2020年 ジャパンカップの真完全タイム差を補正する ~真完全タイム差こそスピード指数の最終到達点である~
大阪杯でのコントレイルの走りは3着こそ確保したが、先行していたレイパパレを差せないのは仕方ないもののモズベッロに最後交わされてしまったのはとてもがっかりさせるものだった。牝馬3冠のデアリングタクトにしても、期待以下の成績が続いている。そこで、昨年のジャパンカップの真完全タイム差の評価を考え直す必要があると思ったので、ここで検証してみる。
昨年のジャパンカップの回顧記事では真完全タイム差について、以下の評価をしていた。
この時の補正のポイントとしては、アーモンドアイの前走からのパフォーマンスのダウンの程度、3冠馬2頭の前走からのパフォーマンスアップの程度をどの程度と考えることだった。実力のある3歳馬が古馬との初対決でパフォーマンスアップさせるのはよくあることだったので、ジャパンカップのレースレベルを考えると完全タイム差+0.2程度とするのが妥当ではないかとこの時は考えていた。ただ、その後の各馬の成績を見ると、アーモンドアイは前走よりもう少しパフォーマンスをダウンさせていて、3冠馬2頭のパフォーマンスアップはさほどでもなかったと考えた方が妥当のように思える。そこで、出走各馬の前走だけでなく次走のパフォーマンスを比較することにより、補正値を考えてみたのが以下の表になる。
上の表のように、真完全タイム差を+1.0としてアーモンドアイは前走より0.9秒パフォーマンスをダウンさせ、コントレイルは前走同等、デアリングタクトは0.5秒パフォーマンスダウンさせたと考えると次走の結果もとてもしっくりくるものになる。アーモンドアイは間隔をあまり開けずに出走するとパフォーマンスをダウンさせることはよく知られていたし、コントレイルは3000mでしかも接戦だった菊花賞からさほど間隔がなかったので上がり目はなかった、デアリングタクトは秋華賞から少し間隔が空いたのでパフォーマンスアップさせる余地があったと考えると説得力のある説明になる。
このように、真完全タイム差を導く補正値を考えるにあたって、前走との比較だけではどうしても補正を誤ってしまうことがあるのだが、その時にはこのように次走のパフォーマンスとも比較することによってかなり正解に近い値を導くことができる。実はTARGET frontier JVのレース結果画面をカスタマイズすることによって、前走と次走の成績と比較することは簡単にできる。そのため、僕はTARGET frontier JVで予想する際に、どうも疑わしくらいに真完全タイム差の値(TARGET frontier JVでは「補正タイム」の項目で表示させることができる)が高い馬がいた場合そのレースのレース結果画面を見て値の確からしさを確認するようにして、場合によっては補正している。こうすることにより、レースのレベルを示した指数としてはかなり完成度の高いものになる。なので、これは僕はスピード指数の最終到達点と考えている。
なぜ完成度の高い指数といえるかについてなのだが、僕は最近データを取ってみていて、どうも、前走の真完全タイム差の上位の馬が3着以内を外すことは少ない、ことと、前走の真完全タイム差が低い人気馬は3着以内に入らないことが多いということがわかってきたからそう考えるのである。まだ整理したデータが少ないのでもう少しデータがたまってきたらこのことを記事にしようと思っている。巷からスピード指数を扱った書籍は消えてしまって久しいのだが、やはりスピード指数は競馬予想にとても強力な武器になるのは現在も変わらないということを僕は実感しているのである。
「先週の結果分析」のタイムランクA B には怪しいものと信頼できるものがある。
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