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2019年2月26日 (火)

2019 中山記念 G2 レース回顧

僕は競馬の予想では格を最重視すべきだと考えているが、いつもそうとは限らないということを思い知らされたレースとなった。格で言えば、このレースはディアドラ、ステルヴィオ、スワーヴリチャードが実績で抜けており、過去の中山記念の傾向を見てもG1実績馬が強かったのであるが、近年、海外挑戦馬の叩きとしてこのレースが使われるようになってきていることから傾向が変わってきているようだ。海外挑戦前のこのレースで消耗してしまい疲れが取れない状態で海外に輸送するという状況は好ましくないと陣営は考えていると想定するのは自然な発想である。で、あればディアドラ、スワーヴリチャードは余力を残してこのレースを勝てるほど実力が抜けているかと考えてみると、そうではない。であれば、このレース、ディアドラは危険は1番人気だったと今さらながら納得してしまった。なので、今回の教訓は今後に向けて教訓としてしっかり覚えておきたいと思う。

1.レース結果の基礎データ

2019年 2月24日(日) 2回中山2日  天候: 晴   馬場状態: 良
11R  第93回中山記念
4歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定)  芝 1800m   11頭立

馬場差 -1.4 完全タイム差 +0.4
タイムランク D メンバーランク B

LAP :12.4-11.1-11.5-11.7-11.5-11.7-12.1-11.6-11.9
通過:35.0-46.7-58.2-69.9  上り:70.5-58.8-47.3-35.6  ミドルペース

ラップタイムからするとミドルペースに見えてしまうが、これは暴走気味に逃げたマルターズアポジーによるもので、3番手以降の位置取りからみるとややスローペースだったと見ることができる。馬場差は-1.4とこの時期にしてはかなり高速馬場になっていた。それでいて、メンバーランクBのメンバーが揃ったわりにはタイムランクDとやや凡戦になったのもG1馬の調子が今一つだったということを示していると思う。

2.隊列分析

201922501

直線入り口ではやや縦長ながら、ディアドラ以外の有力馬はしっかり前の位置まで押し上げてきていた。なお、6番トルークマクトは他馬が直線に突入した段階でもまだ4コーナーを走っていたため直線入り口の隊列図からは除外している。

3.完全タイム差検証

201922503

大凡の馬が一律完全タイム差を大幅アップさせているわけではないので、信ぴょう性のある完全タイム差だと考えられる。ラッキーライラック、マルターズアポジーが大幅アップしたのは前走凡走したためで、エポカドーロは前走超スローペースだったために大幅アップに見え、スワーブリチャードとハッピーグリーンが大幅ダウンしているのは前走のジャパンカップの完全タイム差が過大評価であったためと、大体説明がつく。

4.各馬の分析

1着   1番  ウインブライト      松岡正海    1.45.5 33.7

好スタートから、最内を走らず少し外に出してエポカドーロの真後ろの位置を追走する。
残り500mくらいから追い出しを開始して、じわじわと伸び続け1着となった。
中山金杯に出走した他馬の次走が軒並み自身の完全タイム差をダウンさせていることから、中山金杯の完全タイム差を割り引く必要があると考えてしまい、僕はこの馬の評価を下げてしまったが、この馬はさらにパフォーマンスをアップさせてきたということだと思う。前走僕はこの馬について、「この馬の上がり3ハロンタイムの戦績が示すように切れる末脚はないので、コーナーをスムーズに加速できる機動力が武器だと思う。直線でもじわじわと長く加速できて中山くらいの直線の長さが丁度トップスピードに加速しきれる距離ということなんだろうと思う。」と書いたが、今回もそんな印象の走りで、レース映像を何度見ても、この馬の末脚が切れるとは感じられず、ゴール直前でようやく差し切れたという印象の走りであった。まあ、残り500mで追い出してゴール直前まで伸び続けるのだから持続力はかなりのものだということではある。陣営はこの連勝から次はG1を目指すようだが、さすがに今回以上の成長は厳しいのではないかとは思うが、G1でも低レベルレースになることがあるので、相手次第ということになると思う。

2着   3番  ラッキーライラック  石橋脩      1.45.5 34.9 

マルターズアポジーの速い逃げを果敢に追いかけ直線でもなかなかバテずに2着に粘り切った。
前走の秋華賞での凡走から見事に立て直した。元々先行力となかなかバテない勝負根性があり、アーモンドアイがいなければ桜花賞を勝てていたと思えるほどの実力馬であり、自身の強みを活かした走りで堂々と古馬と戦えるレベルまで成長してきたことは喜ばしいことである。今後のこの馬の走りが楽しみになった。石橋騎手のコメントによると「前走の秋華賞は乗っていませんが、馬が走り切っておらず、嫌気を出している感じだったので、2戦続けてそうならないように気をつけました。道中は馬の気持ちを優先しつつも、コントロールは利いていましたね。今日は53キロでしたし、馬は上手に走っているのであまり身構え過ぎずに乗りました。あと少しのところを差されてしまいましたが、力のあるところを見せてくれましたし、これから先も楽しみです。」ということなので、前走は秋になって成長できなくて負けたのではなくスムーズに走れなかったから負けたということのようである。3歳馬が秋初戦で凡走しても次走好走するというパターンは結構あるので3歳春の実力馬が秋にしっかり成長したかどうかを見極めるには少なくとも2戦はよく見た方がよいということだと思う。秋に1戦凡走しただけで評価を決めつけてしまうべきではないということが今回の教訓である。

