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2013年9月 6日 (金)

輸入メタルマザー検証 The Rolling Stones その4

輸入メタルマザーを使用したザ・ローリングストーンズの日本盤レコードについての記事の第4弾です。色々調べてみて、ザ・ローリングストーンズについては、ワーナーパイオニアより、リリースされた「イッツ・オンリー・ロックンロール」「メイド・イン・ザ・シェイド」「ブラック・アンド・ブルー」「ラブ・ユー・ライブ」が輸入メタルマザーを使用しており、さらに、東芝EMIよりリリースされた、「女たち」は輸入ラッカー盤を使用していることがわかりました。そして、これらのレコードは、当然ながら、日本でカッティングしたレコードよりは、はるかに高音質であることもわかりました。今回は、ワーナー・パイオニアからの発売としては、最後の作品となる「ラブ・ユー・ライブ」について紹介します。

今回のこのレコードは、最初、ワーナー・パイオニア盤を700円で購入して、その後「レコード100円市」で、帯なしの東芝EMI盤を購入し、そして、つい先日、ワーナーパイオニア盤の見本盤を5800円で購入しました。どの盤も、ほとんど、聞いてないんじゃないかと思われる、ものすごくよいコンディションでした。こんないい、コンディションの盤を安価に購入できたので、とても比較用にUS盤やUK盤を購入する気にはなれなかったので、今回は、輸入メタルマザーを使用したワーナーパイオニア盤と、東芝EMI盤で比較をしてみようと思います。

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今回もワーナー・パイオニア盤では、帯に「輸入メタルマザー使用」と大大的に記載されています。そして、マスタリングは、前作に引き続き、Lee Hulko氏が担当しています。この人は、ものすごくワイドレンジでクリアーなサウンド作りを得意としているのでしょうか?今作も、ものすごくクリアーな音で録音されています。

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こちらは、見本盤の白ラベルになります。

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ワーナーパイオニア盤の通常のラベルになります。

それでは、いつものように、マトリックス番号から、反時計まわりにランオフに記載された情報を見ていきます。

ワーナー盤
SIDE ONE
①ST-RS-773937-B
②P-6333S1
③7-Y
④STERLING
⑤(PR)X
⑥M-A2-3
⑦3

SIDE TWO
①ST-RS-773938-A
②P-6333SN1
③(PR)X
④M-B3-11
⑤3

SIDE THREE
①ST-RS-773939-A
②P-6334S1
③7-Y
④(PR)X
⑤STERLING
⑥M-D-9
⑦3

SIDE FOUR
①ST-RS-773940-A
②P-6334S2
③(PR)X
④STERLING
⑤M-A2-4
⑥3

ワーナー盤 見本盤
SIDE ONE
①ST-RS-773937-B
②P-6333S1
③STERLING
④(PR)X
⑤7-9
⑥M-B3-1
⑦3

SIDE TWO
①ST-RS-773938-A
②P-6333SN1
③(PR)X
④M-A2-3
⑤3

SIDE THREE
①ST-RS-773939-A
②P-6334S1
③7-9
④(PR)X
⑤STERLING
⑥M-A2-1
⑦3

SIDE FOUR
①ST-RS-773940-A
②P-6334S2
③(PR)X
④STERLING
⑤M-B-9
⑥3

東芝EMI盤
SIDE ONE
①ESS-50047-A 1S 9  
②JISマーク
③3-9

SIDE TWO
①ESS-50047-B 1S 11 
②JISマーク

SIDE THREE
①ESS-50048-C 1S2 10  
②JISマーク
③3-9

SIDE FOUR
①ESS-50047-D 1S 14 
②JISマーク

今回は、Lee Hulko氏を表す”LH"が記載されていないのですが、カッティングはSTERLING社の別の人がやったのでしょうか?それでも、今回はA面以外のマトリックスの枝番が”A”になっています。前作でストーンズのレコードのノウハウを掴んだので、早めにカッティングに成功したのかもしれません。こうした、確実に最初期の若い枝番のマトリックス番号のメタルマザーが、日本盤に使用されているという事実に喜びを隠せません。

