輸入メタルマザー

2017年1月11日 (水)

マドンナの輸入メタルマザー使用 日本盤

マドンナの日本盤レコードは、セカンド・アルバムの「ライク・ア・バージン」から、輸入メタルマザーが使用されるようになったようで、その次の「トゥルー・ブルー」も輸入メタルマザーが使用されていることまで、確認できています。こうなると、その次の、日本でのアナログ盤最終作の「ライク・ア・プレイヤー」も輸入メタルマザー使用盤である可能性が高いと思われるのですが、アナログ盤の生産枚数が少なくなってきた時期の作品であるだけに、まだ発見できていません。

今回は、「ライク・ア・バージン」と「トゥルー・ブルー」を紹介します。

P1020038

「ライク・ア・バージン」は帯の上からシュリンクを被せた状態で発売されたようで、シュリンクをつけたままの状態の盤を購入することができました。

P1020039

帯には、「USカッティング」であることが書かれていますが、これは、「USのオリジナルのエンジニアがカッティングした原盤を使用してプレスされたレコードである」という意味であることをどれだけ人が当時、理解できていたでしょうか。

P1020040P1020041

いつものように、送り溝の情報を記載すると、

Side 1

①1-25157-REI-A-INTL-SET2
②MASTERDISK RL
③1
④SLM
⑤△7438
⑥1-1
⑦P-13033-1
⑧1M-A-11
⑨JAP
⑩4SY

Side 2

①1-25157-B-INTL SET3
②MASTERDISK RL
③SLM
④1
⑤△7438-X
⑥1-1
⑦P-13033-2
⑧1M-A-7
⑨JAP

となっていて、Side1の①②④⑤⑥⑨、Side2の①②③⑤⑥⑨が原盤に刻印されていた情報だと、思われます。②の「MASTERDISK RL」は、有名な、Bob Ludwigがカッティングしたことを示す、「RL刻印」ですね。Bob Ludwigらしい、迫力のサウンドが楽しめました。

Side1の⑩はたぶん、日本の生産工場を表していると思うのですが、今のところ、どこの工場を示しているのかはわかりません。

P1020042

「トゥルー・ブルー」は、とっても美しいジャケットですが、ジャケットと一体化した帯のデザインもとてもいいと思います。僕は帯には、昔からあまり思い入れがないのですが、これならば、帯をずっとつけておこうと思いたくなるような、素晴らしい帯だと思います。

P1020045P1020047


こちらも送り溝の情報を記載すると、

Side1

①1-25442-A-INTL-2-REI
②FUTURE DISC
③1
④○
⑤△13240
⑥1-3
⑦P-13310-1
⑧1M-A-2
⑨CS
⑩JAPAN

Side2

①1-25442-B-INTL-2-REI
②FUTURE DISC
③1
④△13240-X
⑤1-3
⑥P-13310-2
⑦1M-A-3
⑧JAPAN

となっていて、Side1の①②④⑤⑥⑩、Side2の①②④⑤⑧が原盤に刻印されていた情報だと、思われます。Side1の⑨より、この盤はCBSソニーの工場で生産されたことがわかります。また、Side1の⑧、Side2の⑦より、比較的初期のスタンパーより、プレスされたようです。こちらも、迫力のあるサウンドが楽しめました。

「ライク・ア・バージン」、「トゥルー・ブルー」ともに状態のよい盤を1000円弱で購入することが出来ましたが、マドンナのレコードは当時すごく売れたので、今後も、ものすごい低価格で、状態のよい盤に出会える機会も、大いにあるのではないかと思いますので、これらのマドンナのレコードはオススメです。こうした、当時のオリジナルのエンジニアがカッティングした原盤を日本の高品質な生産体制でプレスしたレコードが、多数残されているということは、とても幸せなことだと思います。

ところで、マドンナといえば、このCD BOXも超おススメ商品です。

なんと、デビュー作以降の11枚のCD(リマスター&ボーナストラック付き)がセットになって、3500円程度で買えるという、無茶苦茶コスト・パフォーマンスのよい、商品です。amazonのカスタマーレビューには、コスパのよさについて、大絶賛のレビューが並んでいます。これだけコスパのよい商品なので、特にマドンナが嫌いではない洋楽ファンだったら、買っておいて損のない商品だと思います。

2016年12月25日 (日)

マスターサウンド盤 炎の謎

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20161225022016122503

「ストレンジャー」のマスターサウンド盤は比較的安い価格で中古盤を購入できるものの、「炎」はピンクフロイドが中古市場で絶大な人気があるためか、帯付だと余裕で1万円を超える価格で取引されています。ただ帯なしだと、さほど高騰しなくて、僕は1枚目はヤフオクで、もう一枚目はディスクユニオンでどちらも4000円程度で購入しました。2枚目を購入したのは、「ストレンジャー」の経験から、1枚目は原盤が怪しいと感じたからでした。

それぞれの送り溝の情報はこんな感じでした。

・サンプル1

side1

①P AL 33453 4AD
②30AP-1875A1
③1 A 1+

side2

①P BL 33453-5H
②30AP-1875B1
③1A 3

・サンプル2

side1

①P AL 33453 4AD
②30AP-1875A1
③1 A 22

side2

①HBL 43453-5C
②30AP-1875B9
③COLUMBIA NY
④1 A 4

ということで、サンプル2のside2のみ、米CBSマスターサウンドの原盤を使用している可能性が高いことがわかるのですが、実際、サンプル1,2のSide2を聴き比べるとその違いは歴然で、「Wish You Were Here」の最初のアコギのソロが鳴るところなど、明らかにサンプル2の方が生生しくって、腹立たしさを感じるほどです。

「ストレンジャー」と「炎」の送り溝を見てきて、CBSソニーの送り溝の刻印の見方が、すこしわかってきたような気がします。②の最後の数字が原盤の番号を表していて、③がマザー/スタンパーの番号を表している可能性が高いと思います。だとすると、サンプル1はかなりの初期に制作された盤だと思うのですが、原盤自体がダメダメであれば、初期盤の意義は全くありません。

