2022 オークス G1 レース回顧
サウンドビバーチェの放馬によりグレード制導入後最長の15分発走遅延と前代未聞の状況となり、各馬ストレスが大きくかかったようだが、レースを回顧してみると待たされたせいで極端にパフォーマンスを落とした馬はいなかったようだ。最後は瞬発力勝負になったが、2400mで瞬発力勝負に対応できる馬を見抜くのが難しいレースとなった。
1.レース結果の基礎データ
2022年 5月22日(日) 2回東京10日 天候: 晴 馬場状態: 良
11R 第83回優駿牝馬
3歳・オープン・G1(定量) (牝)(国際)(指定) 芝 2400m 18頭立
馬場差 -1.8 完全タイム差 -0.3
タイムランク C メンバーランク C
LAP :12.4-11.0-11.9-12.6-12.7-12.5-12.3-12.1-11.6-11.3-11.7-11.8
通過:35.3-47.9-60.6-73.1 上り:70.8-58.5-46.4-34.8 平均:1F:11.99 / 3F:35.98
縦長の隊列になったので、流れているようにみえたものの、実際はさほど速くない。33秒台の脚があれば差しも叶う展開だったが、33秒台の末脚を使えたのは勝ち馬だけだった。2400m走って瞬発力勝負に対応できるかどうかはやってみなければわからないわけで、やはりオークスは予想が難しいレースだと言える。
2.完全タイム差検証
0.5秒ほど低く見た方がよさそう。
3.各馬の分析
1着 18番 スターズオンアース 牝 3 ルメール 55 2.23.9 33.7
中団やや後方を追走。やや縦長の展開になったので、大外枠の不利はあまりなかったようだ。直線に入って外に出し最後までしっかり伸びて1着になったが、上り3ハロンタイムが33秒台はこの馬だけなので、スローの末脚勝負ではこの馬が一番だったということのようだ。戦績を見てみると、33秒台の末脚を繰り出しいることが多く、速い瞬発力勝負になれば強いということのようだ。
2着 2番 スタニングローズ 牝 3 レーン 55 2.24.1 34.4
5番手を追走。直線に入って外に出しよく伸びていたものの、1着馬には切れ負けした。ある程度先行力があり末脚もしっかりしているので好走できるレースの幅は広そうだった。今後も活躍が期待できそう。
3着 8番 ナミュール 牝 3 横山武史 55 2.24.3 34.0
中団やや後方でスターズオンアースのやや後方のインを追走。直線も馬場のやや内からよく伸びたが3着までだった。追走力が今一つなので信頼性に欠けるのだが、この距離でもしっかりと末脚を繰り出せることを示した。
4着 15番 ピンハイ 牝 3 高倉稜 55 2.24.4 34.0
中団やや後方を追走。4角で外を回りすぎないように回り直線も馬場のやや内を選んでしっかり伸びてきたがここまで。縦長の展開になったので、外枠の不利は少なかったが、正攻法ではここまでの実力のようだ。それでも末脚は堅実なので秋の成長が楽しみな1頭ではある。
5着 16番 プレサージュリフト 牝 3 戸崎圭太 55 2.24.5 34.5
中団6番手を追走。4角を外を回りすぎないように回り、直線で伸びようとしたが伸びは今一つだった。デビュー以来一番いいポジションにつけれて、ペース面でもさほど速いわけでなかったので、最後末脚が鈍ったのは距離の問題が大きそうだ。
6着 4番 ルージュエヴァイユ 牝 3 池添謙一 55 2.24.6 34.0
後方追走。最後は大外からよく伸びているのだが、現時点では追走力が足りない。
7着 3番 アートハウス 牝 3 川田将雅 55 2.24.9 35.4
3番手追走。4角で少しづつ外に出し、伸びようとしたが、直線の途中で伸びを欠いた。先行力はあるが、末脚が足りない。
8着 17番 ニシノラブウインク 牝 3 三浦皇成 55 2.25.0 35.9
さほど速くないペースで後続を離す逃げを打てて、直線の途中まで粘っていたものの、のこり200mを過ぎたところで後続に捕まってしまった。先行してしぶとい面もあるので今後もどこかでチャンスがありそう。
9着 9番 エリカヴィータ 牝 3 福永祐一 55 2.25.0 35.0
中団追走するも直線伸びは今一つ。ポジショニングはよかったのだが、末脚が今一つというところがありそうだ。
10着 11番 ベルクレスタ 牝 3 吉田隼人 55 2.25.2 34.8
中団やや後方。直線入口では スターズオンアースのすぐ後ろの位置にいたものの、 スターズオンアースにまるでついていけず離されてしまった。元々追走力が今一つであり、今回は末脚も大したことなかった。末脚が削がれたのが、距離だったのか調子落ちなのか判断は難しい。
11着 12番 ライラック 牝 3 横山和生 55 2.25.4 34.5
後方追走から直線さほど伸びず。戦績から、追走も末脚もこの程度であることは明らか。
12着 6番 サークルオブライフ 牝 3 M.デム 55 2.25.8 34.8
出遅れて後方から、後方で脚を貯めたわりには末脚は案外だった。この距離はだめだったのかもしれない。
13着 1番 ウォーターナビレラ 牝 3 武豊 55 2.26.1 35.5
行き脚つかず中団やや後方追走のまま見どころなく終わってしまった。チューリップ賞で末脚が今一つで先行してポジションとらないとだめということがわかったので、前目の位置につけれなかったということでノーチャンスだった。桜花賞の出来がピークだったようで、調子落ちなのであれば出走してほしくなかった。
14着 14番 シーグラス 牝 3 松岡正海 55 2.26.1 35.3
後方のまま見どころなく終わる。
15着 10番 ラブパイロー 牝 3 野中悠太 55 2.26.1 36.3
4番手追走するも直線伸びず。瞬発力勝負が向かないのは明らか。
16着 13番 パーソナルハイ 牝 3 吉田豊 55 2.26.4 37.1
2番手追走するが、直線で脱落。直線でバテ過ぎなので、距離が長かったということはありそう。
17着 7番 ホウオウバニラ 牝 3 横山典弘 55 2.27.0 35.9
後方追走のまま見どころなく終わる。
競争除外 5 サウンドビバーチェ 牝 3 石橋脩 55
レース前にスタート地点で他馬に蹴られて放馬。馬体検査の結果、「顔部挫創」で競走除外となった。
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