« ターコイズステークス G3 2018 レース回顧 | トップページ | 阪神カップ G2 2018 レース回顧 »

2018年12月25日 (火)

有馬記念 G1 2018 レース回顧

今年の有馬記念は実力差のはっきり出る真っ向勝負となり、見応えのある好レースになった。レース結果をしっかり分析することで、各馬の特徴や弱点など色々きづきがあったので、しっかりと次に活かしていきたい。

1.レース結果の基礎データ

中山芝外2500mやや重

走破タイム:2:32.2 前4F-後4F:48.2-48.7 ミドルペース
ラップタイム:6.8 – 11.6 – 11.8 – 11.9 – 12.2 – 12.8 – 12.6 – 12.2 – 11.6 – 11.8 – 11.8 – 12.2 – 12.9
馬場差 -0.5 完全タイム差 +0.5
タイムランク D メンバーランク C

2.隊列分析

2018122501

やや速い流れになったため、昨年が直線入り口で大きく横に広がったのとくらべて、直線入り口でも縦に長い隊列となった。比較的能力差がはっきりしているメンバーであったため、直線でごちゃつくことなく、直線ではポジションによる有利不利はなかった。先行した2頭も決して弱い馬ではないので、これを外から差し切った上位3頭はかなり強いと思う。こうなると、内を距離ロスなく立ち回って実力より上位の着順を狙うのは難しく。直線入り口で後方に位置した馬では全く上位に来るチャンスはなかった。ただし、後述するが、前半においてはやはり7枠より外の枠には不利な状況があった。

3.各馬の分析

1着 8番 ブラストワンピース 池添 02:32.2

まずまずのスタートから早めに先団に取り付き、その後前から6番手の位置でじっくり追走し、残り600mの少し前からスパートして、そこからいい脚を長く使い残り100mで先頭にいたキセキを差し切り、後続の追撃を許さず完勝した。
4コーナーの加速性能は高く、それでいてゴールまでしっかり伸びる末脚の持続力はかなり高いと感じられる強い勝ち方だったが、まだ3歳でG1勝ちの実績がなく、走ったレースが少ないことから長くいい脚が使えることはわかっていても小回りコースはどうなのか?とか、速いペースの展開はどうなのか?などの疑問があったため、事前予想が難しい馬だった。こうした実績データの不足しているケースは、古馬の場合は来ないケースが多いのだが、3歳馬は来る場合と来ない場合が半々くらいなので予想するのが厄介だ。こうした馬を推奨するテレビや新聞に出ている予想家の推奨理由を見聞きしても、願望が強く納得性の低い内容になることが多い。そのため、こうした実績データのない馬の予想は昔から進歩していないように感じる。
ただ、改めて菊花賞のレースを見直してみると4角の反応が素早く、小回りコースのコーナーも問題なく加速できそうな片鱗は見せていたので、やはり過去のレースをじっくり見ればヒントは得られるという教訓を改めて得た。菊花賞の敗因は残り2ハロン目のラップが10.7になるような究極の瞬発力勝負に対応できなかったためであり、今後も4角から早めにスパートする競馬をすれば、好走し続ける可能性はかなり高いように思える。

2着 12番 レイデオロ ルメール 02:32.2

まずまずのスタートから、ブラストワンピースの少し後ろを追走するも、常に外のポジションでいたので、かなり距離ロスはあったように見えた。そして、ブラストワンピースと同様の地点からスパートするものの、なかなか加速できずルメール騎手がかなり押して、4角の終わりくらいで早くも鞭が入りようやく加速し、そこからいつもの長くいい脚でぐんぐん加速し追い上げるも、惜しくもブラストワンピースにはクビ差届かずの惜しい2着だった。
いつものような長い末脚を使いそれでいてゴール付近でトップスピードに乗せるパフォーマンスは圧巻であり、こうした走りが出来れば、今後生涯3着以内を外すことはないのではないかと思える走りだった。ただし、4コーナーでのもたつきがかなり気になったので、この馬の過去のレースを見直してみると、もう中山で5回も走っているのに1回も4コーナーで他馬を追い越すような加速が出来ていないことがわかる。東京コースの場合は、直線が長いため4角の加速能力があまり問われないとはいえ同様であり、もうこれだけの実績を見ると、「レイデオロには曲線での加速性能があまり高くない弱点がある。」と言い切っていいような気がする。ルメール騎手のレース後コメントを見ると、今回は馬場を理由にしていて、オールカマーの時は休み明けであったことを理由にして加速が遅れた言い訳をしていたが、こうしてムキになって言い訳しているのが却って怪しく、この馬の弱点を隠そうとする意図を感じてしまう。そう考えるとスローペースのダービーで向こう正面で先団まで上がっていったのも合点がいく。
なので、今後も中山や阪神内回りのレースに出走した場合には、2,3着に取りこぼす可能性が高いのではないかと思ったので、忘れないようにして次回の馬券検討に活かしたい。

