2019 中日新聞杯」G3 レース回顧
弱いメンバーの難解なレースであった。スローペースでも後方からの差しが決まったのは直線が長く、前半に坂があるコースであったこととともに、先行馬が弱かったとも言えそうだ。
1.レース結果の基礎データ
2019年12月 7日(土) 4回中京3日 天候: 曇 馬場状態: 良
11R 第55回中日新聞杯
3歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指) 芝 2000m 16頭立
馬場差 -1.3 完全タイム差 +1.2
タイムランク E メンバーランク D
LAP :12.7-10.9-12.4-12.5-12.3-12.1-11.8-11.3-11.6-11.6
通過:36.0-48.5-60.8-72.9 上り:70.7-58.4-46.3-34.5
直線坂を上がってから1コーナーまでの直線のみ速くなり、以降は緩いペースとなっている。L4Fから一応ペースアップしているものの、緩いアップなので各馬無理なくついていけたようであった。
2.隊列分析
中盤は少し長い隊列になっていたが、直線入り口では割と短い隊列になっているので、全馬がコーナーでのペースアップについていけるほどのスローペースだったということであり、先行馬が弱かったということも言えそう。
3.完全タイム差検証
過大評価でありあと0.5秒は下げた方がよい。なので、かなりの低レベルレースである。
4.各馬の分析
1着 4番 サトノガーネット 牝 4 坂井瑠星 53 1.59.2 33.3
スタートは遅く後方を追走。直線で外に出してジワジワ伸びてゴール前でラストドラフトをギリギリ交わしての1着だった。
約400mの直線を最大限に活かしての末脚だった。最後先に抜け出したラストドラフトが少し気を抜いたのでその分交わせたというのはある。後方のままなので目立たなかったが、4角でのペースアップでもしっかり反応して、直線で追い込み可能な位置まで進出している。いつも末脚は使えているが前半の追走力がないために上位進出出来なかったのだが、今回前半のペースが緩かったことと、今回のメンバーであれば末脚の能力が高かったということがありそう。また、休み明け3戦目で調子を上げていたこともありそう。さらにオープンに入ってレベルの高い牝馬重賞ばかりを使っていたので、ここでは能力が上だったということもある。
2着 9番 ラストドラフト 牡 3 マーフィ 55 1.59.2 33.8
中段の馬込みを追走して脚を貯める。3角はインを距離ロスなく回ったが、4角の終わりあたりからやや外に出し、直線に入って追い上げ坂が終わったあたりから鋭く伸びて先頭に立ったが、ゴール前で気を抜いてしまい2着となった。
京成杯以降パッとしなかったが、休み明けの古馬オープン戦でそう負けていない走りを見せていたので、このレースでいい勝負ができそうな下地はあった。一瞬のトップスピードの速さが武器になりそうだが、今回かなりの低レベルレースなので昨年のギベオンのようにこのあとあまり活躍できない可能性は高そう。
3着 7番 アイスストーム 牡 4 吉田隼人 54 1.59.2 33.6
サトノガーネットの少し前の後方を追走し、直線で外からジワジワ伸びた。
ジワジワ伸びる差し馬なので、直線の長いコースでないと厳しそうであり、さらに今回低レベルレースなので、今後の活躍の機会は少なそう。
4着 12番 ショウナンバッハ 牡 8 吉田豊 54 1.59.3 33.3
後方2番手を追走から直線でしっかり伸びた。
末脚はまだまだ健在であるので、直線の長いコースの低レベルレースではまだまだ侮れない存在。
5着 13番 サトノソルタス 牡 4 秋山真一 54 1.59.6 34.3
中段の馬込みを追走。直線で前が開かない位置にいたとはいえ、坂を上がってからは前が開いても大した伸びは見られなかったので、今回は昇級初戦であったが、オープンでの実力は大したことないとの評価でよさそう。
6着 5番 ランドネ 牝 4 藤岡康太 52 1.59.6 34.9
スローペースで逃げれたが、坂の終わりで捕まった。
スローペースで他に逃げる馬がいないときしか逃げれない馬であり、末脚が全く劣るので、今回52キロでレースのレベルが低かったことを考えると、好走する機会はなさそう。
7着 16番 マイネルサーパス 牡 3 丹内祐次 55 1.59.7 34.5
中段の外を追走し、3,4角で外を回るも早めに進出し直線に入って少ししたところでは2番手まで上がるも末脚は長く続かなかった。
コーナーの追い上げが活きる小回りコースが向いているは明らか。今回ずっと外を回った距離ロスもあるので、小回りコースでは見直しが必要。
8着 10番 ジェシー 牡 4 横山武史 54 1.59.8 34.4
いつも先行していた馬だが、今回は中段につけて、最後に差す競馬を試したようだが、大した末脚は発揮できなかった。やはりオープンでの活躍は厳しそう。
9着 6番 アイスバブル 牡 4 スミヨン 55 1.59.9 34.7
前から5番手を追走し、直線の最初は良く伸びているものの、最後の末脚比べで見劣った。
この馬は34秒台後半の末脚で足りるレースでないと好走できない。なので、長距離でやや流れるレースが理想となる。
10着 15番 ミスマンマミーア 牝 4 藤田菜七 50 1.59.9 33.8
ずっと最後方追走から、最後はちょっとだけ伸びた。今回の緩いペースでもついていけないのだがら、追走力は絶望的にない。
11着 8番 アドマイヤジャスタ 牡 3 岩田康誠 54 1.59.9 34.4
やや後方追走から直線でも大して伸びずなにもできずに終わった。古馬オープンでの活躍は無理そう。
12着 3番 カヴァル 牡 4 丸山元気 54 1.59.9 34.1
後方追走から、大した末脚は発揮出来なかった。
昇級2戦目であるが、2勝クラス、3勝クラスを勝った戦績から、もう少し末脚が発揮出来そうな気もするのだが、そのときはさらに緩いペースだったので、オープンでは超スローペースでないと活躍できない可能性が高い。
13着 1番 ロードヴァンドール 牡 6 太宰啓介 55 2.00.1 35.0
躓き加減のスタートながら、鞭を入れてインの3,4番手の位置を追走。3,4角から最後まで追い通しとなり、最後は末脚がないので後方に沈んだ。
今回のレースの流れに全く合っていない走りであり、小回りコースの方が明らかに良い。次走休み明け3戦目で小回りコースであれば見直せる。
14着 11番 タニノフランケル 牡 4 松若風馬 55 2.00.2 35.3
2番手を追走するも直線はまるでのびず。
先行力があるといってもさほどスピードはなく、末脚は絶望的にないので、内枠、軽ハンデ、小回りコースといった条件が揃わないと好走は難しい。
15着 2番 メイショウエイコウ 牡 5 蛯名正義 53 2.00.3 34.7
後方インを距離ロスなく回ってきても見所なく、オープンでは能力が足りない。
16着 14番 パリンジェネシス 牡 5 鮫島克駿 54 2.00.4 35.3
先行するが最後は全く伸びなかった。オープンに入ってG2を3戦し、今回G3でもいいところがなかったが、合っていないレースを使っている可能性もあり、先行力があるので、どこかで大穴を空ける可能性はまだ残っている。
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