3着   7番  ステルヴィオ        丸山元気    1.45.5 33.5 

ウインブライトのすぐ後ろの位置を追走し、ウインブライトと同じような脚色で追い込んできたが、ウインブライトには及ばずラッキーライラックをギリギリ差せず3着となった。
昨年のマイルCS勝馬が昨年より馬体を成長させてきたという前評判から期待していたが、ウインブライトを差せなかったのでがっかりさせられた。ただ、4角からのトップスピード持続力はかなりのものであり、もう少し直線が長かったらウインブライトを差せたかもと思える走りではあった。ただ、切れ味で勝負するタイプではないので、堅実に追い込んでくるが2,3着が多くなりそうなタイプではあると思う。

4着  10番  スワーヴリチャード  M.デムーロ    1.45.7 33.8 

まずまずのスタートからステルヴィオの少し後ろの位置を追走する。向こう正面では他馬があまりインぴったりのポジションにこだわらない中、この馬はインぴったりを走り、直線でも最内から伸びて4着を確保した。
デムーロ騎手のコメントで「久々で体が増えていました。まだ太かったかもしれませんが、それでも頑張ってくれました。」ということで、明らかに次走の海外が目標であるため仕上げ切らなかったということなのだろう。戦績から中山は得意ではないと言われているが、この馬の持ち味は追い出した時の加速力がずば抜けてよいところなのに、今回はこうした優れた加速は見られなかったのでやはり調子が万全ではなかったということだと思う。あと、この馬は加速の速さを活かしてその間にセーフティリードとなるくらい他馬を引き離すことができるのが持ち味で、実はあまり持続力が続くタイプではない。さらに苦しくなると右にもたれる癖があり、それで有馬記念では他馬に迷惑をかけたりもした。こうしたこの馬の特徴をしっかり頭に入れて、かつ、どこを目標にしているかを考えながらこの馬の取捨を今後しっかりと見極めていきたい。

5着   9番  エポカドーロ        戸崎圭太    1.45.7 34.2 

ラッキーライラックより少し離れた3番手を追走し、最後の直線では上位4頭とは末脚が劣り5着だった。
皐月賞と同じような位置取りになりこの馬にとっては絶好の展開になった。他馬のペースにかかわらず、2,3番手でも自分のペースでしっかり折り合えるのがこの馬の強みではあるが、もう3歳秋から3戦続けてイマイチの走りしかできていないので、あまり成長していないと考えてもよいのではないかと思う。戸崎騎手のコメントでは「この馬にはもう少し時計がかかってくれた方がいいかもしれません。」とあるが馬場差-2.3で高速馬場だった日本ダービーで2着となっているので、その見解は間違っていると思う。ただ、今回完全タイム差+0.6で走れているので、低レベルレースの古馬重賞であれば十分戦える能力は示していた。

6着   5番  ディアドラ          ルメール    1.46.1 33.8 

後方から、直線に入ってもいつもの末脚の切れ味は見られず6着となった。
ルメール騎手のコメントでは「ルメール騎手 他の馬たちほど速いペースを維持できず、彼女の瞬発力を引き出すことができませんでした。今日は馬場が速かったです。ハービンジャー産駒なので、できればもう少し軟らかい馬場の方がいいように思います。休み明けの分もあったかもしれません。」とあるが、ディアドラは馬場差-1.5の東京コース、中山コースで末脚を発揮して勝っているので、やはり次走が目標であったために、今回は仕上げきらずに調子が今一つの状態であったと考えるのが自然だと思う。

7着   2番  マルターズアポジー  武士沢友    1.46.3 36.4 

前走、出遅れから意図的に二の足を使わなかったので、脚質転換を考えてるのかと思ってしまったが、元々連闘を予定していたようなので、先週の小倉大賞典では出遅れたら無理をしないと初めから決めていたということだったようだ。今回は速いペースで逃げれたがやはりもう他馬からはノーマークの存在になっていて、今回ペースを作ったのは2番手のラッキーライラックの方だった。やはりこの馬が3着以内に入るのは極めて厳しいと思う。

8着   8番  ハッピーグリン      ミナリク    1.46.4 33.9 

特に見所はなかった。

9着  11番  マイネルサージュ    津村明秀    1.46.4 33.5 

特に見所はなかった。が、一応直線では速い末脚を使えていた。

10着   4番  シベリアンスパーブ  田中勝春    1.48.5 36.3

特に見所はなかった。

11着   6番  トルークマクト      大野拓弥    1.49.8 35.9

他馬に全くついていけず。論外。

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