御室も備えていた。日本ではこれからだ。
日本の原発の安全確保は世界水準から周回遅れだ。電力会社も規制当局も「安全神話」に慢心し必要な努力を怠った。加えて日本は地震など自然災害のリスクが欧米より大きい。電力各社には規制基準を満たしたうえで、さらに高い水準を目指し互いに安全を競い合う前向きな姿勢が求められる。
規制委は発足9カ月で4千ページに達する新基準をつくった。しかし完璧な基準というものはない。総合的な観点から不足は補い、不要な事項は省くなど、常に基準を見直し最善を心がける必要がある。
基準づくりの過程では、規制委と電力会社や立地自治体との間で十分な対話を欠いていた。よい基準をつくり、厳しい審査をすることだけが規制委の仕事ではない。原子力規制への信頼回復こそ最も大事な使命のはずだ。コミュニケーション不足ではその達成はおぼつかない。改めてもらいたい。
安全を守る最後の砦(とりで)は人間だ。東日本大震災の時、福島第2原発では増田尚宏所長(当時)が所員らに「帰宅しないでくれ」と呼びかけた。福島第1も第2も東電や協力企業の従業員の懸命の働きで、さらに深刻な事態に陥るのを回避した。自衛隊や消防、警察の支援も大きかった。
再び同様の事故に直面した際、社員や隊員を現場に飛び込ませることができるか。この備えと覚悟なくして世界最高水準の安全はありえないだろう。新基準の要求を超えることかもしれないが、電力会社や政府には真剣に対応を考えてもらいたい。
経済のためには、出来れば原発を動かしたいと思っている日経新聞でも、政府や電力会社が、新基準以上の安全を目指さなければ、原発再稼働出来ないだろうと考えているわけで、読売新聞よりも、ずっと現実が見えていると思います。読売新聞よりも日経新聞の方がよっぽど大人だということがよくわかります。
僕は、安全をないがしろにして、事故が起きると、ウソついたり、重要なことを隠したりする原発推進派の不誠実さに腹を立てているわけで、何がなんでも、原発を即時廃止しろとまでは考えていません。既存の原発は減価償却するまで慎重に使って、その間に次世代エネルギーへの転換を行なって、ゆるやかに原発を廃止しているのが望ましいと考えています。そのためには、電力会社が「経営が苦しいから原発を動かしたい」と言うんじゃなくて、「心を入れ替えて、これだけ安全に配慮するようにしたので、しばらく原発を動かさせてほしい」と皆が納得できるまで説明し、十分すぎるほどの安全対策を行うべきだと考えます。
原発の代替エネルギーの本命はガスタービンコンバインドサイクル発電
「ダッ!ダッ!脱・原発の歌/制服向上委員会」(初披露時の映像)
※僕のブログでは、本来趣味の内容を取り上げることにしているのですが、福島第1原発事故についての政府やマスコミの対応があまりにひどいこと、また、自分があまりに原発の問題に無関心だったことを恥じているので、僕のブログでも、微力ながら、自分の知りえた情報を伝える記事をできるだけ書くようにすることにしました。原発関連の記事のみを見る場合は、右にある「カテゴリー」の「原発事故」をクリックすると、記事をまとめて見れるので便利だと思います。
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