ピンクフロイドのすざまじい情報量のディスコグラフィー・サイトによると、Side1,2ともに米CBSマスターサウンの原盤を使用した盤が存在するようなのですが、僕はまだ見たことありません。

http://pinkfloydarchives.com/DJaLPPF.htm#WYWH3

ただ、上記のディスコグラフィー・サイトによると、「炎」は米CBSマスターサウンドでも当たりはずれがあるようです。

http://pinkfloydarchives.com/DJaLPPF.htm#WYWH3

このサイトによると、1stプレスの「HBL33453-2」のマスターはハーフスピード。カッティングなのに、通常スピードのイコライジングをしているとの記載があります。なので、2ndプレスの方がよさげなのですが、CBSソニー盤は上記のサンプル2のように、2ndプレスが使用されています。

このように、調べてみると、レコード盤に関するネガティブな情報が色々わかってくるわけで、情報が少ない中で、プレミア価格のついた盤を購入するのは、とてもリスキーな行為だと思います。サンプル1のタイプのCBSソニー・マスターサウンド盤はプレミア価格が付く価値など全くないと僕は思います。

CBSソニーのHMマスターサウンド盤は僕は他にアース・ウインド&ファイアーのベスト盤を購入しています。こちらは、1500円程度だったように記憶しています。

2016122504

20161225052016122506

これの送り溝の情報は、

side1

①HAL 45647-2AJ
②30AP-1876A2
③1 A 22 +

side2

①HBL 43647-2J
②30AP-1876B1
③1 A 23

となっていたので、これについては、早い段階から米CBSマスターサウンドの原盤が使用されていたようなのですが、単に僕が運がよかっただけかもしれません。

このように、「ストレンジャー」「炎」のマスターサウンド盤での原盤の混乱ぶりは、高音質を謳って発売されたものなので、かなりヒドイと思います。まあ、30年以上前の商品なので、販売元に状況説明の義務はないですが、今後も中古市場で、不当な価格で騙されて購入する人がいるかもしれないと考えると、当時の関係者に真相を語ってもらった方がよいと思うのですが・・・

【12/29追記】12/23に500円で開始された、帯付マスターサウンド盤「炎(あなたがここにいてほしい)」のオークションが12/28に17,000円で終了していました。やっぱり、この盤の人気は絶大のようです。果たして、今回出品されたのは、どの原盤が使われたものだったのでしょうか。

http://page15.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/t498266682?wr=1&iref=wlr_6

2016年12月24日 (土)

マスターサウンド盤 ストレンジャーの謎

2016122401

マスターサウンド盤の「ストレンジャー」を買って、これは音がいいのではと期待して聴いてみると、Side1はあまりたいしたことなくて、期待外れかなと思って、Side2を聴くと、ワイドレンジで、クリアーかつ迫力があり、音の細部が聴き取りやすい、ハーフスピード・カッティング盤のイメージどおりのサウンドになっていて、どうしてこういうことが起こるのだろうと、調べてみると、Side1は通常盤のマスターを使っていて、Side2がハーフスピード・カッティング盤のマスターを使っている可能性が高いことがわかりました。そして、その後、マスターサウンド盤の「ストレンジャー」は、使用している原盤がコロコロ変わっていて、わけのわからない状況であることがわかってきましたので、現在までわかったことを記事にします。マスターサウンド盤は謎だらけなので、あまり手を出さないようにした方が賢明かもしれません。

CBSソニーのマスターサウンド盤とは、CBSソニーが技術の粋をつくした高音質と謳われて、通常盤のレコードよりもちょっと高い価格で1980年代に販売されたシリーズです。使用する原盤により、DR(デジタルレコーディング)、DM(デジタルマスタリング)、DD(ダイレクトカッティング)、HM(ハーフスピードマスター)などがあったのですが、音質的に最も期待できるDDは洋楽ロック系にはなく、洋楽ロック系の大部分は、DMだったのですが、当時として、まだ高価だったCDライクなデジタル風サウンドをレコードで聴けることは意義があったのかもしれませんが、今となっては、当時のデジタル機材では、アナログマスターをわざわざデジタルに変換したら、音が痩せるデメリットの方がデジタル化でクリアーなサウンドになるメリットよりも大きいそうだというのは、容易に想像できるので、DMのマスターサウンド盤はあまり魅力のない盤だと思っています。

そのため、洋楽ロックファンで、マスターサウンド盤で注目したくなるのは、HM盤であり、マスターサウンド盤に付属している説明書には以下のように書かれています。

2016122400

ということで、期待がもてそうな説明文がかかれているのですが・・・

20161224022016122403


僕はストレンジャーのマスターサウンド盤を3枚購入してみたのですが、送り溝の部分の情報は以下のようになっていました。

・サンプル1

side1

①AL 34987 3BE
②30AP-1874A1
③C
④1BC +
⑤STERLING

①が手書き

side2

①HBL 44987-4B
②1A15
③30AP-1874B5

・サンプル2

side1

①AL 34987 3BE
②30AP-1874A1
③C
④1A2 +
⑤STERLING

①が手書き

side2

①BL 34987 4BL
②30AP-1874B1
③1B4
④STERLING(TJの手書き刻印付き)

①が手書き

・サンプル3

side1

①DHAL 34987 3K
②30AP-1874A3
③C
④1A2 +

①が手書き

side2

①BL 34987 4BL
②30AP-1874B1
③1B19
④STERLING(TJの手書き刻印付き)

①が手書き

ということで、僕が最初に聴いたのはサンプル1なのですが、これのSide2のみ機械刻印で「HBL 44987-4B」とあるのが、米版のCBSマスターサウンド盤の刻印と合致するので、これのみ音がよいと感じたのだと思います。よくわからないのが、サンプル3のside1で、これだけ、通常盤ともCBSマスターサウンド盤とも違う刻印で、実際に音を聴いても、通常盤とあまり変わらない音でした。

それで、アメリカ盤のマスターサウンド盤も安く買える機会があったので、購入しました。下の写真のように、上に青いマークが入っているのが、一般的に知られているCBSマスターサウンド盤であると思われます。

2016122404

20161224052016122406

こちらの送り溝の刻印は

side1

①HAL 44987-4AR
②T1
③COLUMBIA NY
④A12

②④が手書き

side2

①HBL-44987-5C
②T1
③COLUMBIA NY
④C2

②④が手書き

ということで、やはり、「HAL」「HBL」の機械刻印が入っているものが、正しいハーフスピード・カッティング盤だと思われます。こちらのSide2の音は、CBSソニー盤のSide2と酷似した音で、Side1の音もSide2と同様のイメージの素晴らしい音でした。