で、実際に音を聞いてみても、ものすごく、クリアな音が楽しめます。そして、東芝EMI盤も独自カッティングながら、かなり鮮度の高いコピーマスターを入手できたのでしょうか、こちらもかなり、いい音で収録されています。

しかしながら、ワーナ盤と東芝盤の音の決定的な違いを発見してしまいました。2面の3曲目の「You Gotta Move」のロンウッドのギターなのですが、途中まで、控えめに弾いていたのが、曲の後半でギターソロを引き始めたところから、ワーナ盤では、ぐっと、ロンウッドのギターが前にせり出して、立体的な音場を感じさせてくれて、ゾクゾクします。しかし、この部分が東芝EMI盤だと、ロンウッドのギターが前にせり出してきません。さらに、ギターの音が、ちょっと潰れた感じになってしまっています。

ロンウッドのギタープレイはさほど、大したものではないものの、こうした、途中から前にせり出してくるような音の演出で、ゾクゾクするような快感を感じされてくれるわけで、さすが、世界のトップクラスのエンジニアのカッティングはすごいなあと思いました。この部分の発見により、全体的にも、なんだか東芝EMI盤の方のアラが目立つような気がしてしまいました。やはり、機材はよくても、エンジニアの感性がまだまだ日本は追いついていなかったんじゃないかと感じてしまいました。

Rolling Stones Live LA 1975 You Gotta Move

ということで、この「ラブ・ユー・ライブ」のワーナー盤は、世界の最高峰のエンジニアがカッティングした、高音質の内容を、手軽に低価格て、しかも、盤質のよい盤を見つけるのが、容易ということで、ストーンズファンならば、US盤やUK盤よりも、真っ先に購入すべき盤なのではないかと思います。盤質のよさを考えると、もしかしたら、世界最強盤なのではないかとすら思います。

以上、ワーナー・パイオニア盤の「イッツ・オンリー・ロックンロール」「メイド・イン・ザ・シェイド」「ブラック・アンド・ブルー」「ラブ・ユー・ライブ」を見てきましたが、どれも、質が高く、特に「イッツ・オンリー・ロックンロール」はUK盤を上回るレコードであることが確認できたので、「輸入メタルマザー」の使用は素晴らしい大英断だったと、思います。出来れば、当時の関係者さんに、輸入メタルマザーの使用の経緯を語ってほしいと思っています。「レコードコレクター誌」あたりで、ぜひとも特集をやってほしいです。

また、上記のレコードの、盤質のいい中古盤レコードが安価で入手できることも、素晴らしいと思います。特に、「イッツ・オンリー・ロックンロール」「メイド・イン・ザ・シェイド」は輸入メタルマザー使用を謳ってないので、レコード100円市でも見つけることができます。こうして考えると、やっぱり、この4枚のレコードは、ストーンズファンならば、絶対GETしておくべき盤だと思います。

Love You Live

A1  Intro: Excerpt From "Fanfare From The Common Man"  1:23   
A2  Honky Tonk Women  3:21   
A3  If You Can't Rock Me / Get Off Of My Cloud  5:00   
A4  Happy  2:54   
A5  Hot Stuff  4:33   
A6  Star Star  4:09   

B1  Tumbling Dice  3:58   
B2  Fingerprint File  5:20   
B3  You Gotta Move  4:15   
B4  You Can't Always Get What You Want  7:40   

C1  Mannish Boy  6:24   
C2  Crackin' Up  5:44   
C3  Little Red Rooster  4:33   
C4  Around And Around  3:52   

D1  It's Only Rock 'N Roll  4:29   
D2  Brown Sugar  3:28   
D3  Jumping Jack Flash  3:48   
D4  Sympathy For The Devil  7:47   

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