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2019年6月19日 (水)

2019年上期 補正済み完全タイム差(真完全タイム差)まとめ

これまでJRA重賞レース回顧の記事を書いて行く中でグリーンチャンネルの番組「先週の結果分析」で取り上げられている完全タイム差を、各馬の前走や次走の完全タイム差を比較することで、より信ぴょう性の高い数値を導き出すことができることがわかったことは、僕にとって大収穫だった。そこで、2019年上期の補正済完全タイム差(ここでは真完全タイム差と呼ぶことにする)を以下にまとめみた。

レース名 完全
タイム差
補正 真完全
タイム差
GⅢ中山金杯 +0.4 +0.4 +0.9
GⅢ京都金杯 +1.9 -1.5 +0.4
GⅢシンザン記念 +1.0 ±0 +1.0
GⅢフェアリーS +1.9 -0.7 +1.2
GⅡ日経新春杯 +0.5 ±0 +0.5
GⅢ京成杯 -0.1 +1.1 +1.0
GⅡアメリカJCC +1.4 -0.6 +0.8
GⅡ東海S -1.3 ±0 -1.3
GⅢ愛知杯 +1.6 -0.2 +1.4
GⅢ根岸S +0.2 -0.2 ±0
GⅢシルクロードS +0.2 ±0 +0.2
GⅢ東京新聞杯 -0.4 +0.8 +0.4
GⅢきさらぎ賞 +0.6 ±0 +0.6
GⅢ共同通信杯 -0.8 +0.6 -0.2
GⅡ京都記念 +1.3 -0.8 +0.5
GⅢクイーンC -0.4 +1.0 +0.6
GⅢダイヤモンドS +1.9 ±0 +1.9
GⅢ京都牝馬S +0.3 ±0 +0.3
GⅠフェブラリーS -0.6 ±0 -0.6
GⅢ小倉大賞典 +1.7 ±0 +1.7
GⅡ中山記念 +0.4 ±0 +0.4
GⅢ阪急杯 +0.5 ±0 +0.5
GⅢオーシャンS -0.2 +0.4 +0.2
GⅡチューリップ賞 +0.3 ±0 +0.3
GⅡ弥生賞 +0.5 ±0 +0.5
GⅢ中山牝馬S +1.5 -0.9 +0.6
GⅡフィリーズレビュー +0.5 ±0 +0.5
GⅡ金鯱賞 +0.5 ±0 +0.5
GⅢフラワーC -0.2 ±0 -0.2
GⅢファルコンS +0.2 ±0 +0.2
GⅡスプリングS +0.5 ±0 +0.5
GⅡ阪神大賞典 +0.7 ±0 +0.7
GⅡ日経賞 +0.9 ±0 +0.9
GⅢ毎日杯 +0.6 ±0 +0.6
GⅢマーチS +0.4 ±0 +0.4
GⅠ高松宮記念 +0.4 ±0 +0.4
GⅢダービー卿チャレンジT -0.7 +1.3 +0.6
GⅠ大阪杯 +2.6 -1.0 +1.6
GⅡニュージーランドT +0.1 +1.0 +1.1
GⅡ阪神牝馬S +0.8 ±0 +0.8
GⅠ桜花賞 -1.3 +1.0 -0.3
GⅢアーリントンC +0.4 +0.4 +0.8
GⅠ皐月賞 -1.9 +1.9 ±0
GⅢアンタレスS +0.6 ±0 +0.6
GⅢ福島牝馬S +2.0 -1.0 +1.0
GⅡフローラS +0.8 ±0 +0.8
GⅡマイラーズC +0.2 +0.6 +0.8
GⅡ青葉賞 +0.7 -0.4 +0.3
GⅠ天皇賞(春) +0.1 ±0 +0.1
GⅢ新潟大賞典 ±0 +1.0 +1.0
GⅡ京都新聞杯 +0.3 ±0 +0.3
GⅠNHKマイルC ±0 ±0 ±0
GⅡ京王杯スプリングC +0.2 ±0 +0.2
GⅠヴィクトリアマイル -0.5 +0.8 +0.3
GⅢ平安S +0.8 -0.6 +0.2
GⅠオークス -0.6 +0.5 -0.1
重賞葵S +0.4 +0.2 +0.6
GⅠ日本ダービー -0.4 ±0 -0.4
GⅡ目黒記念 -0.1 +1.2 +1.1
GⅢ鳴尾記念 +1.0 ±0 +1.0
GⅠ安田記念 -0.3 +0.4 +0.1
GⅢエプソムC +3.2 -1.7 +1.5
GⅢマーメイドS +1.7 ±0 +1.7
GⅢユニコーンS -0.1 ±0 -0.1
GⅢ函館スプリントS +0.7 ±0 +0.7

完全タイム差をどういうロジックで補正すべきか、まだ確立できてはいないのだが、それでもこうやってまとめてみると、「まあ、こんなレベルだったんだろうな」と納得できそうな数値を導きだせたと思う。数値が+に寄った場合は例年よりややレベルが劣るという意味になるのだが、振り返ってみれば、2019年上期はあまりレベルが高くないレースが多かったと、結論付けてもよいと思うくらい。我々をワクワクさせてくれるレースが少なかったと思う。

そんな中、上記の表では2019年上期で例年よりも大きくレベルが高かったレースは「東海ステークス」だけである。という結論になるのだが、このことは僕としてはとても納得感あるし、自信を持ってそのように語るだけのエビデンスがあると考えている。「東海ステークス」を圧勝したインティはその後もゴールドドリームと高いレベルでの争いを繰り広げるだけのダート界のトップスターとなり、今月行われる帝王賞でも最注目馬の一頭になっている。そして、2着のチュウワウイザードもその後2連勝して、帝王賞の注目馬に上り詰めている。そしてそして、このレースでインティから2秒近くも離されたコスモカナディアンやアングライフェンがオープン特別で好走を続けていることから、この東海ステークスがレベルの高いレースであったということには、反論の余地はないと思う。このレースのレース回顧では、多少興奮気味に新星インティの躍進を喜ぶ内容を書いたが、本来はこうした新星誕生のレースは春のクラッシックG1のトライアルレースや古馬春G1のトライアルレースで発生すべきなのだが、こうした新星誕生でワクワクさせてくれるレースが東海ステークス以降なかったのは、とても残念なことだと思う。

また、フェブラリーSでインティを推す競馬記者、TV予想家が少なかったことを意外に感じたことも記憶に新しいのだが、このことは、レースの価値を自身の見た目だけで定性評価していることが多く、定量的な指標を持ち合わせずに予想している人がいまだに多いことに気付かせてくれた。アンドリューベイヤーの著書「勝馬を探せ」をきっかけに日本にスピード指数計の理論が広まったものの、今では本屋でスピード指数系の本をまるで見かけなくなるくらい廃れてしまっているが、完全タイム差のような定量的な指標を参考にすれば、インティの実力を素直に信じることができたわけで、このことから、スピード指数系の定量的な指標を持つことは、競馬予想をするうえで強力な武器になるということをこの上半期で実感することができた。

ということで、重賞レースを予想するにあたって、過去のレースを真完全タイム差をベースにするような定量評価と、レース回顧記事のような定性評価の2面で考えれば、かなり正解に近づけるのではないかと思ったので、来週の宝塚記念を皮切りに予想記事にもチャレンジしてみようと思う。

 

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