2022 NHKマイルカップ レース回顧
3着以外は単勝10倍以下の馬がしっかり上位に食い込む結果になった。そんな中、長期休養明け、前走やや期待外れだった1、2番人気が、4、5着で前走1、2着だったことが印象的でやはり、前走が最近でかつ好走している馬を重視するのが予想の基本だという思いを強くさせられた。
1.レース結果の基礎データ
2022年 5月 8日(日) 2回東京6日 天候: 曇 馬場状態: 良
11R 第27回NHKマイルカップ
3歳・オープン・G1(定量) (牡・牝)(国際)(指定) 芝 1600m 18頭立
馬場差 -1.4 完全タイム差 -0.1
タイムランク C メンバーランク C
LAP :12.2-10.5-11.4-11.5-11.8-11.1-11.5-12.3
通過:34.1-45.6-57.4-68.5 上り:69.6-58.2-46.7-34.9 平均:1F:11.54 / 3F:34.61
平均ペースでラスト3ハロンは減速ラップとなった。
2.完全タイム差検証
やや過大評価で0.6秒ほど低く見た方がよさそう。ちなみにこのレースの基準タイムは古馬3勝クラスより0.2秒遅いタイムが設定されていることはしっかり把握しておくべきである。
3.各馬の分析
1着 18番 ダノンスコーピオン 牡 3 川田将雅 57 1.32.3 34.3
外の中団を追走。4角を外を回りすぎないように回り、直線に入って馬場の真ん中から少しづつ伸びてきて残り200mを過ぎたところで先頭に立ち、外から伸びてくる馬をギリギリ凌いで1着になった。好ポジションでしっかり折り合いロスの少ない競馬が出来たことが大きい。これで能力を発揮できなかったのは共同通信杯だけなので、アテにできない馬とは考えなくてよさそうだ。ただし、末脚の鋭さはさほどでもなく立ち回りの上手さで好走するタイプということは覚えておきたい。
2着 1番 マテンロウオリオン 牡 3 横山典弘 57 1.32.3 33.5
後方から2番手を追走。4角で少しづつ外に出していき直線入口では大外の後方そこからグングン伸びて最速の上りを使って追い込んできたが、ギリギリ届かずの2着。メンバー中、成績の安定度、末脚の確かは最も優れていて、馬券の軸にするならこの馬しかないと後になって気づかされるような素晴らしい走りだった。スタート後ペースが速いと見てすぐに後方待機を選んだ騎手の判断もよかったが、最後届かなかったのは大外を回った距離差で1着馬との能力差はほぼないと考えてよさそう。
3着 10番 カワキタレブリー 牡 3 菅原明良 57 1.32.4 33.8
スタートの勢いはあまりなく、後方から4番手を追走。直線入口ではマテンロウオリオンの内の少し後ろの位置になり、マテンロウオリオンほどの伸び脚の勢いはないように思えたが、マテンロウオリオンのスパートによくくらい就いていき、少しづつ勢いがついてきて、最後には3番手まで浮上した。前走のレース回顧で、「前半無理をし過ぎたので、実力以上に負けたことはありそう。」と書いたが、前半無理をせず脚を貯めればこれだけの末脚を繰り出せることを示した。過去にもそこそこの末脚を繰り出したこともあり、前走の敗退により極端に人気を落としていた。ただし、今回は4着以下の馬の末脚が案外だったという面はありそう。
4着 4番 セリフォス 牡 3 福永祐一 57 1.32.6 34.6
インの6番手を追走。4角をインぴったり回り、直線に入って最内からしっかり伸びてくるように見えたものの、坂を上がってからの勢いが上位3頭からは少し劣った。前走も2着ながら、上り3ハロンタイムは5番目で、今回も5番手だったので、スローペースでないと末脚が削がれてしまうという面があるようだ。昨年12月以来だったので成長度合いを図るのが難しかったが、12月時点とそう大きく変わったということはなさそうだ。
5着 11番 インダストリア 牡 3 レーン 57 1.32.7 34.6
