2019 札幌記念 G2 予想
今週は札幌記念の予想にチャレンジする。
各馬の過去のレースにおける真完全タイム差(補正済完全タイム差)による定量評価と、レース回顧による定性評価により予想を組み立て、正解に近づけることを目指す。
1.予想馬券
(1)本線
⑨フィエールマンから、③ステイフーリッシュ⑥ランフォザローゼス⑩サングレーザー⑭クロコスミアへの3連複流し
(2)遊び
⑭クロコスミア1着固定で、2,3着が⑨フィエールマン固定で、相手が③ステイフーリッシュ⑥ランフォザローゼス⑩サングレーザーの3連単
2.1走前、2走前の真完全タイム差
馬番 | 馬名 | 1走前 | 2走前 |
---|---|---|---|
1 | ブラストワンピース | +2.0 | +1.7 |
2 | クルーガー | 海外 | 海外 |
3 | ステイフーリッシュ | +1.0 | +1.2 |
4 | ナイトオブナイツ | +1.9 | +1.1 |
5 | ロードヴァンドール | +3.3 | +1.0 |
6 | ランフォザローゼス | +1.0 | +1.6 |
7 | エイシンティンクル | +1.3 | +1.2 |
8 | ゴーフォザサミット | +1.6 | +1.6 |
9 | フィエールマン | ー0.1 | +0.8 |
10 | サングレーザー | +0.1 | +2.5 |
11 | ペルシアンナイト | +0.8 | +2.4 |
12 | ワグネリアン | +1.5 | +0.2 |
13 | サクラアンプルール | +0.9 | +1.3 |
14 | クロコスミア | +0.5 | +0.9 |
※完全タイム差を補正する(真完全タイム差)とともに、G1,オープン,3勝クラスの戦績については相応の補正をしている。
3.レース回顧の再掲
函館記念
3着 10番 ステイフーリッシュ 牡 4 中谷雄太 57.5 1.59.9 35.3
4番手追走から、勝負所でスパートし、脚は速くはないものの、最後まで脚色衰えることなく3着になった。
相変わらず、長く脚を使える持続力はあるものの、トップスピードは速くない。しかしながら毎度安定して自身の能力を発揮するので、2,3番手候補として常に警戒すべき馬である。
8着 14番 ナイトオブナイツ 牡 6 池添謙一 56 2.00.8 35.4
後方から、メートルダールのすぐ外の少し前を追走し、残り600mで外に出して進出し、メートルダールよりはコーナーでの反応はよかったが、他馬も同じように追い上げているので着順を上げることができなかった。
最近後方からの追い込みで末脚が安定的に発揮できるようになってきたものの、やはり重賞では能力は足りない。前走のオープン特別2着は展開に恵まれた要素が大きかったということである。
七夕賞
3着 9番 ロードヴァンドール 牡 6 横山典弘 55 2.00.2 37.8
好スタートから3番手につけるが、1,2角では内を回ったがそれ以外はやや外の馬場のいいところ選んで追走していた。直線ではミッキースワローにあっさり交わされるもしぶとく粘って3着になった。
先行した馬の中で最も好走したが、馬場のいいところを通ったことが大きそうだ。前走の天皇賞は惨敗だったが、先行馬の場合は惨敗後の好走はよくあるので、気にする必要はなく実績的に3着に好走しても不思議のない馬である。こうした人気薄の先行勢の前残りは競馬ではよくあることであり、他の先行馬のタニノフランケル、ブラックスピネル、カフェブリッツが能力今一つであることを踏まえるとこの馬を相手候補とすることは十分考えられることであり、この点では僕の予想は正しかったと考えている。
鳴尾記念
3着 6番 ステイフーリッシュ 牡 4 藤岡佑介 56 1.59.8 35.2
4番手追走で残り600mからスパートするも、直線でメールドグラースにはあっさり交わされ、ブラックスピネルを捕らえることもできなかった。
この馬の個性である、ロングスパートで長くいい脚を使うものの、トップスピードが劣るといった特徴がそのまま現れたレースとなった。鋭い末脚はないものの、最後まで脚は衰えないので、G2,G3戦であれば常に2,3着候補として検討すべき馬ではある。
安田記念
5着 4番 サングレーザー 牡 5 岩田康誠 58 1.31.1 32.9