なので、CBSソニー盤も全部この盤と同じメタルマザーを使えたばいいのに、と思うのですが、その後、さらに謎な米盤を発見してしまいました。

2016122407

通常盤と同じようなジャケットに銀色のシールが貼られていて、

2016122408

音のよさそうなアピールが書いてあるものの、この盤の送り溝の情報は、

side1

①AL 34987 3BH
②f8
③STERLING(TJの手書き刻印付き)
④△5

①②④が手書き

side2

①BL-34987-4CE
②1S
③COLUMBIA NY
④AL

②④が手書き

ということで、



20161224092016122410

通常盤の原盤(Side1のみ、テッド・ジャンセンのカッティング?)としか思えない感じで、実際の音も通常盤と変わらないものでした。中古レコード店でもたしか300円くらいの値付けだったので、高音質盤としては扱われませんでした。

こんなレコードが出されたくらいなので、米国でハーフスピードマスターの原盤の認識や管理があやふやなものになっていたのかもしれません。それで、原盤の混乱が生じたのかもしれないと思ったのですが、マニア向けのマスターサウンド盤で、こんなにコロコロとマスターが変わっていることから、CBSソニーも少なくとも原盤に問題があったことは認識していたのではないかと思われるのですが・・・

最終的にSide1もCBSマスターサウンド盤と同様の原盤を使用した盤は発売されたのか、まだ謎のままのですが、これ以上深入りするのも危険な気もしています。

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20161224122016122413

上は、100円レコード市で、毎回ほとんど必ずあった日本盤の通常盤ですが、マスターサウンド盤のサンプル、1,2,3どれも、これよりは音がよかったのは確かでした。

こんな感じで、なんだかよくわからない、マスターサウンド盤なのですが、ストレンジャーの場合は、安価で入手(バーゲン時に買って数百円程度)できるので、色々確認できたのですが、もっと厄介なのはピンクフロイドの「炎(あなたがここにいてほしい)」なのですが、これについては、次回掲載したいと思います。

なお、ハーフスピードマスターを使用したと謳っている、洋楽ロック系のマスターサウンド盤は以下のものになります。

①ストレンジャー ビリージョエル
②炎(あなたがここにいてほしい) ピンクフロイド
③ディスカバリー エレクトリック・ライト・オーケストラ
④ベスト・オブ・アース・ウィンド&ファイアー アース・ウィンド&ファイアー
⑤シルク・ディグリーズ ボズ・スキャッグス

これらは、どんな原盤が使用されているのか、よく確かめてから、購入した方がよいと思います。

2016年12月 8日 (木)

G N' R Liesも輸入メタルマザー使用盤だった。

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昨日、Disk Unionで「GNR' Lise」の日本盤アナログを発見し、4300円くらいと、ちょっと高いかなあと思いつつも、この時期のGuns N' Rosesならば、輸入メタルマザーが使用されているに違いないと思って、レジで検番してみると、案の定その通りで、盤質もとてもよかったので、迷わず購入しました。で、実際聴いてみると素晴らしいサウンドで、結果的によい買い物ができてよかったなあと思ったので、記事にすることにしました。


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2016120804

歌詞カードもシワひとつない新品同様のコンディションでした。やっぱり、ジャケット、プックレットともに、アナログ盤のサイズはいいなあと改めていいなあと思います。

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レーベル面は、こんな感じで、いつものように送り溝の情報を記載します。

side1

①GHS-24198-A-SR1-DMM
②3-1
③SP-JAP
④+
⑤CS
⑥Sterling
⑦1M-A-2
⑧23P1-2400-1

side2

①GHS-24198-B-SR1-DMM
②3-1
③SP-JAP
④Sterling
⑤1M-A-1
⑥23P1-2400-2

Side 1の①②③④⑥ Side 2の①②③④が手書きの刻印なので、元々メタルマザーに刻印されていたものと思います。そして、Side1⑤の「CS」はCBSソニーの工場でプレスされたことを表しているようです。確かにSide1⑧Side⑥の刻印を見るとCBSソニー製のレコードで見る字体そのものなので、このレコードはCBSソニーの工場でプレスされたものと考えて間違いなさそうです。さらに、Side1⑦⑤より、この盤はかなり初期のスタンパーでプレスされた盤のようで、特にSide2は最初期スタンパーが使われているようです。

Discogsによると、このレコードは1988年12月21日に発売されたようです。28年前のまさに今の季節の年末主力商品として発売されたわけですね。

現地のカッティングエンジニアがカッティングした盤を使用して、CBSソニーの工場でプレスされた盤であれば、音質が悪いわけがないと考えられるのですが、実際、この盤のサウンドは素晴らしいです。特にSide 2のアコスティック・ギターの響きの生々しさは鳥肌ものだと思います。今後どんなにリマスター、ハイレゾの技術が進歩してもこれ以上のサウンドは望めないではとすら思えます。

楽曲そのものもSide2は、バンドがプレイクした直後の録音だけあって、バンドが勢いに乗ってる状態が伺える素晴らしい演奏だと思います。このテのロックバンドは、ブレイク直前やブレイク直後の演奏が一番いいんじゃないでしょうか。

そんなわけで、この28年前に発売されたアナログ盤が新品同様のコンディションで、なおかつ音質も演奏も最高のもので、とても幸せな気分になれました。今回の発見により、「APPETITE FOR DESTRUCTION」も含めて、初期Guns N' Rosesのアナログ盤は、日本盤が最強ではないかという思いがいっそう強くなりました。

  • ガンズ・アンド・ローゼズの輸入メタルマザー使用盤 2013.10.06
  • 2016年3月17日 (木)

    ダブル・ファンタジーの日本盤は2種類の原盤が使用されていた

    P1010321

    ジョンレノンのダブル・ファンタジーの日本盤が輸入原盤(輸入メタルマザーと書きましたが、ラッカー盤かメタルマスターを輸入した可能性が高いことがわかりました。)を以前の記事で書きましたが、その後の調査で、2種類の原盤が使用されていることがわかりました。このことは、コアなビートルズマニアにとっては、常識だったのかもしれませんが、少なくとも日本語で、無料でインターネット上で読める記事の中では、初めて記載される情報だと思います。ということで、以前の記事以降にわかったことを以下にまとめようと思います。

