2021 アイルランドT府中牝馬S G2 レース回顧
ここ数戦堅実に走っていたマジックキャッスルが突然崩れることを予想するのが難しいレースであった。
1.レース結果の基礎データ
2021年10月16日(土) 4回東京3日 天候: 曇 馬場状態: 良
11R 第69回アイルランドT府中牝馬S
3歳以上・オープン・G2(別定) (牝)(国際)(指定) 芝 1800m 18頭立
馬場差 -1.6 完全タイム差 +1.0
タイムランク SL メンバーランク C
LAP :12.5-11.2-11.6-12.0-12.1-11.8-11.0-11.4-12.0
通過:35.3-47.3-59.4-71.2 上り:70.3-58.3-46.2-34.4 平均:1F:11.73 / 3F:35.20
直線では横一線に近い、スローの瞬発力勝負になった。L1Fで減速しているのは瞬発力に秀でた馬がいなかったことも関係していそうだ。
2.完全タイム差検証
タイムランクSLでもやや過大評価。0.6秒ほど低く見た方がよい。
3.各馬の分析
1着 7番 シャドウディーヴァ 牝 5 福永祐一 54 1.45.6 33.1
中団やや後ろを追走。直線に入ってもやや後方だったが、外に出して最後までジワジワ伸び続けゴール直前でアンドラステをギリギリ差し切っての1着だった。上り最速はオープンに入って初めてかつ33.1秒と高速の瞬発力勝負に対応できたのも初めてて、よほど調子がよかったということなのだろう。5歳ながら新味を見せた勝利だった。ただ、1走おきに好走している馬なので、好調がいつまで持続できるかは疑問が残る。
2着 4番 アンドラステ 牝 5 岩田望来 54 1.45.6 34.3
2番手追走。4角で早めに先頭に並びかけ、直線に入って先頭に立つと最後までしぶとくゴール直前で差される惜しい2着だった。スローで好位のポジションが取れればしぶとい馬であるが、あまり瞬発力に秀でた馬がいない組み合わせに恵まれた面はありそう。
3着 14番 マルターズディオサ 牝 4 田辺裕信 54 1.45.8 33.5
中団やや後方を追走。4角で外を回って直線入口では後方ながら勝ち馬のシャドウディーヴァの少し前の位置にいて、そこからグングン伸びてきたものの最後の伸びが少し足らず3着になった。
先行していた馬が前走出遅れて後方から上り最速の末脚を使ったのだが、その経験を活かして差す競馬で好走した。脚質の幅が広がったことにより好走できそうなレースの幅が広がった。
4着 15番 ドナアトラエンテ 牝 5 ルメール 54 1.45.9 33.6
中団追走。4角でややインを回り、直線で内から伸びてきていたものの最後は外からの馬に勢いが劣った。立ち回りはよかったものの、ここではワンパンチ足りなかった。
5着 8番 サトノダムゼル 牝 5 石橋脩 54 1.45.9 34.0
中団追走。直線に入って多くの馬と横一線の位置になる中少しだけ前に出ていたように見えたものの最後の伸びが少し足りなかった。立ち回りはよいが、ここでは瞬発力が少し足りなかった。
6着 2番 スマートリアン 牝 4 三浦皇成 54 1.46.1 34.5
インぴったりの3,4番手を追走。4角をインぴったり回ることで直線では3番手の位置にいたものの、最後まで勢いは続かなかった。距離得がありつつもこの程度なので、重賞では少したりない。
7着 16番 アカイイト 牝 4 横山典弘 54 1.46.1 33.4
後方追走。直線では大外から伸びてくるも、直線入口での位置が後ろ過ぎた。
8着 12番 サンクテュエール 牝 4 杉原誠人 54 1.46.1 33.9
中団追走。直線でもよく伸びてはいるのだが、ここでは少し末脚が劣った。
9着 9番 レッドベルディエス 牝 5 横山和生 54 1.46.2 33.2
後方から2番手を追走。4角で外を回り一旦最後方になり大外からジワジワと伸びてはいた。追走力に難があり、エンジンのかかりも遅いので、上りが速くても好走の機会は少なそう。
10着 5番 シゲルピンクダイヤ 牝 5 和田竜二 54 1.46.2 34.4
5,6番手追走していたが、直線では少し伸びが劣った。立ち回りは悪くなく着差もそうないのでどこかでチャンスはあるかもしれない。
11着 3番 ローザノワール 牝 5 国分恭介 54 1.46.4 35.2
先頭を走っていたが4角で早めに競られてしまって苦しくなった。それでも大きく負けていないので恵まれて好走する機会はあるかもしれない。
12着 10番 ミスニューヨーク 牝 4 M.デム 54 1.46.4 34.2
中団インぴったりを追走。直線では伸びを欠いた。騎手が大幅強化されたが馬の実力が足りなかった。
13着 11番 アブレイズ 牝 4 横山武史 54 1.46.4 34.3
中団追走。直線に入って少し伸びたものの、最後まで勢いは続かなかった。春には2度上り最速で駆けており、そのときの戦績からすると今回のペースならばもう少し末脚が使えるはずなのだが、今は春ほどの出来にはないということのようだ。
14着 18番 セラピア 牝 5 内田博幸 54 1.46.5 34.4
中団外追走。直線で伸びてはいるがここでは末脚が足りなかった。
15着 13番 マジックキャッスル 牝 4 戸崎圭太 54 1.46.8 34.5
中団イン追走。直線でインから伸びてくるかに見えたものの、末脚不発。長く堅実に走れていた馬が突然不調になるのは困るのだが、牝馬だとこういうことがあるというのは頭に入れておいた方がよいかもしれない。精神的な不調の可能性があるので、次走は少し疑った方がいいかもしれない。
16着 17番 デゼル 牝 4 川田将雅 55 1.46.9 35.2
外から4番手を追走していたが、直線ではまるで伸びなかった。末脚が使えなさすぎなので、不調を疑った方がいいかもしれない。
17着 6番 リアアメリア 牝 4 丸山元気 54 1.46.9 34.0
後方追走のまま見どころなく終わる。古馬重賞ではまるで好走できていないが、精神的な問題もあるのかもしれない。
18着 1番 フィリアプーラ 牝 5 武藤雅 54 1.47.0 34.5
後方追走のまま見どころなく終わる。ここでは能力不足は明らか。
関連記事
■「先週の結果分析」のタイムランクA B には怪しいものと信頼できるものがある。
■完全タイム差を検証する表について説明します。
■2020年 ジャパンカップの真完全タイム差を補正する ~真完全タイム差こそスピード指数の最終到達点である~
« 2021 毎日王冠 G2 レース回顧 | トップページ | 2021 秋華賞 G1 レース回顧 »
「競馬」カテゴリの記事
- レース回顧記事を終了します(2022.06.30)
- 2022 宝塚記念 G1 レース回顧(2022.06.30)
- 2022 マーメイドステークス G3 レース回顧(2022.06.23)
- 2022 ユニコーンステークス G3 レース回顧(2022.06.23)
- 2022 エプソムC G3 レース回顧(2022.06.15)
「レース回顧」カテゴリの記事
- レース回顧記事を終了します(2022.06.30)
- 2022 宝塚記念 G1 レース回顧(2022.06.30)
- 2022 マーメイドステークス G3 レース回顧(2022.06.23)
- 2022 ユニコーンステークス G3 レース回顧(2022.06.23)
- 2022 エプソムC G3 レース回顧(2022.06.15)
コメント