インぴったりを通って、直線では伸びたが、最後は甘くなった。直線でかなり伸びて善戦したかのように見えたが、昨年秋に比べると物足りない末脚だった。少し衰えがあるのかもしれない。
10着 13番 ペルシアンナイト 牡 5 M.デム 58 1.31.8 32.7
大きな不利を受けて最後方になったが、最後はかなりいい末脚を見せていたのでデキはかなりよかったようだ。この馬は高速馬場が合っているが、L2Fの末脚は速かったが、L1Fの脚は大したことなかったので、いい脚は長く続かないのような。そのため東京コースは合ってなく、狙いどころの幅が狭く、今後好走する機会は少なそうだ。
11着 3番 サクラアンプルール 牡 8 横山典弘 58 1.31.9 33.3
インの後方の位置にいて、直線あまり伸びず見所はなかった。この馬には全く合わない距離、コースだったということ。
ヴィクトリアマイル
3着 3番 クロコスミア 戸崎圭太 1.30.6 33.5
好スタートだったが、他馬が速いので一旦前から4番手の位置まで下げる。直線ではラッキーライラックと合わせ馬のような形となり、一旦後方に下がりそうになったものの、最後はラッキーライラックを差し返して3着となった。
ラッキーライラックを差し返したのには驚いたが、2年連続牝馬G1のエリザべス女王杯を2年連続で2着した実績は相当なものだったということだったと思う。この馬相当に接戦に強いようだ。直線に入ってすぐ差された馬をゴール直前で差し返すなど、なかなか出来る芸当ではない。
目黒記念
4着 7番 ゴーフォザサミット 牡 4 石橋脩 57 2.28.7 35.6
好スタートから、4番手のインぴったりを追走して、直線では残り300Mで一旦先頭に立ったが、末脚が続かず4着となった。
速い流れを先行する力はあるが、末脚は大したことない馬。ただ、この馬はオープンでは重賞ばかり使っているのでオープン特別ではあっさり勝ち切る場面もありそう。
8着 6番 ブラストワンピース 牡 4 池添謙一 59 2.29.1 35.8
中段のやや外を追走していたが、直線でも大して伸びなかった。
ハンデ59キロを背負っていたにしても、グランプリホースとしてはふがいない走りで、かなり調子を落としているようだ。しばらくは軽視した方がよさそう。このメンバーでこの程度の走りではどうしようもない。
クイーンC
5着 11番 エイシンティンクル 牝 6 武豊 55 1.47.3 33.9
スタートはよくなく後方からになる。ウラヌスチャームの少し前を追走していたが、最後はウラヌスチャームと併せ馬のような形になり競り負けた。
先行してたまに好走する馬ではあるが、ゲートに難がある馬のようなので、アテにできないタイプのようだ。先行馬が多く揃ったレースでは基本消しでよいのではないだろうか。
日本ダービー
7着 14番 ランフォザローゼス 福永祐一 57 2.23.2 34.4
中段追走から、直線ではクラージュゲリエの内から同じように伸びるも最後は脱落した。
G2,G3で2着してきたように、善戦はするが決め手に欠ける。
青葉賞
2着 3番 ランフォザローゼス ルメール 2.25.0 35.8
4番手を先行し、最後はひと脚使って2着に浮上した。速い流れを先行して最後まで脚を使えるのは京成杯も同じだったので、やはり堅実な馬ということだと思う。
天皇賞
1着 10番 フィエールマン ルメール 58 3.15.0 34.5
序盤は後方からで、1周目の直線あたりでペースが緩んだところで徐々に前に進出し、2コーナーから向こう上面でさらに前に出て、先頭から5馬身くらいの位置でレースを進め4角の勝負所では少しづつスパートし、直線でグローリーヴェイズに並びかけられたところから鞭を入れてスパートして激しい叩き合いの末グローリーヴェイズを退けて1着となった。
グローリーヴェイズとの差は上手いポジショニングで4角の勝負所を余力を持って回れた差だと見る。このレースの3着以下と大きく実力差はあるのは明らかだが、自身の走りとしてスローペースのバランスで走れていて、トップスピードをグローリーヴェイズほど長くは持続させていないので、そんなに無茶苦茶強い勝ち方ではない。なので、まだ中距離で流れるレースになったり、直線坂のあるコースでは、前走のAJCCのときのようにいい脚が意外に長く続かないように見えるケースは起こり得ると思う。しかしながら、絶妙なポジションで走れる操縦性の高さと瞬発力はかなり高いレベルにあることは今回レースでも示したので、今後もむやみに馬券対象から外すべきではない馬ということは確かである。
