2021 菊花賞 G1 レース回顧
2勝クラス勝ち直後の馬が多く出走するなど、先週の秋華賞に比べてメンバーレベルが低いのは明らかな1戦となった。クラシック3冠の最終レースとはいえ現在では特殊な距離のレースなので、こうしたレベルのレースになることが今後多くなるのかもしれない。そんな中、今回は立ち回りの上手さが勝利に直結する形になったが、こうした傾向も今後多くなるのかもしれない。
1.レース結果の基礎データ
2021年10月24日(日) 4回阪神6日 天候: 曇 馬場状態: 良
11R 第82回菊花賞
3歳・オープン・G1(馬齢) (牡・牝)(国際)(指定) 芝 3000m・内 18頭立
馬場差 -1.7 完全タイム差 -0.3
タイムランク C メンバーランク B
LAP :12.5-11.1-11.5-12.1-12.8-12.6-12.8-14.3-13.1-12.6-12.4-11.7-11.5-11.4-12.2
通過:35.1-47.2-60.0-72.6 上り:71.8-59.2-46.8-35.1 平均:1F:12.31 / 3F:36.92
序盤がやや速いが、中盤でかなり極端にペースが緩む。そしてペースアップが早めに始まっているので、後続はなし崩しに脚をつかわされる形になった。
2.完全タイム差検証
ほぼ妥当な完全タイム差に思える。
3.各馬の分析
1着 3番 タイトルホルダー 牡 3 横山武史 57 3.04.6 35.1
好スタートから先頭を奪う。他に前につけた3頭が最初は競りかけそうな雰囲気があったものの、速いと見たのか競りかけてこずに落ち着いた隊列になる。その後スローに落とすと向こう正面で他馬との距離が縮まり、2番手の馬は1馬身差まで迫ってきたが、それ以上差を詰めさせず、最後の直線では後続を突き放し1着となった。中盤でうまくペースを落とせたことが勝利につながった。元々先行力はあったが、ペースをコントロールできる操縦性のよさがあるようだ。騎手も結果コメントを読むと予め操縦性の良さは知っていたようで、意図的なペースコントロールができたようだ。今回メンバーには恵まれたが、今後も操縦性のよさを活かして好走する機会はありそうだ。
2着 18番 オーソクレース 牡 3 ルメール 57 3.05.4 34.8
中団やや後方を追走。4角から追い上げるも騎手の手が激しく動くわりのは反応は今一つ。直線外からジワジワ伸び続け2着を確保。速い脚はないが長くジワジワ脚を使い続けるタイプのようだ。この特性を活かせる舞台であれば、古馬重賞でも好走する機会はあるかもしれない。
3着 11番 ディヴァインラヴ 牝 3 福永祐一 55 3.05.4 35.2
中団6番手追走。直線に入って抜け出して2着は確保できたかに見えたが、最後まで勢いは続かず。2勝クラスを勝ったばかりの馬がここまで善戦できたことからもこのレースのレベルの低さがうかがえる。
4着 14番 ステラヴェローチェ 牡 3 吉田隼人 57 3.05.4 34.7
後方追走。4角から一気に外から上がっていき、直線でもジワジワ伸び続けたが、やや勢いが劣った。一応最速の上りを使っているのだが、このペースで後方待機では勝負にならなかった。
5着 7番 ディープモンスター 牡 3 武豊 57 3.05.6 34.9
中団やや後方のインを追走。直線に入って外に出すも大して伸びなかった。
6着 9番 ヴェローチェオロ 牡 3 幸英明 57 3.05.7 34.9
後方追走。直線に入っても後方だったが、最後に少しだけ伸びた。
7着 13番 アリーヴォ 牡 3 M.デム 57 3.05.8 35.4
中団追走。4角は外を回りすぎないように回り、直線もよく伸びていたが、ここまでだった。
8着 8番 エアサージュ 牡 3 藤岡佑介 57 3.05.9 35.9
インの4,5番手を追走して、直線でもよく伸びていたもののここまでだった。
9着 2番 アサマノイタズラ 牡 3 田辺裕信 57 3.06.0 34.7
最後方追走。4角ではインを突き、直線ではインから一瞬いい脚を見せるも最後までは続かなかった。追走力に劣り、いい脚もそう長くは使えないので、好走できる機会はかなり限られそうだ。
10着 17番 ヴィクティファルス 牡 3 池添謙一 57 3.06.1 35.7
中団追走のまま見どころなく終わる。
11着 6番 セファーラジエル 牡 3 鮫島克駿 57 3.06.2 36.6
後方追走から、最初の直線で超スローに乗じて2番手まで位置を上げたが、最後は伸びなかった。終始力んでいたとのことだった。
12着 4番 ロードトゥフェイム 牡 3 丹内祐次 57 3.06.2 35.4
後方追走のまま見どころなく終わる。
13着 5番 レッドジェネシス 牡 3 川田将雅 57 3.06.3 35.1
後方追走のまま見どころなく終わる。
14着 10番 モンテディオ 牡 3 横山和生 57 3.06.7 36.9
3番手追走するも最後は伸びず。先行力はあってもかなり恵まれないと好走は厳しい。
15着 16番 グラティアス 牡 3 松山弘平 57 3.06.7 36.8
4番手追走するも直線伸びず。
16着 15番 ヴァイスメテオール 牡 3 丸山元気 57 3.07.1 36.3
後方追走のまま見どころなく終わる。
17着 12番 ノースザワールド 牡 3 和田竜二 57 3.07.5 36.4
後方追走のまま見どころなく終わる。
18着 1番 ワールドリバイバル 牡 3 津村明秀 57 3.08.5 38.1
中団追走していたが、見どころなく終わる。長距離戦が向いていないというのはありそう。
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