2022 読売マイラーズカップ G2 レース回顧
この時期の4歳の上り馬はやはり注目すべきということを思い知らされる結果となった。もう何度もそういうレースを見ていたので、当然ソウルラッシュ本命と思ってレースを見ていたのだが、ずっといままでにないくらい後方でレースをしていたので、今回はもうだめかと思ったのだが、それだけに最後の末脚には驚かされた。ソウルラッシュは1600m戦を使うようになってから確実に末脚を使って好走していて、極端な瞬発力勝負になった場合の不安はあるが、G1でもかなりやれるのではないと思える勝利だったことは間違いない。
1.レース結果の基礎データ
2022年 4月24日(日) 2回阪神10日 天候: 曇 馬場状態:稍重
11R 第53回読売マイラーズカップ
4歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定) 芝 1600m・外 15頭立
馬場差 -0.7 完全タイム差 +1.2
タイムランク E メンバーランク C
LAP :12.5-10.7-11.4-11.5-11.4-11.7-11.6-12.5
通過:34.6-46.1-57.5-69.2 上り:70.1-58.7-47.2-35.8 平均:1F:11.66 / 3F:34.99
前が1頭飛ばすのでやや速いペースで差し馬は末脚が削がれやすい展開になったようだ。そんな中しっかり後方から伸びたソウルラッシュの末脚は目立つものだった。
2.完全タイム差検証
かなり妥当な完全タイム差に思える。とするとソウルラッシュの前走の3勝クラス春興Sのパフォーマンスはかなりよかったということで、この時の2着馬のウインシャーロットの次走に注目してもいいかもしれない。
3.各馬の分析
1着 13番 ソウルラッシュ 牡 4 浜中俊 56 1.33.3 34.1
スタート遅く後方からになり、4角ではややインを回り、直線に入って外に出すまでもたついたように見えたが、外に出してから、他馬を圧倒する目立つ末脚を使って1着となった。前走もスタートは遅いものの、序盤で脚を使って好ポジションを強引にとって好走したが、序盤後方でじっくり脚を貯めれば最後かなりの末脚を使えることを示した。マイルに距離を短縮してこれで4連勝でありかなり能力が高いことを示した。
2着 7番 ホウオウアマゾン 牡 4 坂井瑠星 56 1.33.4 35.3
スタート速く前で飛ばす先頭と少し離れた2番手を追走。直線に入ってしっかり伸びて、最後ファルコニアに差されそうな流れだったが、最後までしぶとく交わさせなかった。やはり前目に位置すればかなりしぶとい。前が1頭飛ばす展開もこの馬に向いた。
3着 3番 ファルコニア 牡 5 川田将雅 56 1.33.4 35.1
4番手追走から直線しっかり伸びるも、末脚の鋭さは今一つで最後まで前にいたホウオウアマゾンは交わせなかった。好ポジションが取れることが多いため堅実な成績を残しているが、勝ち切るには少し足りない面があるようだ。
4着 6番 ベステンダンク 牡10 鮫島克駿 56 1.33.7 36.2
好スタートから後続を少し離す逃げで直線入口でも後方との差をキープできて、4着まで粘れた。粘り切ってしまうかに見えた展開だったが、ゴール直前で上位3頭に交わされ、3着馬との着差0.3秒だったので、恵まれても3着以内に入れる力はないということのようだ。
5着 12番 エアロロノア 牡 5 幸英明 56 1.34.0 35.2
中団追走から4角では外を回りすぎないようにまわり、直線でもやや馬場の内から伸びてきたが伸び脚が足りなかった。
6着 5番 レッドベルオーブ 牡 4 岩田望来 56 1.34.0 35.2
中団イン追走。4角もインを回って伸びてきたが、末脚が少し足りなかった。上り3ハロンタイムは4番目であれるもののインぴったりを回ったものなのであまり評価できない。2歳時からあまり成長していない可能性が高く、人気になりやすい馬なので、人気に逆らった方が妙味がありそうな馬。
7着 4番 カラテ 牡 6 菅原明良 56 1.34.1 35.4
中団追走。直線で外から伸びようとするも伸び脚は大したことなかった。末脚が鋭い方ではないので、この程度の走りでも不思議はない。ここ3戦連続で好走していたが、信頼度は今一つ。
8着 11番 ロードマックス 牡 4 松田大作 56 1.34.2 34.7
後方追走から直線外から少しは伸びてはいた。昇級初戦だったが、ここではやや能力が劣った。
9着 8番 サトノアーサー 牡 8 和田竜二 56 1.34.3 35.7
中団追走から直線伸びず。近走よりは少し前目の位置でレースをしたが、新味は見られなかった。
10着 1番 レインボーフラッグ 牡 9 国分恭介 56 1.34.7 36.1
インの6番手を追走したが直線は伸びなかった。
11着 9番 エアファンディタ 牡 5 松山弘平 56 1.34.9 35.6
後方追走から直線伸びず。重賞初挑戦ではあったが、近走の成績からすると末脚が出せなさすぎであり、調整の失敗など難からの要因があった可能性があるため、この1戦で見限らない方がよさそう。
12着 10番 シュリ 牡 6 秋山真一 56 1.34.9 35.8
後方のままに見どころなく終わる。近走は調子が悪いのは明らかなようだ。
13着 14番 ダイワキャグニー セ 8 三浦皇成 56 1.35.2 36.9
4番手追走から直線伸びず。2番手以内につけないと好走できない馬なので、4番手につけたところでノーチャンスだった。
14着 2番 ヴィクティファルス 牡 4 池添謙一 56 1.35.5 37.1
2番手追走していたが4角で早々と交わされてしまった。
15着 15番 ケイデンスコール 牡 6 岩田康誠 57 1.45.3 46.2
全く見どころなく、復調の兆しは見られない。
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