    以前の記事では、レコード100円市で買った、追悼の文字が入った帯付で1980年12月にプレスされたレコードをもとに書きましたが、その後、より初期の帯付のものを数百円で購入し、ヤフオクで、帯付の見本盤が出品されたのを発見し、1万円越えを覚悟して入札に臨んだものの、幸運なことに、4千円ちょっとの額で落札でき、さらにディスクユニオンで帯なしの見本盤を千円台で購入し、さらに初期帯で最初期に近いプレスと思われる通常盤を数百円と、わりとリーズナブルな値段で色々購入することができました。せっかくなので、見本盤のレーベル写真を掲載します。

    P1010323P1010326

    見本盤と、非売品の文字がある以外は通常盤と同じようなレーベルでした。以下に、それぞれのレコードの送り溝の情報を掲載します。なお、前回の記事では、Side2の原盤の刻印に誤りがありましたので、赤字で訂正を入れています。間違った情報を掲載してしまい、申し訳ありませんでした。

    通常盤1(追悼帯)

    ①GHS-1-2001-JPN-SET-2
    ②0-Z
    ③2L-A-29
    ④3
    ⑤STERLING
    ⑥P-10948J1
    ⑦TO

    SIDE TWO
    ①GHS-2-2001-RE1-JPN-SET-1
    ②L-A-36
    ③3
    ④STERLING
    ⑤P-10948J2
    ⑥TO

    通常盤2(初期帯)

    SIDE ONE
    ①GHS-1-2001-JPN-SET-2
    ②0-Z
    ③2L-A-21
    ④3
    ⑤STERLING
    ⑥P-10948J1
    ⑦TO

    SIDE TWO
    ①GHS-2-2001-RE1-SET-2
    ②2L-A-13
    ③3
    ④STERLING
    ⑤P-10948J2
    ⑥TO

    見本盤(帯つき)

    SIDE ONE
    ①GHS-1-2001-JPN-SET-2
    ②0-Y
    ③2L-A-2
    ④3
    ⑤STERLING
    ⑥P-10948J1
    ⑦TO

    SIDE TWO
    ①GHS-2-2001-RE1-SET-2
    ②2L-A-4
    ③3
    ④STERLING
    ⑤P-10948J2
    ⑥TO

    見本盤(帯なし)

    SIDE ONE
    ①GHS-1-2001-JPN-SET-2
    ②0-Y
    ③2L-A-5
    ④3
    ⑤STERLING
    ⑥P-10948J1
    ⑦TO

    SIDE TWO
    ①GHS-2-2001-RE1-SET-2
    ②2L-A-4
    ③3
    ④STERLING
    ⑤P-10948J2
    ⑥TO

    通常盤3(初期帯)

    SIDE ONE
    ①GHS-1-2001-JPN-SET-1
    ②0-Y
    ③L-A-3
    ④3
    ⑤STERLING
    ⑥P-10948J1
    ⑦TO

    SIDE TWO
    ①GHS-2-2001-RE1-JPN-SET-1
    ②L-A-1
    ③3
    ④STERLING
    ⑤P-10948J2
    ⑥TO

    Side 1の①⑤、Side2の①④が元々原盤にあった刻印であり、これにより、STERLING社により、カッティングされた、SET-1、SET-2の2種類があることがわかります。そして、ワーナーパイオニア特有の刻印である、Side 1の③、Side2の②より、SET-1が”L”、SET-2が”2L”に対応していることがわかります。なので、やっぱりこのワーナーパイオニアの刻印は、”マスター/マザー/スタンパー”を表していると考えて間違いなさそうです。ちなみに、LED ZEPPELINのイン・スルー・ジ・アウト・ドアのときに”STROWBERRY刻印あり/なし”で見たときは、”あり”が”L”でなし”1”であり、先日の森高千里の場合は、”1”か”2”だったので、輸入原盤の場合のマスター表記はアルファベットを含んでいて、日本独自カッティングのマスター表記は数字になるという法則性がありそうです。

    Side 1の②は東芝プレスの場合のプレスマークで”0-Y”が1980年11月、”0-Z”が1980年12月を表しています。以前の記事のコメントでは、”3-X”の表記の情報をいただきましたが、これは、1983年10月のプレスで、Side1が”2L-B-11”ということから、マザーがBまで進んだ11番目のスタンパーでプレスされた盤であると思われます。

    Side 1の⑦、Side2の⑥の”TO”は東芝の工場でプレスされたことを表すようです。東芝はジョンレノンを所属アーティストから失ったものの、レコードのプレスは引き続き行っていたというのは、面白い事実だと思います。

    そんなわけで、送り溝の情報の意味もかなりわかってきたのですが、Side 1の④、Side2の③の”3”が何を表しているのかは、今のところまったくわかりません。

    今のところ最初期プレスと思われる盤は、通常盤3でSide2がスタンパー1のもののようなのですが、やっぱりダブル・ファンタジーも、最初期スタンパーは見本盤ではなく、通常盤に使用されたようです。見本盤よりも、絶対に納期が遅れてはならない重要な問屋とか量販店の分を優先してプレスしたんじゃないかとか想像してしまうのですが、こうしたことも、いずれ関係者がら真実が語られてほしいところです。

    SET-1,SET-2で音の違いがあるのか、スタンパーが若い方が音がいいのか、気になることでありますが、今のところ、違うような気がしないでもないが、明確に説明できるほどの違いはないと感じています。どちらにしても、かなりの高音質であることは、間違いないと思います。現地のエンジニアがリアルタイムにカッティングした2枚の原盤を潤沢に同時期に使用して、日本の高品質な盤にプレスしたわけなので、状況的にも音がいい制作がされた盤だという理屈の説明ができると思います。実際聴いてて、最初の鐘の音なんかすごくクリアーだし、低音もしっかり鳴っているし、スターティング・オーバーの出だしのジョンの歌声の生々しさは、かなりのものだし、クリーンアップ・タイムのイントロなんて、ものすごくゾクゾクします。