12着 13番 ロードヴァンドール 横山典弘 58 3.20.7 39.9
前半で先行した馬に厳しい展開になったことに尽きる。
大阪杯
3着 2番 ワグネリアン 福永祐一 2.01.1 35.1
最内の中段の位置を確保し、4角では距離得を活かしてアルアインのすぐ後ろにつけて直線で追い出し、直線入ってすぐのところでは、アルアインからちょと離されるも、その後加速し一旦キセキを抜くも最後はキセキにギリギリ差し返されて3着となった。
ダービー馬とはいえ、古馬との対戦成績がなく、前走の神戸新聞杯もスローペース戦とはいえさほど高いレベルのものでなく、それでいて今回休み明けなので、今回はさすがに苦しいだと考え僕はこの馬を馬券の対象から外してしまったのだが、その考えが間違っていた。
また、最近の福永騎手はインを距離ロスなく走るレースが多くなっているように思う。福永騎手が有力馬に乗って内枠に入ったら、あまり軽視しない方がよいかもしれない。
ただ、今回低レベルレースであったこと、この馬は加速が速くなく、それでいていい脚が長く使えないように今回は見えたので、今回の3着は恵まれた3着と考えてよいと思う。また、休み明けの弥生賞、神戸新聞杯で好走していることから、休み明けでも走る馬と考えてよいと思うので、使っても上積みはあまりないのではないかとも思う。次走人気になったら疑って見た方がよいかもしれない。
6着 7番 ブラストワンピース 池添謙一 2.01.3 35.3
ダッシュつかず後方からになり、4角では素早く加速するも大きく外を回る形になり、最後はしっかり追い込んでくるも4角でも距離損のため、届かず6着となる。
正面からのパトロール映像を見るとよくわかるが、4角で大外を回ったことが、このレースでは致命的なロスだったことがわかる。
有馬記念のレース回顧では僕は「4コーナーの加速性能は高く、それでいてゴールまでしっかり伸びる末脚の持続力はかなり高いと感じられる強い勝ち方だった」と書いたが、今回も4角でしっかり加速し最後まで伸び続ける末脚は見せていた。そのため、この馬の特徴として、前半の位置取りによっては、この馬の良さを活かせないレースになってしまうリスクがあるということが今回改めてわかった。思えばダービーのときも、ワグネリアンに蓋をされて追い出しが遅れたりしていたので、そうした何らかのロスが生じる可能性を考慮する必要があるということである。なので、この馬を軸にして馬券を組み立てるのはリスクが大きいのかもしれないということを今回改めて感じた。特に今回のように1番人気になるレースの場合は、軸馬にはしない方がいいのではないかと思う。
11着 11番 ペルシアンナイト M.デムーロ 2.02.0 36.1
4角ではブラストワンピースから1頭分内ではあるが、かなり距離損のある外をまわってきて、デムーロ騎手らしからぬコース取りだった。直線ではブラストワンピースと併せ馬になったがブラストワンピースには歯が立たず、デムーロ騎手は途中で諦めたように見えた。デムーロ騎手のコメントでは「今日のような緩い馬場は合わない」とのことだが、緩い馬場でも好走した実績があるので、それはあまりはてはまらないように思う。休み明け2戦目で好走することが多い馬なのだが、今期はあまり調子がよくないと見た方がよいかもしれない。
12着 8番 サングレーザー ミナリク 2.02.1 35.8
4角で躓いたのが響いたということもあるようだが、走らなさすぎでがっかり。休み明けが走らないタイプでもないので、今回の凡走により今後の扱いが難しくなった。
13着 10番 ステイフーリッシュ 藤岡康太 2.02.4 36.1
長くいい脚は使うがスピードに欠ける馬なので、このメンバーではスピード能力が劣ったとの評価でいいと思う。
阪神牝馬S
5着 5番 クロコスミア 岩田康誠 54 1.33.7 33.4
最内で前から3番手を追走していたが、直線で伸びず5着。
直線で前が詰まったが、詰まってなくても抜け出せていたとは思えない走りだった。この馬がオープン戦で好走したのは、スローペースで1,2番手を取れてマイペースで走れたときに限られる。好走できる条件は狭い。
