ジョンレノンの輸入メタルマザー使用盤
知っている人からしたら、「何をいまさら」な話なのかもしれませんが、ジョンレノンの名盤「ダブル・ファンタジー」の日本盤が輸入メタルマザーを使用した高音質盤であることを、僕は今まで知りませんでした。この事実にとても驚いているとともに、喜びを感じています。
先月もレコード100円市が9月20・21日に行われたのですが、僕は、日程を一週間間違えるという凡ミスをしてしまい、参加しそびれてしまいました。今月は今度の土日(11・12日)に開催されるので、次回は参加したいと考えています。
しかしながら、今まで何回もレコード100円市に参加して、沢山のレコードを買っているので、「後で聴こう」と思って聴いていないレコードもかなりあったりします。ジョン・レノンの「ダブル・ファンタジー」の日本盤もそんな中の1枚だったのですが、先日レコードの整理をしている際にふと盤面を見ていたら、送り溝にはっきりと輸入メタルマザー使用だとわかる刻印があって、驚いてしまいました。1980年前後のワーナー・パイオニアのレコードには、輸入メタルマザー使用盤がかなりあるので、さもありなん、といった感じです。が、なんで今まで気がつかなかったのだろうと、思ってしまいました。
当時を思い出すと、ジョン・レノンが復活するニュースが流れてから、アルバムリリースまであまり期間がなかったように思います。それから、日本盤の発売前に近所の輸入レコード屋に輸入盤が大量に平積みされていたことを覚えています。やはり、輸入盤対策として、レコードを早くリリースするには、日本でコピーマスターを取り寄せてカッティングする時間がなかったのではないかということが想像できます。
いつものように、送り溝に刻印されている情報を記載すると、
SIDE ONE
①GHS-1-2001-JPN-SET-2
②Z-0
※訂正:0-Zと読むのが正しく、1980年12月プレスの意味になります。
③2L-A-29
④3
⑤STERLING
⑥P-10948J1
⑦TO
SIDE TWO
①GHS-2-2001-JPN-SET-1
※訂正:正しくは、GHS-2-2001-RE1-JPN-SET-1でした。すみません。
②L-A-36
③3
④STERLING
⑤P-10948J2
⑥TO
①は手書き
1面の①⑤2面の①④が輸入メタルマザーに刻印されていたものと思われる
こんな感じで、ストーンズや、イーグルスの場合と同様、STERLING社で制作された盤のようです。また、手書きの刻印にJPNとか入っているので、これは、マザーを作ったときに、元からラッカー盤に刻まれていたものに書き加えたのか、それとも日本向けにラッカー盤から作ったのか、不明ですが、手書き文字なので、USオリジナル盤と見比べれば、同一のラッカー盤から作られたかどうかはわかるのではないかと思います。が、僕はまだUSオリジナル盤は未入手です。
で、肝心の音なのですが、とても迫力のある素晴らしい音だと思います。オリジナルのエンジニアがカッティングしたマスターを使って、日本の高品質な技術でプレスされた盤なのだから、絶対的に音がよくて当たり前だと思うのですがどうでしょうか。
僕はUS盤やUK盤を所有していないので、同じく、レコード100円市で買った、こちらのレコードと聴き比べてみました。
「ダブル・ファンタジー」から、ジョンの曲をまとめて聴くことができるありがたい盤なので、発売当時から、評判がよかったように記憶しています。
マトリックス情報は、
SIDE ONE
EMTV-37-A 1S 40 JISマーク Z3
SIDE TWO
EMTV-37-B 1S3 4 JISマーク
といった、シンプルなものでした。で、このレコードは曲を沢山収録するために、カッティングレベルがやや低く、音質的に不利なのは否めないかなと思いました。
しかしながら、元の録音がいいためか、これ単品で聴くと、「ダブル・ファンタジー」からの曲はかなりいい音に思えるものの、ワーナー・パイオニア盤と比べると、ジョンのボーカルがやや引っ込んでしまった印象で、スネヤやベース、女性コーラスなどの音が、変な目立ち方をしてしまって、全体のバランスがちょっと悪いようにも感じました。でも、このレコードを聞いてから、ワーナー・パイオニア盤を聴くと、あまりの音の良さに、とても幸せな気分を味わうことができます。
「ダブル・ファンタジー」は後から、高音質盤と謳った、レコードやCDが沢山出ているようですが、オリジナル日本盤レコードも負けてないのではないかと思います。100円レコードが高額な高音質盤と同等またはそれ以上かもと考えると、なんだか痛快です。
このように、「ダブル・ファンタジーの日本盤レコードは音がいい」というのは、とても重要な情報だと思うのですが、ネットを検索していたところ、日本語のサイトではそのような情報は発見できませんでした。また、僕の持っているジョンレノンのディスコグラフィ本からも、そのような情報は発見できませんでした。ヤフオクでみても、ダブル・ファンタジーの日本盤レコードは普通に安い値段しかついていないようです。なので、もしかしたら僕の判断が間違っているのかもと、一抹の不安を感じますが、それでも僕は自分の耳で聴いた印象を信じたいと思うし、輸入メタルマザーが使用されているという状況からも、音が良いのは、決定的であると確信しています。と、いうか、日本では、なぜ、輸入メタルマザーを使用した日本盤が注目されないのか、僕は不思議でなりません。まあ、注目されていないおかげで、高音質で、盤質のよいレコードが100円で買えたりするわけなので、今のうちに、高音質の日本盤を沢山発見したいと思っています。
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いつもためになる記事を掲載して頂き、有り難く存じます。
今回、自分の所有する「ダブル・ファンタジー」ワーナー国内再発盤(P-5909)のマトリックス情報を確認したところ、基本的には今回の記事にあった情報と同じでしたが、
SIDE ONE
②3-X
③2L-B-11
SIDE TWO
①GHS-2-2001-REI-SET-2
②2L-B-25
と、一部違いがありました。①の「REI」が気になるところです。
投稿: 野獣 | 2014年11月25日 (火) 09時15分
野獣さん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
マトリクス違いの情報ありがとうございます。LED ZEPPELINの「プレゼンス」の場合は、
かなり後期の盤でも、同一のメタルマザーを使用していることを確認していますが、
ジョンレノンの場合は、別のメタルマザーを取り寄せたのかもしれないですね。
それだけ沢山売れたということかもしれませんね。
貴重な情報ありがとうございました。
投稿: よたよた | 2014年11月26日 (水) 10時18分
「REI」は、「RE1」かもしれません。
参考までに
↓
http://www.discogs.com/John-Lennon-Yoko-Ono-Double-Fantasy/release/2930481
投稿: 野獣 | 2014年11月26日 (水) 11時36分