2022 アメリカジョッキーCC レース回顧
クラシック競争で目立った馬が古馬重賞で過大評価されて負ける典型的なレースになったが、それ以外のメンバーも実力伯仲で予想が難しいレースであった。
1.レース結果の基礎データ
2022年 1月23日(日) 1回中山8日 天候: 曇 馬場状態: 良
11R 第63回アメリカジョッキーCC
4歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(特指) 芝 2200m 14頭立
馬場差 -0.1 完全タイム差 +0.5
タイムランク D メンバーランク C
LAP :12.5-11.4-12.6-12.3-12.4-12.1-11.9-11.8-11.8-11.7-12.2
通過:36.5-48.8-61.2-73.3 上り:71.5-59.4-47.5-35.7 平均:1F:12.06 / 3F:36.19
前半スローながらコーナーから早めに加速が始まる中山らしいラップとなっていて、馬場の内が荒れていたこともあり、勝負所のコーナーの走りの良し悪しが目立っていた。
2.完全タイム差検証
かなり過大評価で1.3秒ほど低く見た方がよい。G2戦としてはレースレベルはかなり低い。
3.各馬の分析
1着 1番 キングオブコージ 牡 6 横山典弘 56 2.12.7 34.7 3 496
後方追走。3角の途中から外を回って進出し、直線大外からグングン伸びて1着となった。前走は力んで脚がたまらなかったのが、今回前半でしっかり脚を貯めることができて、末脚を爆発させることができた。スローペースながら早めにペースが上がり、L1Fで少し減速するレース展開も向いていたようだ。骨折して長い休養明けから3戦目でようやく復活を果たした。
2着 14番 マイネルファンロン 牡 7 松岡正海 56 2.12.9 35.1 11 490
後方追走から3角途中で、キングオブコージより少し早めに外から進出し、直線外からよく伸びたものの、最後はキングオブコージに交わされた。前走は能力以上に負けた印象だったが、連戦が続いていたのが6週間間隔を空けることによってうまく調整して立て直したようだ。新潟記念勝ちがあるように実績はこのメンバーでは上位であり、今回は人気がなさすぎた。
3着 9番 ボッケリーニ 牡 6 横山武史 56 2.13.0 35.5 4 464
中団追走するも4角ではやや反応にぶくポジションを下げる。直線では空いた内を突き、周囲の馬より良い伸び脚を見せたが、最後は外からの馬の方が勢いがあり3着となった。スローペース戦は得意な馬ながら、中山の4角のペースアップには苦戦するようだ。それでもL1F減速して35秒台の上りでも対応できる展開になったのがこの馬にとってよかったようだ。
4着 2番 アサマノイタズラ 牡 4 嶋田純次 56 2.13.0 34.8 7 494
最後方追走から最後大外から直線だけでよく伸びてきた。今回嶋田騎手に戻ったのであまり陣営の勝つ気はないように思えたが、馬の調子自体はよかったようだ。このメンバーでも末脚は通用することを示したので、どこかでチャンスはあるかもしれない。
5着 6番 ポタジェ 牡 5 川田将雅 56 2.13.1 35.4 2 474
中団追走するも3角4角の走りが今一つでややポジションが下がり気味になってしまう。それでも直線は少し伸びて巻き返してはいた。実績的にこのメンバーでは3着以内確保は安泰化と思っていたのだが、中山の4角での走りが今一つなところがあるようだ。中山で走るのは新馬戦以来であり、こうした弱点があるのは盲点だった。
6着 11番 オーソクレース 牡 4 ルメール 55 2.13.1 35.8 1 484
中団やや前を追走し、4角で早めに進出して直線に入ってすぐ先頭に立つも最後まで勢いは続かなかった。スローペース戦で正攻法の走りを見せ、本当に実力があれば3着以内は安泰な騎乗であったが、馬の実力が足りなかったとみなせる走りだった。3歳限定戦でしか実績のない馬はこのような結果になるのはよくあることで、特に昨年の菊花賞はさほどレベルが高くないので、今回は危険な人気馬だった。
7着 4番 クレッシェンドラヴ 牡 8 津村明秀 56 2.13.3 36.0 12 504
中団やや前を追走し、最後までしっかり走れてはいた。意外な善戦であり戦績を見るとG1、G2を使うことが多いのでメンバーの弱いG3戦で好走できる可能性はありそう。
8着 13番 スマイル 牡 6 田辺裕信 56 2.13.3 36.0 8 540
中団追走。4角で外を回っていい脚を使い直線入口でいい位置につけるもののそこからの伸びが今一つだった。コーナーの走りは悪くないが直線の末脚はあまりないタイプのようだ。
9着 5番 エヒト 牡 5 北村宏司 56 2.13.4 35.8 9 466
中団追走するも4角ではややポジション下がり気味。直線の伸びも大したことなかった。中山のコーナーの走りは今一つのようだ。
10着 10番 ラストドラフト 牡 6 戸崎圭太 56 2.13.6 36.1 5 470
中団追走するも直線では大して伸びず。末脚いまいちなのでなかなかチャンスは回ってこない。
11着 8番 アンティシペイト 牡 5 大野拓弥 56 2.13.7 35.8 6 514
中団追走するも、4角、最後の直線ともにいいところがなかった。
12着 7番 ダンビュライト セ 8 松若風馬 56 2.13.7 36.7 10 480
先行したが最後の直線で後退した。
13着 12番 ソッサスブレイ セ 8 柴田大知 56 2.15.1 38.1 14 458
先行したが、4角の終わりからズルズル後退してしまった。
14着 3番 キャッスルトップ 牡 4 仲野光馬 57 2.18.9 41.6 13 448
逃げたが3角で早々と後退した。ここでは全く能力が足りなかった。
関連記事
■「先週の結果分析」のタイムランクA B には怪しいものと信頼できるものがある。
■完全タイム差を検証する表について説明します。
■2020年 ジャパンカップの真完全タイム差を補正する ~真完全タイム差こそスピード指数の最終到達点である~
最近のコメント