3着 15番 シュヴァルグラン ボウマン 02:32.4

普通にスタートしたものの、すぐ横のキセキが出遅れてから交わしにきたので、そこでかかりそうになったので、一旦後ろに下げ、レイデオロのやや内のすぐ後ろで追走し、4角から長くいい脚を使って追い上げたが、レイデオロには及ばず、3着だった。
昨年の有馬記念で、4角の加速でスワーブリチャードに劣ってたものの長くいい末脚を使ってスワーブリチャードを差し返したので、こちらは有馬記念では4角の加速はいまひとつながら長い末脚の持続力があるタイプであることがわかっていた。ボウマン騎手のコメントによると、もう少し前に行くプランを考えていたようだ。もし、レイデオロより前でかつ馬場の内側のポジションが取れていればジャパンカップのときのようにレイデオロより先着することは可能だったかもしれない。なので、やはりこのレースは外枠は不利なのだと思う。秋初戦の京都大賞典ではふがいない走りで能力の衰えを疑ってしまうほど調子が悪かったが、JCではまずまずの走りだったし、今回はこうした不利な枠でも3着にこれたので、馬の調子は昨年並みに戻っていたと考えてよいと思う。

4着 11番 ミッキーロケット マーフィー 02:32.7

スタートから積極的に前を取りに行き内のオジュウチョウサンと2番手争いするような形で追走し、直線に入ってオジュウチョウサンをかわすも、上位3頭に伸び負けしたが、最後にキセキは交わして4着になった。
速いペースだった宝塚記念の勝馬なので、キセキが飛ばして速い流れになることがわかっていたこのレースではかなり有力な馬だと僕は思っていた。マーフィー騎手には先週のターコイズステークスのように2番手で先頭をつつくようなレースをすることを期待したが、それに近い騎乗をしてくれた。たださすがにキセキは速いのでつつく必要はなく、やや離れた2番手での競馬となった。もっと積極的にキセキに迫って追走した方がよかったのではとの意見もあるが、上位3頭との力量差ははっきりしているので、追走に脚を使いすぎていたら4着に粘ることも難しかったのでないかと僕は思っている。マーフィー騎手のコメントによると陣営からの指示はなく好きなように騎乗させてもらったとのことだが、馬の特性をしっかり把握してかつ、思い切りのよい騎乗をしてくれたと思う。今後も特に先行タイプの馬に騎乗したときには馬の能力をしっかり引き出してくれるという期待が持てそうな騎手だと思う。

5着 14番 キセキ 川田 02:32.8

やや出遅れてその後強引に先頭に立って、後続を少し離した逃げを打つも最後にはさすがに力尽きての5着だった。
巷で言われているように、秋に3戦も激走すると調子がよさそうに見えても目に見えない疲れが出たのは確実にあると思う。過去にそういうケースを何度も見てきたし、長年の常識を覆すのはかなり難しいことだと思う。また、外枠で出遅れて、先手をとるまでかなりの距離ロスと余計な加速をする羽目になったのもかなり不運だった。調子の維持とともに、運を持続することも難しいということなのかもしれない。
ただ、この秋にキセキが出走したレースは、キセキが速いペースを作ってくれたおかげですべて紛れのない真っ向勝負になり、見応えのあるレースになったので、この秋のキセキの功績はとても大きかったと思う。