中団を追走。直線の入口ではダノンスコーピオンのすぐ外の後ろにいたが、直線に入ってすぐの加速はダノンスコーピオンに少し劣り差をつけられてしまい、そこからしっかり伸びてきてはいたが、伸び脚は上位勢にはわずかに劣った。ダノンスコーピオンと同じようは立ち回りをしていたので、ダノンスコーピオンには劣ることをはっきり示す完敗だった。デビュー以来の4戦の上り3ハロンタイムはすべて最速だったが、今回は5番目だったことが示すように、G1では少し足りない存在だったということのようだ。
6着 5番 キングエルメス 牡 3 坂井瑠星 57 1.32.8 35.1
好スタートから難なくインの3番手につける。直線に入ってすぐの勢いはなかったが、それでも最後までしっかり伸び続け、セリフォスのすぐ後ろの位置に食らいついていた。このメンバーではやや足りなかったが難なく先行することができて最後までしぶといことを示したので、今後も安定して走れそうだ。
7着 13番 ジャングロ 牡 3 武豊 57 1.32.9 33.8
スタートで出遅れて最後方。直線で大外に出すもまだかなりの後方で、そこから最後まで伸び続けてもののここまでだった。最後は2番目の上り3ハロンタイムなので、しっかり末脚を使えていたが、これまでもいい末脚を繰り出していたので新味というわけではない。逃げないとダメな馬ではないので、スタートで出遅れなけれもう少しやれていた可能性は高い。今後も侮れない存在になりそう。
8着 6番 トウシンマカオ 牡 3 戸崎圭太 57 1.33.1 35.7
先頭に立ち、直線の途中までは勢いがあったものの、残り200mを過ぎたところで勢いがなくなり後退した。先行する馬ながら逃げたのは今回初めてだったが、騎手の結果コメントを見ると最初から逃げることを決めていたようだ。しかしながら、今回はこの馬にとってオーバーペースになってしまった。
9着 8番 アルーリングウェイ 牝 3 藤岡佑介 55 1.33.3 34.7
スタートが決まらず、中団のやや後方のインを追走。4角もインぴったりを回り、ロスの少ない走りが出来たが、末脚が少し足りなかった。スタートが上手くいったとしても上位進出は難しかったと思われる程度の末脚だった。
10着 7番 タイセイディバイン 牡 3 松若風馬 57 1.33.4 35.6
5番手を追走していたが、直線で勢いを欠いた。速い脚はないので、もっと厳しいペースになるかメンバーが弱くならないと厳しいということのようだ。
11着 3番 ソリタリオ 牡 3 鮫島克駿 57 1.33.5 35.1
インで先団の位置につけようとするが、周りの馬が速く、3角までにポジションが下がって中団の位置になってしまい、切れる脚がないのでそこから盛り返すことができなかった。
12着 9番 ダンテスヴュー 牡 3 吉田隼人 57 1.33.5 35.1
中団追走から見どころなく終わった。
13着 17番 ステルナティーア 牝 3 池添謙一 55 1.33.6 35.4
中団追走から見どころなく終わった。
14着 12番 セイクリッド 牝 3 菊沢一樹 55 1.33.7 34.9
後方追走から特に見どころなし。ただ、ダートの未勝利勝ちからの参戦にしては善戦したといえるかもしれない。
15着 16番 プルパレイ 牡 3 M.デム 57 1.33.9 35.6
中団追走から直線伸びず。戦績からスローペースでないと速い上がりが使えないようだ。前走はハイペースで上りが極端にかかったことが逆によかったようで、好走しそうな時の見極めが難しい馬のようだ。
16着 15番 オタルエバー 牡 3 横山和生 57 1.34.0 36.4
2番手追走していたが、直線の伸びを欠いた。切れる脚がないので、先行力があっても東京コースでの好走は難しそう。
17着 2番 ソネットフレーズ 牝 3 横山武史 55 1.34.6 36.4
中団追走から見どころなく終わった。やはり昨年11月のデイリー杯以来では好走は難しい。休み明けの一戦だったので、2歳からの成長力がどうかを見極めるにはもう1戦様子を見た方がよさそう。
18着 14番 フォラブリューテ 牝 3 大野拓弥 55 1.35.7 37.9
3番手追走していたが、最後は大きく後退した。
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