マドンナの輸入メタルマザー使用 日本盤
マドンナの日本盤レコードは、セカンド・アルバムの「ライク・ア・バージン」から、輸入メタルマザーが使用されるようになったようで、その次の「トゥルー・ブルー」も輸入メタルマザーが使用されていることまで、確認できています。こうなると、その次の、日本でのアナログ盤最終作の「ライク・ア・プレイヤー」も輸入メタルマザー使用盤である可能性が高いと思われるのですが、アナログ盤の生産枚数が少なくなってきた時期の作品であるだけに、まだ発見できていません。
今回は、「ライク・ア・バージン」と「トゥルー・ブルー」を紹介します。
「ライク・ア・バージン」は帯の上からシュリンクを被せた状態で発売されたようで、シュリンクをつけたままの状態の盤を購入することができました。
帯には、「USカッティング」であることが書かれていますが、これは、「USのオリジナルのエンジニアがカッティングした原盤を使用してプレスされたレコードである」という意味であることをどれだけ人が当時、理解できていたでしょうか。
いつものように、送り溝の情報を記載すると、
Side 1
①1-25157-REI-A-INTL-SET2
②MASTERDISK RL
③1
④SLM
⑤△7438
⑥1-1
⑦P-13033-1
⑧1M-A-11
⑨JAP
⑩4SY
Side 2
①1-25157-B-INTL SET3
②MASTERDISK RL
③SLM
④1
⑤△7438-X
⑥1-1
⑦P-13033-2
⑧1M-A-7
⑨JAP
となっていて、Side1の①②④⑤⑥⑨、Side2の①②③⑤⑥⑨が原盤に刻印されていた情報だと、思われます。②の「MASTERDISK RL」は、有名な、Bob Ludwigがカッティングしたことを示す、「RL刻印」ですね。Bob Ludwigらしい、迫力のサウンドが楽しめました。
Side1の⑩はたぶん、日本の生産工場を表していると思うのですが、今のところ、どこの工場を示しているのかはわかりません。
「トゥルー・ブルー」は、とっても美しいジャケットですが、ジャケットと一体化した帯のデザインもとてもいいと思います。僕は帯には、昔からあまり思い入れがないのですが、これならば、帯をずっとつけておこうと思いたくなるような、素晴らしい帯だと思います。
こちらも送り溝の情報を記載すると、
Side1
①1-25442-A-INTL-2-REI
②FUTURE DISC
③1
④○
⑤△13240
⑥1-3
⑦P-13310-1
⑧1M-A-2
⑨CS
⑩JAPAN
Side2
①1-25442-B-INTL-2-REI
②FUTURE DISC
③1
④△13240-X
⑤1-3
⑥P-13310-2
⑦1M-A-3
⑧JAPAN
となっていて、Side1の①②④⑤⑥⑩、Side2の①②④⑤⑧が原盤に刻印されていた情報だと、思われます。Side1の⑨より、この盤はCBSソニーの工場で生産されたことがわかります。また、Side1の⑧、Side2の⑦より、比較的初期のスタンパーより、プレスされたようです。こちらも、迫力のあるサウンドが楽しめました。
「ライク・ア・バージン」、「トゥルー・ブルー」ともに状態のよい盤を1000円弱で購入することが出来ましたが、マドンナのレコードは当時すごく売れたので、今後も、ものすごい低価格で、状態のよい盤に出会える機会も、大いにあるのではないかと思いますので、これらのマドンナのレコードはオススメです。こうした、当時のオリジナルのエンジニアがカッティングした原盤を日本の高品質な生産体制でプレスしたレコードが、多数残されているということは、とても幸せなことだと思います。
ところで、マドンナといえば、このCD BOXも超おススメ商品です。
なんと、デビュー作以降の11枚のCD(リマスター&ボーナストラック付き)がセットになって、3500円程度で買えるという、無茶苦茶コスト・パフォーマンスのよい、商品です。amazonのカスタマーレビューには、コスパのよさについて、大絶賛のレビューが並んでいます。これだけコスパのよい商品なので、特にマドンナが嫌いではない洋楽ファンだったら、買っておいて損のない商品だと思います。
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コメント
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よたよたさん、今年もよろしくお願いいたします!