    ダブル・ファンタジーの日本盤は、なぜか中古盤市場で不人気で、そのおかげで、リーズナブルな価格で色々なことをわかることができたのですが、僕には、この不人気が不思議でなりません。半分の曲がオノヨーコだとしても、「スターティング・オーバー」「ウーマン」「ウォッチング・ザ・ホイールズ」といったジョンレノンのソロ曲の中でも上位にランクされるような名曲が収録されているし、音質的にも、少なくとも、ジョンレノンの日本盤の中ではもっともいい盤と言ってしまっていいと思います。そして、何より、僕のように1970年代後半にビートルズファンなった人間にとって、ジョンレノンの新作をリアルタイムで聴けた唯一のアルバムであるわけで、当時、ポールの逮捕で日本公演が中止になって、「マッカートニー2」がたいしたことない作品で落胆していた時に、ジョンレノンの復活はものすごく明るいニュースで、さらにラジオでジョンの新曲としていち早く流された「スターティング・オーバー」が物凄くいい曲だったので、物凄い高揚感を持ってこのアルバムを迎えたことは、一生忘れないと思います。(その後の落胆については、あえて触れない)

    なので、僕にとっては、ダブル・ファンタジーはゲフィン・レーベルしかあり得ないので、数が少ないからといって、単なるレイトプレスのキャピタルレーベルや、東芝EMIレーベルのダブル・ファンタジーに何で高額なプレミアが付くのか、全く理解できません。

    あと、僕はあまり帯には思い入れはなくて、帯なしのおかげで、極上盤質のレコードが安く買えればラッキーとさえ思っているのですが、ダブル・ファンタジーの帯にはちょっと思い入れがあって、


    P1010328

    ダブル・ファンタジー発売直後にレコード屋で帯の裏面見たら、ジョージの新作が絶賛発売中なんて書いてあるもんだから、レコード屋でジョージの新作を探してしまった思い出があります。この帯により、発売延期になったジョージの「想いは果てなく」は「神のらくがき」とか「世界を救え」とか、邦題まで準備できていて、発売直前まで行った状態であったことがわかります。帯にこうした貴重な情報まであるのに、やっぱり、なんで、中古市場でダブル・ファンタジーの日本盤が不人気なのか不思議です。日本のビートルズファンでアナログレコードファンであれば、絶対注目すべきレコードだと思います。

    ただ、やはり不人気なのはありがたく、ここまで来たらいつかは、両面”2L-A-1”のものと、”L-A-1”の盤をGETしたいなあと思っています。もしかしたら、ブックオフの100円コーナーとか、思わぬところで発見できるのではないかと期待しています。

    2015年8月24日 (月)

    「Nightfly」の日本盤 その2

    P1010034

    ドナルド・フェイゲンの名盤「Nightfly」の日本盤は輸入メタルマザー使用盤という記事を以前書いたところ、原盤のマトリクスの枝番が「SH1」のものと、「SH3」のものがあるという有益な情報をコメントでいただきました。その後、帯なしの見本盤がわりとお手頃な価格で売られているのを発見して、それの送り溝に書かれていた情報を見ることにより、少しづつ事情がわかってきたので、記事にしたいと思います。

    P1010035P1010039

    上は見本盤のレーベルになります。以下に、見本盤と、前回掲載した、通常盤の送り溝の情報を記載します。

    見本盤

    SIDE ONE
    ①丸いマーク B-17196-SH1 (この後に薄く) SM-R
    ②1
    ③1-23696-A-SH-1
    ④MASTERDISK
    ⑤RL
    ⑥P-11264-1
    ⑦+
    ⑧2SM
    ⑨SLM
    ⑩△2607
    ⑪5M-A-1

    SIDE TWO
    ①1-23696-B-SH3
    ②1
    ③MASTERDISK
    ④RL
    ⑤P-11264-2
    ⑥+
    ⑦SLM
    ⑧△2607-X
    ⑨5M-A-2

    SIDE ONEの①③⑤⑦⑨⑩ SIDE TWOの①④⑥⑦⑧が手書き

    通常盤

    SIDE ONE
    ①丸いマーク B-17196-SH1 (この後に薄く) SM-I
    ②1
    ③1-23696-A-SH-1
    ④MASTERDISK
    ⑤RL
    ⑥P-11264-1
    ⑦+
    ⑧2S2 3
    ⑨SLM
    ⑩△2607
    ⑪5M-A-14

    SIDE TWO
    ①丸いマーク B-17197-SH1
    ②1
    ③1-23696-B-SH-1
    ④MASTERDISK
    ⑤RL
    ⑥P-11264-2
    ⑦SLM
    ⑧+
    ⑨△2607-X
    ⑩6M-A-1

    SIDE ONEの①③⑤⑦⑨⑩ SIDE TWOの①③⑤⑦⑧⑨が手書き

    といった感じで、赤字で書いた、「SM-R」もしくは「SM-I」の手書き刻印はものすごく薄いので、前回見逃してしまいました。しかし、もともとは「R」の記号が、プレスが進むうちにかすれてしまい通常盤では「I」に見えるようになってしまっているような気がします。東芝のようなわかりやすいプレスマークがないので、見本盤の方が早いプレスとは断言できないのですが、SIDE ONEの⑧の部分が、プレスマークと同様の意味を持つ記号のような気がしています。頭一桁の「2」は「1982年」の「2」ではないかと思っています。プレスマークはプレスが進むと桁数が増える傾向にあるので、その意味でも、見本盤の方が早いプレスである可能性が高いと思います。

    そして、見本盤の方が先のプレスだとすると、最初はSIDE ONEが「SH1」、SIDE TWOが「SH3」が使用されて、途中から、SIDE TWOが「SH1」に変わったということになります。また、通常盤のSIDE ONE「5M-A-14」、SIDE TWO「6M-A-1」であることから、この枝番がスタンパー番号だと推測すると、この通常盤は、SIDE TWOの原盤が切り替わった最初のスタンパーである可能性が高いと思います。また、SIDE ONEが「14」であることから、SIDE TWOもさほど多くのスタンパーを切らないうちに原盤を切り替えた可能性が高いと思います。そして、SIDE ONEが「SH3」に切り替わった盤も、レイトプレス盤の中から発見できるのではないかと思います。

    ということで、ドナルド・フェイゲンの名盤「Nightfly」の日本盤は2枚の原盤が確保され、それをあまりスタンパーが進まないうちから潤沢に切り替えて使用したので、音質的にもとてもよい条件でプレスされた盤であることが言えるのではないかと思います。

