2021 新潟記念 G3 レース回顧
マイネルファンロンの好走を予想するのが難しいレースだったのだが、今回騎手が大幅強化されたということで予想のヒントはあった。こうしたことを予想の検討時にしっかり考慮すべきということが今回の大きな教訓となった。
1.レース結果の基礎データ
2021年 9月 5日(日) 4回新潟8日 天候: 晴 馬場状態: 良
11R 第57回農林水産省賞典新潟記念
3歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指) 芝 2000m・外 17頭立
馬場差 +0.4 完全タイム差 -0.3
タイムランク C メンバーランク D
LAP :12.9-10.9-11.5-12.2-12.5-12.2-11.8-11.3-11.0-12.1
通過:35.3-47.5-60.0-72.2 上り:70.9-58.4-46.2-34.4 平均:1F:11.84 / 3F:35.52
ややスローで直線入口では横一線のレースとなった。その割には瞬発力ある馬が少なかった印象だった。
2.完全タイム差検証
明らかに過剰評価であり、1.4秒ほど低く見た方がよさそう。
3.各馬の分析
1着 16番 マイネルファンロン 牡 6 M.デム 55 1.58.4 33.4
躓いて後方を追走。4角から直線入口で大外に出し、外ラチ沿いをグングン伸びてきて1着になった。
元々は先行して好走する馬だったので、長い直線の勝負で33.4秒の末脚が繰り出せることを予想するのは難しかった。と思ったが、戦績を振り返ると2018年に東京コースで33.1秒で3番目に速い上がり3ハロンタイムを発揮していたことがあった。さらに今回は騎手が大幅強化されていたことが予想する上でのヒントにもなっていた。こうした、かなり過去の実績と、騎手強化といったことを予想の際に考慮することを忘れないようにするというのが教訓となった。
2着 17番 トーセンスーリヤ 牡 6 横山和生 57.5 1.58.5 33.9
好スタートだったが、中団の外を追走。
4角から直線入口で大外に出し、早めに進出し先頭に立つが最後は大外のマイネルファンロンに差されてしまった。
道中から外を回っていて、最後の直線で大外を狙っていたようだ。直線入口では大外でもかなり前のポジションだったので、実質先行力を活かしたような競馬になった。このコースでトップハンデでも最後2着に粘れたと乃は、瞬発力に秀でた馬があまりいなかったことに恵まれた部分が大きそう。
3着 13番 クラヴェル 牝 4 横山典弘 52 1.58.5 33.7
後方追走。4角から直線入口で大外に出したかったようだが、マイネルファンロンがすぐ外にいたため大外には出せず、前にはトーセンスーリヤがいたので、、少し内に進路を切り替えてそこからグングン伸びて3着。
末脚をしっかり活かせるこの馬向きの展開になったのだが、マイネルファンロンほどの瞬発力は出せず、トーセンスーリヤも交わせないのだから瞬発力勝負ではこのあたりが限界ということのようだ。
4着 12番 ヤシャマル 牡 4 菅原明良 54 1.58.5 33.9
中団追走。直線に入ってすぐはあまり勢いを感じられなかったが残り200mを過ぎると少しづつ外に出しながら勢いがついて伸びてきていた。
条件戦でまずまずの瞬発力を発揮していて、前走のオープン初戦は平均ペースで瞬発力が繰り出せなかったが、今回くらいのペースであればそこそこの瞬発力が繰り出せることを示したのだが、重賞ではややスケール不足の瞬発力のようだ。
5着 11番 ラインベック 牡 4 津村明秀 54 1.58.7 34.6
2番手を追走し、最後までよく粘っているのだが、瞬発力に秀でた馬がいないことに恵まれた5着のように思える。
6着 15番 プレシャスブルー 牡 7 柴田善臣 54 1.58.8 33.6
後方追走から大外に出し、最後は伸びては来ているものの、上位に食い込めるような位置ではなかった。
末脚はそこそこあるものの、かなり展開に恵まれないと上位進出は難しそう。
7着 1番 サトノアーサー 牡 7 石川裕紀 57 1.58.9 34.3
中団追走から最後はさほど伸びず。
最後の直線ではやや馬場の内に近いところを走っていたので、外を走った馬とは馬場の違いがあったとも考えられるが、それでもいい時のこの馬であればもう少し瞬発力が出せたはずなので、やはり今季は調子が悪いと見た方がよさそう。
8着 14番 エフェクトオン 牡 5 木幡巧也 53 1.58.9 34.0
後方追走から最後の直線では馬場の真ん中あたりを通り、馬場の真ん中あたりで競り合っていた馬の中ではそこそこ末脚を繰り出せているように見えた。今回がオープン初戦で、競り合いになればそこそこやれそうな雰囲気があったので、今回とは違ったコースのオープン戦ではそこそこやれる可能性はありそう。
9着 5番 リアアメリア 牝 4 川田将雅 55 1.59.0 34.8
3番手を追走し、直線では外に出すが瞬発力は繰り出せなかった。
古馬重賞では実力不足であることは明らか。
10着 4番 レッドサイオン セ 5 杉原誠人 53 1.59.0 34.5
中団追走から、最後はインを走りそこそこ粘っているように見えた。10着でも着差は0.6秒差なのでさほど負けておらず、オープン特別で張ればどこかでチャンスはあるかもしれない。
11着 6番 パルティアーモ 牝 5 横山武史 52 1.59.2 34.7
中団追走から最後は伸びを欠く。
下級クラスでそこそこ瞬発力を繰り出せていた馬なのだが、かなりスローにならないと瞬発力は出せなさそうだ。
12着 10番 ラーゴム 牡 3 池添謙一 53 1.59.3 33.9
後方追走から見どころなく終わる。古馬重賞では実力不足なのは明らか。
13着 2番 ザダル 牡 5 石橋脩 57.5 1.59.4 35.1
中団追走から最後は伸びず。戦績からするともう少し厳しいペースの方が向いているのかもしれない。ただ、そもそも能力は高くなく、かなり弱いメンバーにならないとダメというのはある。
14着 3番 ショウナンバルディ 牡 5 戸崎圭太 55 1.59.4 35.4
逃げたが、最後は伸びず。新潟の長い直線勝負では仕方のないところ。
15着 9番 アドマイヤポラリス 牡 5 三浦皇成 55 1.59.4 35.0
中団追走から最後はさほど伸びず。オープン入りして2戦続けて凡走したので、少なくとも重賞では能力不足と考えてよさそうだ。
16着 7番 マイネルサーパス 牡 5 柴田大知 56 2.00.0 35.8
3番手追走するも最後は伸びず。末脚はまるでダメな馬なので、当然の結果。
17着 8番 ギベオン 牡 6 岩田望来 57.5 2.01.2 36.9
4,5番手追走するが最後は伸びず。先行力と立ち回りのよさでたまに好走する馬なので、このコースでは最初から出番はなかった。
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