« 2022 中山記念 G2 レース回顧 | トップページ | 2022 オーシャンS G3 レース回顧 »

2022年3月 9日 (水)

2022 チューリップ賞 G2 レース回顧

チューリップ賞らしい注目すべきメンバーが揃ったレースとなったのだが、トライアルレースだと能力全開で上位着順を目指すよりもウォーターナビレラみたいに新たな戦法を試すようなことをやる馬、陣営がいたりするので、そうした面でのトライアルレースの予想の難しさを感じさせられた。
そう思って、後から獲得賞金をチェックするとウォーターナビレラはもう十分な賞金があり、ナミュールは評判が高い割には微妙な額なので、こうした面からもナミュールの方がこのレースへの本気度は高そうだと、後になって納得したので、トライアルレースは出走馬の獲得賞金のチェックを欠かさないようにすべき、G1に向けて賞金が足りている馬は勝負しない可能性があることを考慮すべしということが今回の大きな教訓となった。


1.レース結果の基礎データ


2022年 3月 5日(土) 1回阪神7日 天候: 晴 馬場状態: 良
11R 第29回チューリップ賞
3歳・オープン・G2(馬齢) (牝)(国際)(指定) 芝 1600m・外 15頭立


馬場差 -1.0 完全タイム差 +0.2
タイムランク C メンバーランク C

LAP :12.3-10.7-11.3-12.2-12.0-11.4-11.4-11.9
通過:34.3-46.5-58.5-69.9 上り:70.2-58.9-46.7-34.7 平均:1F:11.65 / 3F:34.95

平均ペースであり、上位勢は残り200mまであまり差がなく、L1Fの末脚勝負になった。

 


2.完全タイム差検証


20220033801

3歳馬の成長力を考慮し、一旦妥当な完全タイム差と見る。


3.各馬の分析


1着 6番 ナミュール 牝 3 横山武史 54 1.33.2 33.9

スタートを決めて中団のやや内ではあるが馬郡の中のポジションを追走。4角をじっくり回るも直線に入ってすぐは、前の馬が壁になる状況で進路をやや迷う場面もあったが、馬郡の外に出すとグングン伸びて、L1Fで多くの馬の伸び脚がほぼ同じになる中で1頭だけ目立つ鋭い脚で差し切って1着になった。これで3戦連続で最速の上り3ハロンタイムで走れており、前走のような出遅れがなければ、桜花賞でも勝てる可能性は高いと思えるような勝利だった。

2着 1番 ピンハイ 牝 3 高倉稜 54 1.33.4 34.1

スタートは速くなく序盤は後方の位置だったが、1番枠だったこともありコーナーでインで走っているうちに中団のナミュールの少し後ろの位置までポジションを上げていく。直線もしっかり伸びて接戦の2着争いの中インから少し伸びて2着を確保した。新馬戦勝ち直後ではあったが、サークルオブライフとの差し脚比べで互角の勝負をしたので能力が高いことは間違いなさそう。ただ、新馬戦もそうだったようにスタートが遅いのは特徴のようだ。しかし、内の狭いところを抜け出せる勝負根性は新馬戦でも見せていたので、接戦に強いタイプということをよく覚えておいた方がよさそうだ。


3着 3番 サークルオブライフ 牝 3 M.デム 54 1.33.4 34.5

インの4番手を追走。直線に入って少し外に出して、前を捕らえにかかったが、意外に前にいたサウンドビバーチェがしぶとく交わすのに苦労し、ゴール直前にようやく交わせたものの内外から1、2着馬に交わされて3着になった。前走勝った時も伸び脚はジワジワとしたものであり、外差しの馬場に恵まれての勝利だったので、能力は高いもののやはり抜けた存在ではないように思える3着だった。