    ところで、この2枚を聞き比べてみたのですが、さすがに、SIDE ONEは全く違いがわからないレベルなものの、SIDE TWOは「SH3」の方が、若干、カッティングレベルが高く、楽器の分離度がよくて、こちらの方がより迫力があるのではないかとちょっと思ったのですが、かなり何度も両者を聞き比べてみても、「やっぱり気のせいかな」思うレベルではっきりと断言する自信はないです。しかしながら、両者ともかなりの高音質盤であることは、間違いないと思います。

    そんな感じで、ここまで来たら、ぜひともSIDE ONEが「SH3」の盤も入手してみたいと思っています。入手したら、また記事にします。

    2015年8月22日 (土)

    イン・スルー・ジ・アウト・ドア 「STRAWBERRY刻印」あり:なしの謎

    レココレのZEPリマスター特集の記事に、イン・スルー・ジ・アウト・ドアの国内盤で 「STRAWBERRY刻印」あり:なしがあり、どちらが先のプレスか不明と書かれていたことを記事にしたら、レコード盤のプレスマークを確認することで、判明できるのではという、有益なコメントをいただいたので、せっかくなので記事にまとめてみたいと思います。

    残念ながら、現在僕が所有している盤は中途半端な時期のプレスのようなので、情報としては不足していますが、今後、多くの情報が集まれば、かなり確信に迫れるのではないかと思っています。

    なお、プレスマークについては、前記事のコメントでハットフィールドさんが、詳しく説明していただいていますが、他には、湯浅学氏の著書「アナログミステリーツアー1967-1970」の217ページのコラムに詳しく書かれています。ここでは、東芝系のプレスマークの説明が書かれていて、60年代と70年代以降では、プレスマークの記載方法が異なるようです。また、ワーナーパイオニアは自社のプレス工場がなく、プレスをいろいろなところに委託していたようなので、イン・スルー・ジ・アウト・ドアについては、東芝の工場でプレスされていたため、プレスマークがわかりやくなっているようです。また、そういった観点で、僕の過去の輸入メタルマザーの記事を見返していただけると、A面の送り溝情報の中に、プレスマークらしきものが、発見できると思います。そして、僕の見方も一部間違っていたようで、例えばジョンレノンのダブルファンタジーについて、「Z-0」と書いてしまったのは、これは、逆方向から見てしまったようで、「0-Z」であれば、1980年12月に追悼盤として追加プレスされたものと、合点がいくようになります。なので、僕も、改めて送り溝の部分をしっかり見る必要があるかなと思っています。

    P1010026

    僕はイン・スルー・ジ・アウト・ドアの国内盤を3枚所有しています。上が一番最近入手したもので、レコード100円市で購入したものです。

    P1010027

    こちらも以前レコード100円市で購入したものです。

    P1010031

    こちらは、普通に中古レコード屋で購入したものですが、値段は忘れしまいました。どの盤も帯、茶色の袋はない状態でした。

    P1010029P1010030

    レーベル面はどれも違いはなさそうなので、1パターンのみ掲載します。

    で、肝心の送り溝の情報なのですが、以下のようになっていました。

    ・サンプル1

    A面
    ①P-10726N1
    ②STRAWBERRY
    ③0-6
    ④L-B-12
    ⑤3

    B面
    ①P-10726N2
    ②STRAWBERRY
    ③L-B-8
    ④3

    ・サンプル2

    A面
    ①P-10726N1
    ②8-6
    ③1-A-17
    ④3
    ⑤JISマーク

    B面
    ①P-10726N2
    ②1-B-1
    ③3
    ④JISマーク

    ・サンプル3

    A面
    ①P-10726N1
    ②8-6
    ③1-C-7
    ④3
    ⑤JISマーク

    B面
    ①P-10726N2
    ②1-B-12
    ③3
    ④JISマーク

    プレスマークからすると、サンプル1が1980年6月、サンプル2、3が1988年6月のプレスとなります。なので、上記の情報からすると、やはり、「STRAWBERRY刻印あり」が先のプレスなのではないかと思うのですが、では、リリース時の1979年8月のプレスはどうか、途中で切り替わったとしたら、何年ごろから、刻印なしに切り替わったのか、知りたいところです。また、1988年8月には、ワーナーパイオニアのレコード廉価盤販売キャンペーンがあったという有益な情報もコメントでいただきましたので、そのため、1988年プレスの盤が中古市場で発見しやすくなっているのかもしれないということもわかりました。特にイン・スルー・ジ・アウト・ドアはジャケットの種類が6パターンあるので、この機会にジャケット違いを揃えようとするマニア向けに少し多めのプレスされたのかもしれないということも考えられます。

    肝心の刻印ありなし、の音の違いなのですが、B面2曲目の「ALL MY LOVE」のイントロ部分を聴くと違いがわかりやすいと思います。STRAWBERRY刻印ありの方は、ドラムが入るところのバスドラの音がものすごい迫力で鳴ります。刻印なしの方はバスドラの迫力を少し抑えていて、イントロの演奏が少し抑え気味になっていることから、ロバートプラントの歌い出しの部分が、より際立って感じられます。なので、この曲調からすると、刻印なしの方が合っていて、LED ZEPPELINらしさでいうと、刻印ありの方なのではないかと思っています。なので、どちらがいいかは、好みがわかれそうだと思います。

    僕はイン・スルー・ジ・アウト・ドアがリリースされた時期には、LED ZEPPELINにさほど詳しくなかったので、FMラジオで初めて「ALL MY LOVE」をラジオで聴いたときには、「こういうメロウな曲でも、こんなにうるさいドラムの入り方をするんだ」と、思って強く印象に残ったことを覚えています。なので、やはりリリース時にラジオ局がかけた盤も刻印ありのものではないかと思っています。

    2015年2月14日 (土)

