2019 目黒記念 G2 レース回顧
2500mレコードタイム樹立レースとなったが、ここに出走してきた馬のレベルは低く凡戦だった。今の東京競馬場の馬場が異常であり、競馬にとってレコードタイムは全く何の価値もないということを思い知らされるいい機会と思うが、このレースの出走馬は今後過剰評価される可能性があるのでしっかりレース回顧したい。
1.レース結果の基礎データ
2019年 5月26日(日) 2回東京12日 天候: 晴 馬場状態: 良
12R 第133回目黒記念
4歳以上・オープン・G2(ハンデ) (国際)[指定] 芝 2500m 13頭立
馬場差 -2.9 完全タイム差 +0.1
タイムランク C メンバーランク C
LAP : 7.4-11.0-11.0-12.2-12.0-11.7-11.8-12.0-11.6-11.7-12.0-12.0-11.8
通過:29.4-41.6-53.6-65.3 上り:71.1-59.1-47.5-35.8
この日は完全に前残りの馬場であり、このレースではもう騎手は前につけなければ勝負にならないことがわかっていて、ペースは速くなっていた。それでいて上がりのラップタイムが落ち続けるわけでもなく、最後の1Fで再び加速しているので、あまり消耗戦のスタミナ勝負にはなっていないことが伺える。
2.隊列分析
ダービーでは後方からの追い込みが決まりにくいレースになったが、このレースは後方の外から差してきた追い込み馬が上位に入った。このことからもダービよりレベルの低いレースだったことが伺える。このレースで先行した馬は、有利な状況であっても難があるということなのだと思う。
3.完全タイム差検証
ほとんどの馬が前走より大幅にパフォーマンスアップさせているので、この完全タイム差はおかしい。少なくとも1秒は割り引く必要がある。緩急がないため時計の出やすいペースだったということだと思う。
4.各馬の分析
1着 10番 ルックトゥワイス 牡 6 レーン 55 2.28.2 34.3
スタート速くなく後方から、直線は外から追い出すと、相変わらずズブかったが、じわじわと伸び続け1着となった。
とにかくズブいものの最後まで伸び続けるので、今回のように先行馬がダメダメだった場合には今後も好走の可能性はあると思う。
2着 5番 アイスバブル 牡 4 アヴドゥ 54 2.28.4 34.7
この馬もスタート速くなく後方から、意図的ではなく速いペースについて行けなかった印象。直線では外からじわじわ伸びたがルックトゥワイスには劣った。この馬1600万条件勝ちからの昇級馬だが、過去6戦で上がり3ハロンタイムが3番目以内と、堅実に末脚を使ってきていた。なので、このメンバーでは末脚の決め手が上位だったこと。逆に言えば末脚が大したことない馬の多い組み合わせだったということ。相手と展開に恵まれての2着。タイムから次走は過剰評価されそうなので注意が必要。
3着 3番 ソールインパクト 牡 7 福永祐一 54 2.28.6 35.3
まずまずのスタートから中段のインぴったりを追走して、直線の追い出しは速くは見えなかったが、じわじわと伸び続け3着に浮上した。
いつ好走のかよくわからない掴みどころのない馬であるが、戦績を見るとハンデの軽い時に好走する場合が多いようだ。そして、インを距離ロスなく回れたこと。末脚の鋭い馬が少なかったということで恵まれての3着だと思う。
4着 7番 ゴーフォザサミット 牡 4 石橋脩 57 2.28.7 35.6
好スタートから、4番手のインぴったりを追走して、直線では残り300Mで一旦先頭に立ったが、末脚が続かず4着となった。
速い流れを先行する力はあるが、末脚は大したことない馬。ただ、この馬はオープンでは重賞ばかり使っているのでオープン特別ではあっさり勝ち切る場面もありそう。
5着 4番 ムイトオブリガード 牡 5 武豊 56 2.28.8 35.0
スタート速くなく後方から、4角ではインぴったりをまわり、残り400m地点ではソールインパクトのすぐ横の位置まで押し上げたが、その後の末脚が続かなかった。
4角のコーナリングは騎手の腕であり、一瞬の速いスピードはあるが長くは続かない馬のようだ。後方待機に有利な展開でこの走りは全く評価できない。
6着 1番 ウインテンダネス 牡 6 内田博幸 56 2.28.9 35.4
速い流れについていけず後方からになる。最後はそれなりに伸びているが、大した末脚ではなかった。
一時期はよい末脚を発揮出来ていた馬ながら、昨年秋が全くダメな馬になってしまった。復調の兆しが見えるまでは消しでよさそう。
7着 8番 チェスナットコート 牡 5 坂井瑠星 56 2.28.9 35.4
直線入り口では、アイスバブルと競り合っていたが、残り300mで早くも脱落した。
8着 6番 ブラストワンピース 牡 4 池添謙一 59 2.29.1 35.8
中段のやや外を追走していたが、直線でも大して伸びなかった。
ハンデ59キロを背負っていたにしても、グランプリホースとしてはふがいない走りで、かなり調子を落としているようだ。しばらくは軽視した方がよさそう。このメンバーでこの程度の走りではどうしようもない。
9着 2番 アクションスター 牡 9 藤田菜七 50 2.29.5 35.2
前半は全くスピードについていけず最後方となり、直線の伸びも大したことなかった。
10着 12番 パリンジェネシス 牡 5 川田将雅 54 2.29.6 36.7
ハイペースを2番手で追走したが、直線は全く粘れなかった。
戦績からこの馬は緩いペースを先行する形でないとだめそう。1600万条件からの昇級馬だが、オープンでは苦戦しそう。
11着 13番 ケイティクレバー 牡 4 鮫島克駿 54 2.30.6 38.2
速いペースで逃げたが、直線は全く粘れなかった。
前有利の馬場を全く生かせなかったので、調子がよくないとも言えそう。
12着 11番 ポポカテペトル 牡 5 M.デムーロ 55 2.33.4 40.3
大敗なので、馬の能力が全く足りない。
競争中止 9 アドマイヤエイカン 牡 6 岩田康誠 55 ------ ----
好位集団の直後に取りつくが、向正面で馬体に故障を発症して3角手前で競走中止。
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