4着 8番 サウンドビバーチェ 牝 3 石橋脩 54 1.33.5 34.9

好スタートから2番手でしっかり折り合って追走する。4角の終わりで前の馬を捕らえ、直線に入って早々と先頭に立つとそこからがしぶとかったのだが、ゴール直前で少し甘くなって4着になった。先行してかなりしぶといので好走できるレースの幅が広い馬と思えるが、最後少し甘くなったように強いメンバーとの闘いではワンパンチ足りなくなるのかもしれない。

5着 9番 ウォーターナビレラ 牝 3 武豊 54 1.33.6 34.5

先頭に立てそうなほどの好スタートだったが、意図的にポジションを下げ、サークルオブライフのすぐ外の少し後ろまで下がる。直線に入ってすぐの伸び脚は少しもたついたものの、ゴール直前ではよく伸びたのだが、上位の馬を脅かすほどではなかった。今回は意図的にポジションを下げた勝負を試したようだ。騎手か着順よりも馬の能力を試すことを優先することもあり得るというトライアルレース予想の難しさを改めて思い知らされた。今回の経験を踏まえて桜花賞ではまた違った戦法を取る可能性は高いと思われるので次走も侮れない。

6着 11番 ルージュスティリア 牝 3 岩田望来 54 1.33.8 33.9

スタートで立ち上がってしまい、3馬身くらい損した状況で離れた最後方を追走する。コーナーでインを通ることですこしづつリカバーして、直線の途中ではナミュールのすぐ後ろまで位置を上げて、そこから外に出すとグングン伸びたものの、スタート失敗が響いて6着までが精いっぱいだった。末脚はかなりいいものがあり、スタートが決まっていれば確実にもう少し着順を上げられたと思える走りだったことは覚えておきたい。

7着 10番 ラリュエル 牝 3 川田将雅 54 1.34.0 35.0

スタートは速くないもののややかかり気味の走りで6番手辺りを追走。直線に入ってすぐは勢いがあり上位争いできそうな雰囲気があったものの勢いは続かなかった。全体的にかかり気味な走りだったものの、最後の脚がここでは足りないと思える走りだった。

8着 15番 オーソレミオ 牝 3 横山和生 54 1.34.2 35.4

スタートは遅かったが、3角までに強引に前に進出して3番手のポジションにつける。直線に入っての伸び脚はなかったが、強引に前のポジションを取ったわりには最後よく粘っていた印象を受けた。切れる脚はなさそうだが、工夫次第で好走することがありそうな雰囲気を感じさせる走りだった。

9着 7番 ルピナスリード 牝 3 池添謙一 54 1.34.4 35.2

中団追走から直線伸びることはなかった。ここでは能力不足は明らか。

10着 13番 ツッチーフェイス 牝 3 小沢大仁 54 1.34.4 34.7

後方追走から特に見どころなく終わる。

11着 14番 ステルナティーア 牝 3 福永祐一 54 1.34.4 34.9

後方追走から特に見どころなく終わる。阪神JF以来であったが、成長していない可能性もありそう。

12着 12番 シークルーズ 牝 3 三浦皇成 54 1.34.4 35.1

中団追走から特に見どころなく終わる。

13着 2番 ジャマン 牝 3 松山弘平 54 1.35.3 36.8

先頭にたったが、4角終わりで早々と捕まり、直線途中で失速した。

14着 5番 スプリットザシー 牝 3 団野大成 54 1.36.0 36.4

後方追走から特に見どころなく終わる。

競争中止 4 アンジェリーナ 牝 3 横山典弘 54

 

 



関連記事
「先週の結果分析」のタイムランクA B には怪しいものと信頼できるものがある。
完全タイム差を検証する表について説明します。
2020年 ジャパンカップの真完全タイム差を補正する ~真完全タイム差こそスピード指数の最終到達点である~

 

« 2022 中山記念 G2 レース回顧 | トップページ | 2022 オーシャンS G3 レース回顧 »

競馬」カテゴリの記事

レース回顧」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 2022 中山記念 G2 レース回顧 | トップページ | 2022 オーシャンS G3 レース回顧 »

2024年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

オススメ商品

無料ブログはココログ