    ドナルド・フェイゲンの名盤「Nightfly」は輸入メタルマザー使用盤

    2015021401

    先日の「レコード100円市」の記事で、コメントをいただいたので、この盤についての記事を書きたいと思います。

    このレコードについては、最近”Bob Ludwig"でネット検索していたら、このレコードの日本版にも、”Bob Ludwig"がカッティングしたことを示す刻印があるという情報を得たので、それを確かめるべく、帯付の日本盤を購入しました。僕は、この作品をじっくり聴いたのはこの機会が初めてでした。僕は、初期のスティーリーダンの熱い情熱を感じるような演奏がかなり好きなのですが、レコーディングに専念するようになった後期(一般的には、後期スティーリーダンの方が評価が高いようですが)については、なんだかかなり冷静すぎる演奏に感じて、苦手に思っていました。そのため、ドナルド・フェイゲンがソロになってからのこの作品も、後期スティーリーダンの延長線上の作品だと思って、いままで敬遠していました。今回この作品を改めてじっくり聴いてみて、最初はやっぱり冷静すぎるサウンドが苦手かなと思ったものの、夜リラックスしたいときに聴くにはちょうどいいと思い、つい何度もターンテーブルに乗せているうちにすっかり最近の愛聴盤になってしまいました。やっぱり、名盤といわれるだけのことはある素晴らしい作品だと思います。

    それで、このNightflyの日本盤なのですが、帯にしっかりと、「米国カッティング」であることが記載されています。

    2015021402

    2015021403 2015021404

    そして、送り溝に刻印されている情報は以下のようになっていました。

    SIDE ONE
    ①丸いマーク B-17196-SH1
    ②1
    ③1-23696-A-SH-1
    ④MASTERDISK
    ⑤RL
    ⑥P-11264-1
    ⑦+
    ⑧2S2 3
    ⑨SLM
    ⑩△2607
    ⑪5M-A-14

    SIDE TWO
    ①丸いマーク B-17197-SH1
    ②1
    ③1-23696-B-SH-1
    ④MASTERDISK
    ⑤RL
    ⑥P-11264-2
    ⑦SLM
    ⑧+
    ⑨△2607-X
    ⑩6M-A-1

    SIDE ONEの①③⑤⑦⑨⑩ SIDE TWOの①③⑤⑦⑧⑨が手書き

    SIDE ONEの②⑥⑪ SIDE TWOの②⑥⑩はいつものワーナーパイオニアのレコードにみられる刻印なので、それ以外は輸入メタルマザーにもともと記載されていた情報ではないかと思います。機械刻印の”MASTERDISK”の後に手書きで”RL”とあるので、確かにこの盤は、”Bob Ludwig"のカッティングということで間違いないと思います。また、手書きの”SLM”はSheffield Lab Matrixを表しているようです。Nightflyの高音質盤と言われている、Quiex ⅡでプレスされたUSプロモ盤が、RL刻印とSLM刻印を根拠に通称”Ludwig Hot Mix”と言われているようなので、日本盤にも同様の刻印があることから、実は日本盤もUSプロモ盤は原盤が同一である可能性が高いのではないかと思っているのですが、USプロモ盤はかなり高騰して簡単に入手できる金額ではなさそうなので、自力で確認するのは難しそうだと思っています。

    ”Bob Ludwig"のカッティングというと、迫力重視なのが特徴的かと思っているのですが、このレコードについては、迫力よりも全体のバランスを重視したような印象を受けました。初期のデジタルレコーディングなので、音やせとか、しょぼい音になることが心配になりますが、さすがに高音質レコーディング盤と言われているだけあって、デジタル特有のしょぼい印象はありませんでした。確かに、楽器の生生しい感じはデジタル録音によって、少し失われているような気はしますが、全体の立体感も十分あるし、バスドラのキックのような低音からハイハットの高音までしっかり太い音で鳴っていると思います。エコーがあまり深くかかっていないのも、よいのではないかと思います。さすが、世界の一流エンジニアは、デジタルレコーディングの使いこなし方も超一流ということなのかもしれません。

    このように、Nightflyのような超名盤の日本盤が高音質盤であることはとても喜ばしいことだと思います。

    2014年12月31日 (水)

    輸入メタルマザー調査状況などなど

    20014123101


    早いもので、今年もとうとう大晦日になってしまいました。今年も当ブログを閲覧していただきまして、ありがとうございました。

    今年は、渡り廊下走り隊解散、道重さゆみ卒業、Berryz工房活動停止発表など、個人的には寂しい話題がアイドル関連では多く、アイドル応援の興味が次第に薄れていった一年でした。また、体力や、やる気がかなり低下してしまったことを感じた一年でした。なので、ブログの更新が滞り気味の一年でしたが、来年はもう少し回復させて、より多くの、意味ある情報を掲載したいと考えています。

    そんなわけで、日本では僕のブログ以外は誰もこだわっていない、輸入メタルマザーを使った日本盤の追求は、まだまだ続けていこうと思っていて、実は色々発見しているものの、気合不足でまだ記事に出来ていない情報がいくつかあります。そこで、それらについて、来年に向けての予告編みたいな感じで、少し書いてみたいと思います。

    ・Robert Plant

    「11時の肖像」が輸入メタルマザー使用であることはレコード100円市の記事で紹介しましたが、その後の調査で、「The Principle Of Moments」、「Shaken & Stirred」も輸入メタルマザー使用盤であることが確認できました。この感じだと、「Now And Zen」も期待できると思うのですが、まだ発見できていません。ハニードリッパーズは残念ながら、日本独自カッティングでした。しかしながら、ハニードリッパーズのUS盤はすごくいい音で、当時売れたためか、レコード100円市でもUS盤は発見しやすく、気軽にいい音を楽しむことができます。

    ・Jimmy Page

    ジミーペイジは、ゲフィンレコードより発売された「OUTRIDER」が輸入メタルマザー使用盤であることが確認できています。スワンソングから発売された「Deth Wish Ⅱ」のサントラも期待したのですが、こちらは日本独自カッティングでした。

    ・George Harrison

    ジョージは「慈愛の輝き」、「Somewhere In England」「Gone Troppo」の3枚が輸入メタルマザー使用盤であることは以前書きましたが、果たしてこれらが、本当の高音質であるかの判断に迷いがあり、なかなか掲載できないでいます。「慈愛の輝き」のUK初期盤に日本盤と明らかにカッティングが違う盤があり、これと日本盤がどう違うか判断が難しいと思っています。「Somewhere In England」はUK盤と全く同じラッカー盤から作られているであろうと思っています。「Gone Troppo」はUSプロモ盤が高音質とされていますが、USプロモ盤はカティングレベルが高すぎて、ジョージのギターの音が金属的になってしまっているので、日本盤の方がよいと思っています。