日経賞
3着 4番 サクラアンプルール 横山典弘 2.34.6 35.2
スローペースになれば、最後は一脚使ってくる末脚は8歳になっても健在のようだ。さらに今回は最内をうまく立ち回って追走に脚を使いすぎることなく4角を回って直線入り口で楽に先団に取り付けたのがよかった。
5着 2番 ゴーフォザサミット 石橋脩 2.34.9 35.9
3番手追走から、ロングスパート戦でも直線入り口ではよく喰らいついていたものの、その後伸びず5着になる。
直線では伸びなかったものの、大きくバテてはいなかったので、さらにメンバーが弱くなるオープン特別がやG3戦では善戦することはできるかもしれない。
AJCC
2着 4番 フィエールマン ルメール 02:13.7
ゆったとしたスタートから行く気はないものの、しっかりと中段の位置を確保、勝負所からゆったりとスパートを開始し、直線ではシャケトラのすぐ後ろに位置するも外からメートルダールに蓋をされそうになるも、一瞬の加速の速さで抜け出しシャケトラにグングン迫るもわずかに届かず2着となった。
同じ菊花賞で好走したブラストワンピースやグローリーヴェイズが古馬に勝っていることから、この馬がここでもいい勝負をするだろうということは容易に想像がついたわけだが、この馬は戦績が少なすぎて、菊花賞も菊花賞らしからぬ実質2ハロンの瞬発力勝負と特殊なレースであったとこから、この馬の実力を推し量るのは難しかった。結局、このレースは菊花賞と同様に瞬発力勝負になったので、直線に入ってからの一瞬の加速の速さはさすがと思わせるものがあったが、そこからさらにトップスピードを上げるかと思ったものの、結局シャケトラを差し切るまでには至れなかったのは今後に不安を残したと思う。ゴール前の場面を何度も見てみると、実は坂が堪えているじゃないかとか、東京のような長い直線ではトップスピードが持続しないのではないかといった不安を感じる。また、レースが流れたときはどうなるかというのも未知数なので、まだまだこの馬の真の実力を計るにはあと数レース見る必要があると思う。
5着 11番 サクラアンプルール 蛯名 02:14.3
中段から、すぐ内にメートルダールがいたことから、終始やや外を回る形になる。4角では他馬と比べて若干仕掛けを遅らせ直線に入って末脚を爆発させようとするも、ジワジワとしか伸びず5着となった。
スローペースでいい末脚を発揮した実績があることから、直線で伸びてくるかと思ったものの、10.9-11.9のペースでは差し切るのは難しかったようだ。そんなに瞬発力に秀でているわけではないので、3着以内になるには、内を距離ロスなく立ち回るなど、恵まれた条件がないと難しいのかもしれない。G2レベルにはちょっと足りない馬ということなのかもしれない。
京成杯
2着 5番 ランフォザローゼス マーフィー 02:01.4
好スタートから序盤の先行争いに加わるも前2頭とは先行力が少し劣って3番手となる。3番手でも内で我慢することなく外から前2頭に迫って行こうとする姿勢を見せて4角でラストドラフトのペースアップに外からしっかりついていったが、最後までラストドラフトを上回ることができずの2着だった。
ラストドラフトとの差は外を回った分にも見えるが、最後は1馬身ちょっと離されたので現時点ではちょっとだけ力差があるように見えた。ただこの馬、前走と今回で少し道中のペースの違いがあったにもかかわらずしっかりと先行し、上位に入れる堅実さがあると思う。今後も最後はちょっと足りずに2着になることは多くなりそうな気がするが、3連複の軸馬として期待に応えてくれる馬になりそうな気がする。
4.結論
真完全タイム差、レース回顧記事よりフィエールマンが3着以内を外すとは考えにくいので、1番人気でも軸にする。エタリオウは低レベルの大阪杯で恵まれての3着しか古馬との対決経験がないことから、疑って、ブラストワンピースは先日書いたように有馬記念のパフォーマンスは55キロだったから出来たと考え、今回は外してみた。1番人気からの馬券でも2,3番人気がこなければソコソコの配当になるので期待したい。
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