ビリー・ジョエルのストレンジャーのマスターサウンド盤についてじっくり読ませていただきました。
私の盤には
A面 AL 34987 3BE STERLING
B面 BL 34987 4BL STERLING TJ
以上の刻印がありました。時々ヤフオクでUS通常盤が出品されてると落札しようか迷います(^^;
ボブ・ラドウィックはマドンナのレコードのカッティングもやってたんですね!初めて知りました。レコードの数だけ新しい発見がありますよね(^o^)
投稿: さる | 2017年1月12日 (木) 17時43分
さるさん、こんにちは。
こちらこそ、今年もよろしくお願いします。
マスターサウンド盤の情報ありがとうございます。やっぱり、両面が正しいハーフスピードカッティングの原盤を
使用した盤を見つけるのは難しそうですね。
「ストレンジャー」はたまに、US盤のCBSハーフスピード盤が安く中古レコード屋に出ているので、これを
狙うのがいいのかなと思っています。
投稿: よたよた | 2017年1月14日 (土) 10時19分
はじめまして。約25年の中断期間を経て最近病気が再発し、またレコード収集をはじめた者です。
若い頃はレコードというメディアしかありませんでしたが、ほとんどの場合、カセットテープに録音し、カセットデッキやウォークマンで聴いていましたし、CDが普及し出してからはレコードは単に収集するのみで音を真剣に聴いていませんでした。ジャケ違いという理由で購入したレコードなど全く針を落としていないアルバムも多数あります。
そんな中、ごく最近、納戸からSL1200mK3を引っ張り出してアナログレコードを聴いているうちに、同じアルバムでも、レコードの個体により音質が異なることに気付きました。
その後、レコードの音の違い、プレスやマトリクスの情報などに興味を持ち始め、ネットで検索を重ねるうちに本ブログを知るに至りました。
オリジナルプレスよりも音質が優れている日本盤の存在は私も確認しており、非常に共感している次第です。
現在の興味の対象は、80年代のリイシュー(リマスターではない)レコードです。以下、どういうことか説明します。
イギリスの某バンドの数枚のアルバムは、そこそこ売れた後、数年でレーベルの変更に伴いオリジナルが廃盤となり、リイシューが発売されました。
当然のことながら、オリジナルと違うカッティングエンジニアが新たにカッティングを担当し再製作されたものは、オリジナルとは全く別物であり、音質の違いを楽しむことが可能です。他方、マトリクスにオリジナルアルバムの記号が刻まれており、それを消して横に新しい記号が追加で刻まれているアルバムも存在します。ただしオリジナルのマトリクスにあったスタンパーコードはありません。これは、オリジナルのメタルマザーを流用し、かつ生産枚数が少ないためスタンパーも複数作成されなかったからであると思うのですがいかがでしょう。音質もオリジナルと同等で、材質のちがいに起因するノイズレベルが異なるのみです。
また、片面がオリジナルのメタルマザー使用、もう片面は新たに製作のマザーを使用していると思われるものもあります。
不思議なのは、オリジナルがマトA2/マトB2であったのに対し、マトA1/新レーベルマトというリイシューがあり、明らかにマトA1の音質がオリジナルよりいいというものが存在することです。これは何らかの理由でボツになったA1がリイシュー時に再利用されたということなのでしょうか。あるいは、A1/B1のオリジナルが少数存在することを意味するのでしょうか。もし後者であるとしれば、今から捜索のいばらの道を歩まねばなりません。本件につきご意見うかがいたく思います。
投稿: ZIZZY STARDUST | 2017年9月13日 (水) 21時27分
ZIZZY STARDUSTさん、はじめまして。
興味深いコメントありがとうございます。
僕が、アナログレコードを色々聴いていて、思うところは、作品毎に音の良い盤の事情は全く異なるということです。
オリジナルのカッティングが、明らかに失敗していると思うものも中にはありますし、
マトの枝番がコロコロ変わって、何がオリジナルなのかよくわからない盤もあります。
そして、世間一般の評価や、中古市場の価格も定まっていない盤がほとんどなので、
結局は、自分で聴いてみて判断するしかないのではないかと思っています。
なので、自身が入手した盤をじっくり聴いて、その音に満足できなければ、他の盤を探してみるというような
スタンスでいるのがよいのではないかと、最近は思っています。
また、ボツになった初回のラッカーまたは、メタルマスターがリイシュー時に使われるという話はたまに聴きますが、
ラッカーまたは、メタルマスターのような原盤を大切に長期間保管しているということは、あまり考えにくいと
思うのですが、中にはそうしたケースがあって、さらにその盤の音質がよいというケースもあるかもしれないですね。
そうした変わった生い立ちの作品があれば、ぜひ教えていただけると嬉しいです。
投稿: よたよた | 2017年9月14日 (木) 21時51分
コメントありがとうございます。
私なりに調査を行い、何らかの新たな知見が得られましたら報告します。
なお、まだブログの記事全てを読ませていただいていないので、もしかしたらすでに言及されているかもしれませんが、
市販のカセットもレコードに負けず劣らず音がよいことを知りました。
私の所有するデッキ再生した場合は、ほとんどのカセットがレッドゾーンオーバーのレベルで録音されていました。
30年前は新譜をカセットで買うということは考えもせず、でした・・・
では、失礼します。
投稿: ZIZZY STARDUST | 2017年9月15日 (金) 22時21分