    ジョージについては、「「33&1/3」は理由は分からないが、日本盤はUK,US盤よりも音がいい」「ダークホースはUSオリジナルで、UK盤もUSメタルマザー使用」「クラウドナインはUS盤がよい」など、色々わかったこともあるので、これらも記事にしていきたいと思っています。

    ・10CC

    10ccは「オリジナルサウンドトラック」以降は輸入原盤を使ってカッティングされているようです。メタルマザーではなく、オリジナルのエンジニアがカッティングした原盤(メタルマスター)を使用しているようで、厳密にはUK,US盤と同一音質というわけではないようなのですが、それでも高音質が楽しめそうなので、現在確認中です。10CCは個人的に好きなバンドなので、今後の発見が楽しみです。

    ・CBSソニー・マスターサウンドシリーズ

    CBSソニー・マスターサウンドシリーズは、そのほとんどが、アナログマスターをわざわざデジタル化したものをマスターにしているので、当時の技術では音質的に期待できないので、今となっては忘れ去れれるべきものなのですが、ごく一部、USでハーフスピードカッティングした原盤のメタルマザーを使用して作られている盤があります。なので、これらは音がいいのではと期待しているのですが、これがまた謎が多く困っています。例えば、ビリージョエルの「ストレンジャー」とピンクフロイドの「あなたがここにいてほしい」のマトリクスを見ると、ハーフスピードカッティングではない盤のマトリクスが刻印されているものがあります。それでいて、ハーフスピードカッティングのマトリクスが刻印されている盤があり、どうやら、CBSソニー・マスターサウンドシリーズの盤には、当たりとハズレが存在するようです。特に困るのは、帯付きだと売値が1万円を超えるピンクフロイドの「あなたがここにいてほしい」で、この盤を買う場合は注意が必要だと思います。紙ジャケ探検隊さんの過去のサイトを見ると、「日本盤はハーフスピードカッティングではない」と断定されていますが、正確には、「日本盤はハーフスピードカッティングの原盤を使用したものと、そうではないものがある」というのが正しいということがわかってきました。

    そんな感じで、来年も輸入メタルマザーについて新たな発見があるといいなと思っています。また、格安で買えるUS盤でも、じつは高音質盤ということもけっこうありそうなので、このあたりも追求したいと思っています。

    来年がいい年になることを願っています。みなさんもよいお年をお迎えください。

    2014年12月24日 (水)

    ガンズ・アンド・ローゼズの輸入メタルマザー使用盤

    20014122401

    20014122402

    大分前に、コメントでガンズ・アンド・ローゼズの「アペタイト・フォー・ディストラクション」が輸入メタルマザー使用盤であることを教えていただいてから、ずっと、このレコードを探していたのですが、ようやく、先日のディスクユニオンのセールで購入することができました。あまり見かけない盤だけに、価格が心配だったのですが、帯も、ジャケットも盤もすごく綺麗な状態で約3200円で、この値段であれば十分許容範囲だったので、悩むことなく購入できました。

    20014122403

    通常、広告が入る帯の裏には、ガンズンの説明が書かれています。

    20014122404

    歌詞と解説が書かれた紙の表には、発禁ジャケの絵が書かれています。

    20014122405 20014122406

    レーベルは、こんな感じで、いつものように送り溝に記載されている情報を記載します。

    SIDE ONE
    ①GHS-2 4148-A-SR1-DMM
    ②CS
    ③SP1-4 SP-JAP
    ④1M-A-1
    ⑤STERLING
    ⑥P-13556-1

    SIDE TWO
    ①GHS-2-4148-B-DMM-SR3
    ②1
    ③SP-JAP
    ④1M-A-4
    ⑤STERLING
    ⑥1

    1面の①③⑤2面の①③⑤は手書きで、輸入メタルマザーに刻印されていたものと思われる

    といった感じで、お馴染みの”STERLING”の刻印がここでは手書きになっています。また、ワーナー盤のスタンパー番号と思われる数字が小さいので、かなり初期に作られた盤のようです。それとも、もうCD化が進んでいた時代なので、レコードが作られた数自体、かなり少なかったのかもしれないです。

    「アペタイト・フォー・ディストラクション」のアナログ盤はたまに、発禁ジャケのEU盤を見かける程度なのですが、一度だけディスクユニオンで通常ジャケのUS盤を見かけて購入しています。たしか、値段は1800円位だったと思います。

    20014122407

    中にはステッカーが入っていました。

    20014122408

    内袋の片面には写真がデザインされています。この写真は日本盤にはありません。

    20014122409 20014122410

    US盤の送り溝の情報はこんな感じです。

    SIDE ONE
    ①GHS-2 4148-A-SR1-DMM
    ②SP1-2
    ③SP-AR
    ④B-27798-SP1-DMM
    ⑤STERLING
    ⑥○-
    ⑦△16875

    SIDE TWO
    ①GHS-2-4148-B-DMM-SR3
    ②SP1-2
    ③SP-AR
    ④STERLING
    ⑤○-
    ⑥△16875-X
    ⑦B-27798-SP1-DMM

    全て手書き

    両面とも①の情報の字体が国内盤と全く一致するので、国内盤と同じラッカー盤、いや、DMMカッティングのようなので、この2枚は同じメタルマスターから作られた盤といっていいと思います。実際、音の傾向もほぼ同様でした。

    DMMカッティングということで、ちょっと心配したものの、アナログならではの迫力あるサウンドを国内盤でも楽しむことができました。例えば、「It's So Easy」のイントロの生々しさは、CDでは味わえない迫力です。僕は、これが出た当時からよく聴いていたのですが、今でもやはり、この盤に針を落とすと、つい最後までかけて聴き入ってしまいます。やはり、名盤だと思います。

    オリジナル盤と同一の原盤を使用していて、日本製の高品質な盤で作られていて、さらには発禁ジャケの絵がついた解説書もレコードサイズで封入されているということで、「アペタイト・フォー・ディストラクション」の国内盤はかなりポイントが高いのではないかと思うのですが、どうでしょうか。

    ゲフィンレコードの盤では、これまでもジョンレノンやエイジアの盤が輸入メタルマザー使用盤であることが確認できていますが、まだまだあるかもしれないので、注目すべきレーベルのひとつではないかと思っています。

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