6着 6番 サトノダイヤモンド アヴドゥラ 02:32.8

スタート後中段で比較的内側で距離ロスのない位置を追走し、直線も内から伸びたが、ジリジリとした伸びず6着に終わった。
最内の距離ロスのないコース取りが出来たので、上位勢のとの力の差ははっきりしたとした結果だと思う。騎手のコメントには「馬場が水分を含んでいて軟らかい状態で、推進力がその馬場に吸収されてしまう感じでした。」とあるが、馬場差は-0.5秒と若干悪化した程度だったので、馬場の巧拙が明暗を分けるほど悪化はしてない馬場状態だったと思う。引退レースだったが、現時点でのこの馬の能力は十分発揮できたレースだったと思う。

7着 16番 サクラアンプルール田辺 02:32.9

大外から好スタートを切るが、外側の距離ロスを嫌って一旦最後方付近まで下げる。直線では一瞬いい脚を使うも、上位勢には及ばずの7着だった。
スローペースでいい脚を使うイメージの馬だったので、直線で一瞬いい脚を使ったのが意外だったが、前半後方まで下げたので自身はスローペース相当の追走になったので、追い上げることができたのかもしれない。スタートがよいのと、脚が溜まれば一瞬の脚が使える能力は健在なので、G2、G3のレースではまだまだやれる可能性はあると思う。

8着 3番 モズカッチャン Mデムーロ 02:33.0

好スタートから内ぴったりの経済コースをやや前のポジションで追走するもの直線ではあまり伸びず、オジュウチョウサンを最後でやっと交わす程度の脚しか使えなく8着だった。
いつも、効率的なポジションを走る器用さのある馬で、そのため内枠だったことから人気になったが、牡馬混合のG1レースでは荷が重く力負けの結果は当然だと思う。デムーロ騎手のコメントだと「この馬には距離が長かったため最後止まった。」とあるが、距離が短くでもこのメンバーには勝てないと思うし、もうちょっと弱いメンバーであればこの距離でもやれると思う。

9着 1番 オジュウチョウサン 武豊 02:33.0

スタート後一瞬だけ先頭に立ちその後、2番手を追走し、のこり200mまで2番手付近を粘っていたが、さすがに最後は力負けしての9着だった。
さすがに1000万条件勝ちの後にいきなりこのメンバーに入っては苦しかったが、障害競走を連勝した底力は伊達ではなく、かなりの粘りを見せた大健闘だと思う。

10着 4番 マカヒキ 岩田 02:33.0

インの後方を距離ロスなく追走したものの、あまり伸びずの10着だった。

11着 10番 ミッキースワロー 横山典 02:33.1

ポツンと後方から追走し、最後はレイデオロと同じ最速の上がり3ハロンタイムの末脚を使ったが、あまりに後方の位置からだったので、勝負にならず11着に終わった。
G1レースの好走実績がないのに速い上がりが使える馬なので、なぜか穴人気していたが、実績どおりこのメンバーでは能力的に足りないことは陣営もわかっていたようで、ペースが乱れて前にいた馬がバテるケースを狙っての最後方作戦だったのではないかと思う。馬券を勝っていた人からすると、最後方ポツンは不満があったかもしれないが、こういう極端な作戦をとるしかないくらいそもそも上位馬とは能力差があったということだと思う。

12着 9番 リッジマン 蛯名 02:33.4

速いペースに全くついて行けなかった。

13着 13番 スマートレイアー 戸崎圭 02:33.5

後方から、直線では一瞬伸びかけたが、全く伸びず。

14着 5番 パフォーマプロミス Cデムーロ 02:33.7

前走G2のアルゼンチン共和国杯を勝っていたとはいえ、低レベルなメンバーのスローペース戦だったので、速いペースでメンバーの揃ったこのレースではまったくいいところがなかった。

15着 2番 クリンチャー 福永 02:33.8

全くいいところがなかったが、もうだめだと思った次走でいきなり好走することがあったりするつかみどころのない馬なので、まだどこかで好走する可能性はあるかもしれない。

16着 7番 サウンズオブアース 藤岡佑 02:34.5

このレースが引退レースとのこと。

« ターコイズステークス G3 2018 レース回顧 | トップページ | 阪神カップ G2 2018 レース回顧 »

競馬」カテゴリの記事

レース回顧」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 有馬記念 G1 2018 レース回顧:

« ターコイズステークス G3 2018 レース回顧 | トップページ | 阪神カップ G2 2018 レース回顧 »

2021年10月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

オススメ商品

無料ブログはココログ